1,800円以上の注文で送料無料

蹴りたい背中 の商品レビュー

3.5

688件のお客様レビュー

  1. 5つ

    86

  2. 4つ

    194

  3. 3つ

    271

  4. 2つ

    51

  5. 1つ

    17

レビューを投稿

2026/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

背中を蹴ることは、支配欲なのだろうか。 弱いものをいじめて上に立ちたい。上でありたいと思う孤独ゆえの欲望からか。それとも歪んだ愛情のかたちなのか。 長谷川は孤独なのに周りを見下している。 強がりこそ青春。強がっている間はまだ子供。 長谷川とにな川は同じぼっちだが本質が違う。にな川はオリチャンに夢中ゆえぼっちに気付いていない(気にしていない)。 だが長谷川はぼっちをものすごく気にしている。強がって周りと群れない姿勢を貫くがその虚しさにも気づいている。 本当は繋がりたいはずなのに、それをプライドで拒絶する青春のジレンマがよく描かれていると思った。 孤独だからこそ感覚が研ぎ澄まされる感覚はわかる。 精神が削れていくよう。

Posted byブクログ

2026/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

学校と自分とを隔てている、自分という膜の中を選んだにも関わらず、周囲の目が異常に気になってしまったり、世の渡り方を学んできた目上の先生が鼻についたり思春期らしいいい主人公だった。 一方で自分の膜に籠りながらも、全く周囲の目を気にせず、ハツの孤独を脅かしてくることもないにな川。 にな川に興味が出てきたハツは蹴る。 これは、にな川の膜を破ろうとする、にな川の内面をもっと知ってやろうとするハツの気持ちの暗喩だと思った。 自分 と それ以外の世界という分け方や描写が新鮮だった。

Posted byブクログ

2026/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった どちらが主役なのか  2人の関係が不思議な繋がりかたで 嫌な感じになるのかなと思った友達との変化もそれはそれで良くて 不登校の場面でのクラスメイトの心境が自分の中にもあって自分の残酷さをあらためて知りました

Posted byブクログ

2026/04/05

悶々としつつ、どうにもならんのだろうと思いつつ、先が気になるまま、全てを読み終えていた。 なんとも苦しい年頃の、どうにもならない状況、どうにかしたい状況が伝わって、こちらまでモヤモヤする。どうにもカビ臭い匂いまで感じて、世界にどっぷり浸っていた。 解説を読み、芥川賞の受賞理由を理...

悶々としつつ、どうにもならんのだろうと思いつつ、先が気になるまま、全てを読み終えていた。 なんとも苦しい年頃の、どうにもならない状況、どうにかしたい状況が伝わって、こちらまでモヤモヤする。どうにもカビ臭い匂いまで感じて、世界にどっぷり浸っていた。 解説を読み、芥川賞の受賞理由を理解できた気がする。こういう小説があるのが、また面白い。

Posted byブクログ

2026/04/05

思ったことを取り留めもなく。 長谷川(ハツ)が、ひねくれすぎてた。ただ、高校の新学期が始まって数ヶ月で友達ができなかった。(中学の同級生と一緒にいたが、その友達に新しい友達、グループができてしまった)この事実が、彼女の孤立や選民思想を加速させていると感じた。そう考えることでしか...

思ったことを取り留めもなく。 長谷川(ハツ)が、ひねくれすぎてた。ただ、高校の新学期が始まって数ヶ月で友達ができなかった。(中学の同級生と一緒にいたが、その友達に新しい友達、グループができてしまった)この事実が、彼女の孤立や選民思想を加速させていると感じた。そう考えることでしか、自分を守ることができない。友達ができていない、孤立しているのは周りのレベルが低いからで自分はそれを選んでいる。そう思い込むことでやっと1人を耐えることができる。しかし、本当は友達が欲しいと思っていてもその殻が邪魔をする。今まで自分を守ってきたからを手放すことはできないから。1人の時間は殻をより強固に、大きくすることに注力してきた。その作業中に、外の世界なんかに割いている時間はない。急に殻から出されれば、何をすればいいのかわからず同じように周りを否定してしまう。そして、それがまた孤立を助長しからの必要性が増す。そんな悪循環の中で、彼女はにな川という同類を見つける。見つけるというか飯を作る際にあぶれた2人が必然的に横に座ることになった。主人公のハツは、話しかける。今まで殻に閉じこもってばかりいた、彼女が話しかける。それは、仲間を見つけたと感じたからであろう。だが、その彼は自分とは違っていた。客観的に見れば、クラスで独りとなっている同類ではあったが、独りを怖がることはなかった。それゆえに、彼は殻を持っていなかった。オリチャンという、アイドルなのか女優なのか綺麗な女性に夢中で、クラスで後ろ指を刺されたりすることに関心がなかった。独りでいることは、自覚していたがそれを悲観的に捉えることはなかった。もしくは、何もとらえていなかった。ただただ、オリチャンに夢中で、窓際の席でカーテンの中に入って、孤独を紛らわせながら、昼ごはんを食べ、クラスメイトが楽しく会話しているのと自分を比べて悲観的になり、手を差し伸べてくれた中学時代の友達にでさえ冷たく当たってしまう長谷川とは違っていた。しかし、私は結局のところ長谷川もにな川も同じであったと思う。2人とも孤立していて、2人とも殻を持っている。ただ、唯一、そのからを自覚しているかどうかという点において2人は違っていた。そしてその違いは、長谷川を苛立たせた。仲間だと感じていた彼は、私たちが仲間だと感じていない、なぜだろう。傷を舐め合うはずだったのに。オリチャンのライブに一緒に行くことになったが、長谷川は遅れてきた。これは、にな川が大好きなオリチャンに会うのが嫌だった。もしくは、より強固な無自覚の殻に変容してしまうのが怖かったからだと私は思う。そして、終演後出待ちのファンを押しのけてオリチャンの目の前に行ったが、何をされるわけでもなく颯爽と帰って行ったオリチャンを見て悲しむ彼を見て喜んだのではないか。無意識に長谷川に背中をむけ、オリちゃんという殻の中に入るにな川に殻を自覚しそれが孤立によって作られたことを自覚する長谷川は苛立ち背中を蹴る。

Posted byブクログ

2026/03/31

中学生の時に読んだ。 矛盾する感情が分かるような分からないようなモヤモヤした感じで読み終わった。 思春期特有のまだ対処の仕方が分からない苛立ちあったな。

Posted byブクログ

2026/03/30

綿矢さん19歳、爽やかな青春小説ではないですが、若さゆえの複雑な気持ちの動きや行動がほんとうにわかる小説です。 芥川賞納得です。

Posted byブクログ

2026/03/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クラスで一人ぼっちのハツとにな川。にな川の愛するアイドルに会ったことがあるハツは、その思い出をきっかけににな川と話すようになるがー。消化不良気味。短いからさくさく読めたし、プライドの高いハツ視点の文章がおもしろかっただけに残念でした。ハツがにな川に抱いていた感情は愛情ではなく、自分よりかわいそうなにな川を下に見たかっただけなのでしょうか。ハツは一人ぼっちであることを周りのレベルが低いからと決めつける。自分を守るために精一杯に虚勢をはっている姿は、わかるけれど痛々しい。不思議な作品でした。

Posted byブクログ

2026/03/08

なんか暗くて怖い印象がずーっと続いて、好きかと言われると全然違うけど、特に理科室の描写とかが緻密すぎて、なんか私も当時の匂いまで思い出せる気がするくらいで、それはつまりすごい小説なんだろうなと思う。

Posted byブクログ

2026/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館で借りた本。史上最年少芥川賞受賞作ということで、当時は連日ニュースになっていた。2004年のことらしい。私はその頃も結構本を読んでいたと思うのだが、自分には関係のないものだと思い込んでいたのか、読もうと思うことすらなかった。最近になって急に存在を思い出したので、この機会に読むことにした。 主人公ハツはクラスの余りもので、「輪に入れない」のを「輪に入らない」のだと虚勢を張っていて、それは全て嘘ではないのだろうけれど、完全に割り切れているわけではなくて。部活の先生に練習を頑張っているからこれから伸びると言われ、泣きそうになったりする。 「認めてほしい。許してほしい。櫛にからまった髪の毛を一本一本取り除くように、私の心にからみつく黒い筋を指でつまみ取ってごみ箱に捨ててほしい。」 この小説のいいなと思ったところは、ハツから見たらある意味裏切り者のようでもある唯一の友人・絹代や、先生を手玉に取っている部活の先輩を、悪者として描いていないところ。絹代はにな川とのデート(デートではない)に付き合ってくれるし(絹代視点だと相当気まずいシチュエーションだと思うのだが)、部活の先輩の台詞も好きだった。「あんたの目、いつも鋭そうに光ってるのに、本当は何も見えてないんだね。一つだけ言っておく。私たちは先生を、好きだよ。あんたより、ずっと。」 彼女達は「普通」で、悪人でもなく、ある意味ではハツよりずっと「正しい」。 そしてにな川。彼はクラスの空気感などものともしない、別次元で生きている人。解説では幼いと言われていたけど、これは幼さなんだろうか。ここの解説はあまりしっくりこなかった。アイドルにのめり込んでいるからという理由は、創作にありがちな大人びているから孤独が平気なタイプとは大分異なるとは思うけれど。 主人公のハツからにな川に対する感情は何と言うのだろう。余りもの同士という親近感もありそうだし、ごく普通に見下しているところもあると思う。その自分と同じような、なんなら見下しているような相手が、自分は気になって仕方ないクラスで孤立してる現状を、これっぽっちも気にかけていない。そこに対する苛立ちもありそうだし、憧れに近い感情もあるのだろうか。絹代は恋愛感情だと思い込んでいたが、恋愛感情というより性欲かな?と考えていたら、解説に同じようなことが書かれていてちょっと悔しかった。自分が先に言ったのに(先ではない)! でもこういう名前のついていない感情に名前をつけようとするのは野暮だなとも思う。名前をつけるという行為はレッテル貼りであり、決めつけであり、烙印を押すということだ。私のやっていることは絹代と大差ないのだ。でも気になる。言語化して、型にはめてすっきりしたい気持ちがある。 読んでいる最中はあまりいい気持になれる作品でもないのでそれほどだったのだが、感想を書いていたらどんどんいい話だったように思えてきた。なるほどこういう魅力を持った小説もあるのだな。

Posted byブクログ