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曽根崎心中・冥途の飛脚 他五篇 岩波文庫
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曽根崎心中・冥途の飛脚 他五篇 岩波文庫

近松門左衛門(著者), 祐田善雄

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曽根崎心中・冥途の飛脚 他五篇 岩波文庫

定価 ¥1,034

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 1977/09/01
JAN 9784003021118

曽根崎心中・冥途の飛脚 他五篇

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商品レビュー

4.5

14件のお客様レビュー

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2010/05/28

「恋の手本となりにけ…

「恋の手本となりにけり…」死ぬ事でしか恋を成就出来なかった道行き浄瑠璃の魅力。

文庫OFF

2010/05/28

曽根崎心中って内容は…

曽根崎心中って内容は知っていても字で読んだことはなかった。浄瑠璃なだけあってか、語感がいい。“声に出して読みたい○○”じゃないけど、音読もお勧め。

文庫OFF

2026/02/09

「心中」というと、不謹慎かもしれないが思い浮かぶのは太宰治だ。彼の生き方や作品に関しては賛否両論あるだろうが、私はわりと太宰が好きである。とある作家のように神格化する気はまったくなく、むしろ文章が上手いこと以外からきしダメだったからこそ人々に親しまれたんじゃないかとすら思っている...

「心中」というと、不謹慎かもしれないが思い浮かぶのは太宰治だ。彼の生き方や作品に関しては賛否両論あるだろうが、私はわりと太宰が好きである。とある作家のように神格化する気はまったくなく、むしろ文章が上手いこと以外からきしダメだったからこそ人々に親しまれたんじゃないかとすら思っている。弱くて、女好きで、子供のような陰口を叩く、この絶妙な人間臭さに酒とタバコのかおりを染み込ませ、一抹の矜持をふりかけて生まれたのが太宰文学で、理想的な強さを追い求める文学に対するアンチテーゼとして世間に受け入れられ、認められた、というのが正当な評価だといえるだろう。どうしてすんなり受け入れられたかと言えば、世の中の男性というものが想像以上に「弱い生き物」だからではないかと思う。 近松門左衛門の作品をまとめた本書を読んでいると、男というものは意外と弱くだらしないものなんじゃないかと思えてくる。 『曽根崎心中』の主人公は金を返さない敵役に散々に打ちのめされ、復讐もできず金の工面もできずに心中の道を選ぶ。『卯月紅葉』の主人公は義父の妾に散々虐められ、あげくその妾の弟に殴られ、様々な濡れ衣を着せられたあと、弁明したり身を落として生きていく道を選ぶでもなく心中を決意し、自分一人は生き残ってしまうというなんとも情けない結末。『心中重井筒』に関しては妻がいる身で遊女と心中、自分は死にきれず井戸に落ちて死亡という哀れな最後。『冥途の飛脚』ではそもそも自害へ向かうことすらできず、親に会いに行ってしまった際に捕まり処刑されてしまう。 こう列挙していくと、誰一人として「好漢」と呼べそうな男がいないことがすぐにわかると思う。女好きで喧嘩は弱く、金を工面するだけの知恵もなく、潔さもない。男の容姿への言及もないので、どうして女たちはこの男どもに惚れてしまったんだ?と首を捻ってしまう。しかしなんというか、こういう男の描き方のほうが生々しく感じられるから面白い。子供のような考え方にはなるが、「強い」というのは「弱い」があるからこそ成り立つし、「強い」ことが尊ばれるためには「弱い」が多数派でなければならないのだ。 太宰達「無頼派」の時代になっても同じような男性像が描かれ、多くの読者を獲得していったことを考えると、近松が見出した男の姿は、時代を超えた普遍性があったのだなぁとしみじみ思う。むしろ男の真の姿と言ってよいかもしれない。坂口安吾が「下を向け!」と力強く声をかけ、それを受け入れて肩の荷を下ろした男達の数は計り知れないほどだったであろう。また、そんな男を慕った女の姿も多かったに違いない。弱い者が弱い者を慕う、それが誰もが目を背けつつも、受け入れている社会の真実なのだ。 さて、最後に本書の読みやすさなどに関しても述べていこうと思う。文法や単語的には難しくないのだが、独特の謡のリズムの中で、当時の人なら知っていて当然という調子で大した説明もなく物語が展開していくため恐ろしく読みづらい。ページ下の補注に書いてある簡単なあらすじを読まないと、特に序盤は話を理解するのが困難なほどだ。しかし岩波文庫の御多分に洩れず、本書も補注がとても丁寧なのでしっかり参考にした方が良い。この読みづらさも、我慢して耐えていれば、生々しく香ばしい群像劇を演出する最上の舞台装置として働いてくれる。美味しいものを食べるためには、多少の我慢は必要なのである。

Posted by ブクログ