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お目出たき人 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | 内容:お目出たき人. 二人. 無知万歳. 生まれなかったら?. 亡友. 空想. 武者小路実篤の女性観 山本健吉著. グダグダたる人 阿川佐和子著 |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
| 発売年月日 | 1999/05/01 |
| JAN | 9784101057149 |
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お目出たき人
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商品レビュー
3.6
46件のお客様レビュー
言葉を交わしたことの…
言葉を交わしたことのない少女へ思いを寄せる恋。その想いは通うことのないまま破局に・・・。武者小路実篤だからこそ描ける心理描写。切ない恋の物語。
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これ以上おめでたい男はいない。妄想を膨らませて、恋愛一人相撲。このお目出度い主人公に勝てるのは、「空中ブランコ」(直木賞受賞)の伊良部博士くらいのものだ。
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白樺派の武者小路実篤による、大胆な自己肯定に溢れた作品。「自分」の当然の失恋を、直接的な内面描写で描き出している。 「自分」は想い人「鶴」と話したことがなく、直近1年に至っては会ってすらいない。にも関わらず、勝手に恋心を募らせている。その上、自己の理想の女性像をそのまま投影して...
白樺派の武者小路実篤による、大胆な自己肯定に溢れた作品。「自分」の当然の失恋を、直接的な内面描写で描き出している。 「自分」は想い人「鶴」と話したことがなく、直近1年に至っては会ってすらいない。にも関わらず、勝手に恋心を募らせている。その上、自己の理想の女性像をそのまま投影しているため、彼の中でその存在が肥大化している。楽天的であるため、結婚出来るものとして疑わない。客観的に見ると滑稽であるが、彼は至って真剣に恋愛しており、流石に閉口してしまった。 興味深く感じた点は、これ程までに「鶴」を慕う「自分」が、自我は恋愛に勝ると考えていることだ。恋愛至上主義の中に生きているようでありながら、実際は大正的教養主義の影響を強く受けており、恋愛もあくまで人格完成の手段としている。この時代特有の精神がよく表れていると感じた。 最後に。「自分は女に飢えている」気持ち悪い独白ではあるものの、率直な吐露には爽やかさすら感じさせる。「文壇の天窓を開けた」と評される武者小路ならではの自己表現であろう。
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