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蹴りたい背中 河出文庫
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蹴りたい背中 河出文庫

綿矢りさ【著】

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蹴りたい背中 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/河出書房新社
発売年月日 2007/04/06
JAN 9784309408415

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蹴りたい背中

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商品レビュー

3.5

682件のお客様レビュー

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2026/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「さびしさは鳴る。」 この書き出しは本当に秀逸だなと思う。 通常、寂しさという感情は内から湧き上がるものなのに、初実の場合は外から聞こえてきているという表現になっている。 他人軸で生きている主人公にとって、周囲の騒がしさというものが、自分の静寂との対比で鳴るように聞こえているという比喩なのではと考えると一文に込める破壊力がすごい。その静寂を打ち破る手段がプリントを破るという主人公なりの小さな反抗に繋がることも含めて。 思春期という多感な時期かつ、学校という閉塞的な空間が全てとなると、孤独は重くのしかかるものだ。 その状況に耐えられる精神は無いが、強がってしまう主人公。一方で同じ境遇であるにもかかわらず、オリチャンに夢中で自分軸で行動するにな川。 ここで自分の世界に没頭するにな川を羨ましいと思いつつも、それを認めては自分が周囲からの評価を気にしているうえに、自分の軸がないことも明確になってしまう。 だから、にな川を「蹴る」という行為により、自分が優位であるということを証明したくなる。それにより自分自身が真に落ちこぼれの人間では無いのだという主人公なりの抵抗なのだろうか。 歪んでいるように思えるが、これも成熟しきっていないからこその行動とも言える。

Posted by ブクログ

2026/03/08

なんか暗くて怖い印象がずーっと続いて、好きかと言われると全然違うけど、特に理科室の描写とかが緻密すぎて、なんか私も当時の匂いまで思い出せる気がするくらいで、それはつまりすごい小説なんだろうなと思う。

Posted by ブクログ

2026/03/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館で借りた本。史上最年少芥川賞受賞作ということで、当時は連日ニュースになっていた。2004年のことらしい。私はその頃も結構本を読んでいたと思うのだが、自分には関係のないものだと思い込んでいたのか、読もうと思うことすらなかった。最近になって急に存在を思い出したので、この機会に読むことにした。 主人公ハツはクラスの余りもので、「輪に入れない」のを「輪に入らない」のだと虚勢を張っていて、それは全て嘘ではないのだろうけれど、完全に割り切れているわけではなくて。部活の先生に練習を頑張っているからこれから伸びると言われ、泣きそうになったりする。 「認めてほしい。許してほしい。櫛にからまった髪の毛を一本一本取り除くように、私の心にからみつく黒い筋を指でつまみ取ってごみ箱に捨ててほしい。」 この小説のいいなと思ったところは、ハツから見たらある意味裏切り者のようでもある唯一の友人・絹代や、先生を手玉に取っている部活の先輩を、悪者として描いていないところ。絹代はにな川とのデート(デートではない)に付き合ってくれるし(絹代視点だと相当気まずいシチュエーションだと思うのだが)、部活の先輩の台詞も好きだった。「あんたの目、いつも鋭そうに光ってるのに、本当は何も見えてないんだね。一つだけ言っておく。私たちは先生を、好きだよ。あんたより、ずっと。」 彼女達は「普通」で、悪人でもなく、ある意味ではハツよりずっと「正しい」。 そしてにな川。彼はクラスの空気感などものともしない、別次元で生きている人。解説では幼いと言われていたけど、これは幼さなんだろうか。ここの解説はあまりしっくりこなかった。アイドルにのめり込んでいるからという理由は、創作にありがちな大人びているから孤独が平気なタイプとは大分異なるとは思うけれど。 主人公のハツからにな川に対する感情は何と言うのだろう。余りもの同士という親近感もありそうだし、ごく普通に見下しているところもあると思う。その自分と同じような、なんなら見下しているような相手が、自分は気になって仕方ないクラスで孤立してる現状を、これっぽっちも気にかけていない。そこに対する苛立ちもありそうだし、憧れに近い感情もあるのだろうか。絹代は恋愛感情だと思い込んでいたが、恋愛感情というより性欲かな?と考えていたら、解説に同じようなことが書かれていてちょっと悔しかった。自分が先に言ったのに(先ではない)! でもこういう名前のついていない感情に名前をつけようとするのは野暮だなとも思う。名前をつけるという行為はレッテル貼りであり、決めつけであり、烙印を押すということだ。私のやっていることは絹代と大差ないのだ。でも気になる。言語化して、型にはめてすっきりしたい気持ちがある。 読んでいる最中はあまりいい気持になれる作品でもないのでそれほどだったのだが、感想を書いていたらどんどんいい話だったように思えてきた。なるほどこういう魅力を持った小説もあるのだな。

Posted by ブクログ