蹴りたい背中 の商品レビュー
文章は決していい文章ではない。変に長い比喩で、疲れる。 村田沙耶香氏の小説『しろいろの街の、その骨の体温の』はこの作品から影響を受けてそう。 思春期の少女がサディスティックな欲に目覚める。『しろいろの〜』はいわゆる一軍男子に対するサディズムで、この『蹴りたい背中』はクラスの余り...
文章は決していい文章ではない。変に長い比喩で、疲れる。 村田沙耶香氏の小説『しろいろの街の、その骨の体温の』はこの作品から影響を受けてそう。 思春期の少女がサディスティックな欲に目覚める。『しろいろの〜』はいわゆる一軍男子に対するサディズムで、この『蹴りたい背中』はクラスの余り者男子に対するサディズム。 男の子が女の子を部屋に誘ったら恋愛関係に発展する。物語的には"そう"なる。でもこれはそうはならない。恋愛感情ではない性の暴力。2人はこれからも蹴り蹴られの関係であり続けるのだろう。もしかしたら、「私」は蹴るだけじゃ満足しなくなるかもしれない…
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「さびしさは鳴る」という美しい日本語。始まりから惹かれた。 ハツの蹴りたい、痛めつけたい、惨めになってほしいという歪んだ感情は少し共感出来る気がする。 言葉に出来ないような感情をこの作品では繊細に書かれている。
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有名な書き出し、さびしさは鳴る。で一気に世界観に引き込まれた。 周囲から浮いた存在でありながら自己評価が高いハツは、群れを好むクラスメイトも、孤立しているオタクのにな川も心の中で軽蔑しながら学校生活をやり過ごす。 が、実際自分自身を一番客観視できていないのはハツ自身。捻くれ者のハ...
有名な書き出し、さびしさは鳴る。で一気に世界観に引き込まれた。 周囲から浮いた存在でありながら自己評価が高いハツは、群れを好むクラスメイトも、孤立しているオタクのにな川も心の中で軽蔑しながら学校生活をやり過ごす。 が、実際自分自身を一番客観視できていないのはハツ自身。捻くれ者のハツに対して、唯一変わらない態度で接してくれる、絹代は精神的にかなり成熟しているように思えた。 共感できない部分も所々あるが、筆者の繊細でみずみずしい表現方法のおかげで「蹴りたい」という、物語の核となる歪んだ愛情表現も最終的には理解することができた。
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捻くれてるし独りよがりの自分に酔いしれている 主人公に感情移入できなくてあまり魅力がわからず。 絹代が言った「私たちの思い出もそんなふうに言っちゃうんだ」という寂しそうなセリフが好きだった。
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今更ながら初読みでした。 ハツのな川に対する感情の動きと、友だちへの感情の向け方の描写が素晴らしい。話に入り込んでしまうし、情景もよく浮かびました。 個人的には文学賞系を受賞している作品は少し苦手意識がありましたが、この作品は私でも読みやすいところが多かったです。
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好きで嫌い、嫌いたいけど好き もどかしい気持ちを消化できない 愛しい、でも憎い、オリちゃんの好きなにな川を応援したい、でも自分を見て欲しい、上手く言えない 表現できない、背中を蹴りたい、顔やお腹じゃなくあくまでも蹴るのは背中。 せなかなら蹴ってもダメージ少なさそうだし。 青春...
好きで嫌い、嫌いたいけど好き もどかしい気持ちを消化できない 愛しい、でも憎い、オリちゃんの好きなにな川を応援したい、でも自分を見て欲しい、上手く言えない 表現できない、背中を蹴りたい、顔やお腹じゃなくあくまでも蹴るのは背中。 せなかなら蹴ってもダメージ少なさそうだし。 青春のモヤモヤを甘酸っぱく読めた感じた。 冒頭からオシャレでいいもの読んだな。 これはいつになっても人の心のどこかにあるのかも。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
にな川の背中を蹴ったり、傷口に口づけしたりするハツの気持ちが分かるような気がしたけど、結果分からなかった 結局はオリチャンではなく自分を見てほしかったのだろうか。だから蹴って気を引いたり、口づけしたり、オリチャンににな川が絶望させられることを望んでたりしたのか。 それとも自分がクラスカーストの下に属しており、にな川をより下を見ることで自分の自尊心を保とうしたのだろうか。 両方か。 --- 比喩が上手い。 特に味覚や嗅覚に訴えかける比喩として、「鉄のスプーンを舐める」と「濃縮100%の汗を嗅がされたように、酸っぱい」が印象的だった。 思わず、口の中に金属の味がしたし、酸っぱさに顔をしかめてしまった
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こういうときってどういう気持ちなんだろう?と思うけど、添えられた比喩によって、こういう気持ちなのかと想像できる。文が綺麗。一文目から素敵だった。
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個人的に共感できる部分があまり無かったにも関わらず、口の中が酸っぱくなったり、胸がぎゅっとする気分にさせられるのが不思議でした。 作中に出てくる比喩表現が独特で好きです。 特にハツのにな川に対する気持ちが沸き上がってくる瞬間の描写が良かったです。
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「さびしさは鳴る」といきなりはじまった 心地よく、リズムよく、話しが進む 孤独だと音がとてつもなく大きく聞こえる とくに教室や、パーティ会場などで 取り残されると周りの音が、余計に孤独を誘う わかるなあー 主人公たちが華やかでなく、 クラスで浮いた存在であるから 入り込んだら...
「さびしさは鳴る」といきなりはじまった 心地よく、リズムよく、話しが進む 孤独だと音がとてつもなく大きく聞こえる とくに教室や、パーティ会場などで 取り残されると周りの音が、余計に孤独を誘う わかるなあー 主人公たちが華やかでなく、 クラスで浮いた存在であるから 入り込んだら抜け出せそうにない 親しみと怖さがある かつての自分に出会っているかのように そして愛おしい
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