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滴り落ちる時計たちの波紋 文春文庫
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滴り落ちる時計たちの波紋 文春文庫

平野啓一郎【著】

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滴り落ちる時計たちの波紋 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/文藝春秋
発売年月日 2007/06/10
JAN 9784167717322

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商品レビュー

3.6

14件のお客様レビュー

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2025/12/19

白昼 合わせ鏡のように絶対に奥へと進めない、映画「マトリックス」の地下鉄のように、どこへも繋がらない。夢の中で彷徨っているかのような作品。 初七日 葬式にまつわる物語。墓場まで持っていく、とはよく言うが、戦争経験者は語りがたいことの重さが違う。辺見庸「もの食う人々」で示された日...

白昼 合わせ鏡のように絶対に奥へと進めない、映画「マトリックス」の地下鉄のように、どこへも繋がらない。夢の中で彷徨っているかのような作品。 初七日 葬式にまつわる物語。墓場まで持っていく、とはよく言うが、戦争経験者は語りがたいことの重さが違う。辺見庸「もの食う人々」で示された日本兵のエピソードとは同じではないにせよ、多かれ少なかれ人道にもとる行為は戦時下なら無理もないことなのだろうなと感じた。 転勤族にとっての帰郷は場所よりも言葉にこそある、というのはそこにいた生活の軌跡が言葉にあるということなのかな。 閉じこめられた少年 作品自体の構造が実験的だった。特異な構造に途中で気づいたけれど、記憶が混濁したように感じられる読書体験だった。 瀕死の午後と波打つ磯の幼い兄弟 道路にある吐き捨てられたガムの黒いシミ、自動販売機で飲み物を買う、その罪悪感と興奮。読んでいる僕は、描かれる景色や心情がなぜ分かるのだろう(日本の地方の均質性の高さゆえか)。物語を読みつつその一つひとつの描写は、物語が描く世界を想起させつつも、記憶の中の荒れた都会の道と、自動販売機があった地元の道を僕に歩かせる。 二つの物語が交わることを今か今かと思いながら読み進めて、そこを重ねるか、という意外さで幕を閉じた。 最後の変身 未読だったカフカの変身を読んでからこの作品を読んだ。本を最初に手にした時にちらっと読んだら、変身をもとにしているようだったからだ。青空文庫は便利だ。 蛾が幼虫から蛹を経て成虫になることを外的な役割の変化と捉える一連の解釈および主人公の独白が、若き日の自分に重なった。この歳になったからか、物語でも報道でも自分のことのように感じることが多くなった。 未消化、不完全燃焼のまま心の部屋の片隅に追いやっていて、不意に視界に入るー何かのきっかけで当時のことがフラッシュバックされる記憶が平野さんの作品によって成仏される気になる。向き合い方がわからないままそのままにしていた記憶に、別の向き合い方を教えてくれる(他の作者でも同じかもしれないが)。 分人主義の著書で語られていた「本当の姿」という捉え方による不都合を徹底的に表した作品だと思った。 著者書評 https://books.bunshun.jp/articles/-/1122

Posted by ブクログ

2025/11/22

「白昼」 何かが後ろからつけてくる これに追いつかれたとき人は発狂するだろう 背後霊? いや、それはもうひとりの自分だ 誰かに嫉妬されたい自分を 何かに嫉妬する自分がつけてきている 「分人主義」なる機械仕掛けの神を見出す以前には 一応こういう純文学的テーマを持っていた 「初七日...

「白昼」 何かが後ろからつけてくる これに追いつかれたとき人は発狂するだろう 背後霊? いや、それはもうひとりの自分だ 誰かに嫉妬されたい自分を 何かに嫉妬する自分がつけてきている 「分人主義」なる機械仕掛けの神を見出す以前には 一応こういう純文学的テーマを持っていた 「初七日」 父親が急に亡くなったあと 葬儀やなんかであわただしく時間がすぎていった そんな中、なぜか家に猫が入り込み 粗相をしていくという話 この家はひょっとすると相続に関して 面倒を抱えてるんじゃないか などと邪推しつつ そんなことよりこれは乙一へのオマージュ作品だろう なんてことも昔から思っていた 「身内の不幸は猫のかたち」ってね 「珍事」 バカというやつ1等バカ それと同じで 人の孤独を笑うやつがいちばん寂しいんだ ま、あるあるですね 「閉じ込められた少年」 いじめっ子への復讐でそいつを刺した少年が すべてを忘れてしまいたいと願う 「分人主義」という考え方によって それを実現することができるだろう いじめっ子たちも少年をいじめたことなど 忘れていそうであるが 「瀕死の午後と波打つ磯の幼い兄弟」 白昼の街中で発生した犯罪と 晩夏の海水浴場で津波に襲われた幼い兄弟 ふたつのドラマに、直接のかかわりはない かかわりがあるとしても それは観察者の作為によって見出された関連にすぎない セカイならぬ世界とはそういうものだ ということを言いたい作者の脳内世界、なので 細かいところが妙に芝居がかっている 「les petites passion」 希死念慮を抱えたかわいそうな少年の白昼夢 絵に描いたような悲劇の主人公感 彼を処刑するのは彼じしんであるという 謎のストーリーによって 作者は何を得ようとしているのか 「くしゃみ」 個人の行動、あるいは認識などによって 世界の理が変わったりはしない それが起こり得るのは冗談の世界だけだ ロマンと冗談はしばしば混同されるもので そこは難儀な話であるが 「最後の変身」 人間社会は自然にそむく矛盾を抱えており それ故に様々な機能不全をおこす たとえば「イジメ問題」もそのひとつ 社会的に抑圧された暴力は 陰険な方法で立場の弱いものに向けられる この話では、少年時代イジメに加担する側だった語り手が 親の残したローンと介護 そんな将来の負担を悲観することで 無気力状態の引きこもりになるのだが カフカの「変身」を読みかえしたことから 自らを繭のなかの蛹になぞらえ いつかすべての矛盾を超越した何者かになることを夢見ていく そこで例の「分人主義」に通じる発想が出るんだけど なんでそうなるのって感じの結末だ それを実行するにせよしないにせよ 語り手が職場でイジメられたとか 人に見限られたとか そうでなきゃ構ってちゃんでもないかぎりは こういう発想って出てこないと思うんよね なんか嘘っぽい書き方も多く まあプライドの高い八方美人って感じだな 気持ちはわかります 教訓としては、分人を切り捨てられる前にこっちから切り捨てろ ってとこでしょう この段階では要するに「親離れしろ」って話でしかないんだけど これが他責に結びついたときどうなるかね 非情な時代だ 「バベルのコンピューター」 個人間の差異をあるがままに受け入れようとする 頭の古いヒューマニストを尻目に 現代アーティストは 差異がまったく消失した世界の可能性を夢見る 21世紀に入って彼が新たに制作した作品 「バベルのコンピューター」は あらゆるテキストが文字の組み合わせにすぎないという ボルヘスの小説から着想されたもの 人に書かれうるあらゆるテキストを 書かれる前から生成するコンピューター群である それに蓄積された膨大な量のテキストは いっさいの背景を持たない その中にあるひとつのテキストに 何らかの意味を見出しうるとしても しょせんは単なる文字の組み合わせにすぎないのだ バベルのコンピューターはそのように あらゆるテキストから特権性を剥奪することで 言葉を操る人間たちの単一性を示そうとする しかし一方では あらかじめすべてのテキストを独占した結果 コンピューターが機械仕掛けの神として君臨する未来をも 予感させるのだった

Posted by ブクログ

2019/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

平野啓一郎くんの短編集。 父親の死とその後の心の動きを綴った“初七日”と、兄と幼い弟の休日を描いた“波打つ磯の幼い兄弟”は、私のふるさと、北九州が舞台で北九州の方言が多用されている。 方言がすばらしい! (北九州人以外の人に理解できるのかなー)。 “最後の変身”はカフカの“変身”に影響を受けている引きこもり男性のつぶやき。 横書きで書いてあるけど、これは彼がパソコンで自分のことを綴っている…っていうスタイルのようだ。 読んでいると、引きこもっている男の気持ちにかなり同調してきてしまい、怖い。 そのほか、“珍事”、“閉じこめられた少年”という作品もとても面白かった。 “閉じこめられた少年”は、ずっとイジメを受けてきた少年が反撃に出て相手をナイフで刺したあと、逃走しているところを描いているのだけど、読んでいると彼が“閉じこめられている”ところに自分もはまりこんでしまい、これも怖いです。 同じところをぐるぐる回っちゃうのです。

Posted by ブクログ