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スプーン 林あまり歌集
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スプーン 林あまり歌集

林あまり(著者)

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スプーン 林あまり歌集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2002/04/12
JAN 9784163208503

スプーン

¥385

商品レビュー

3.7

9件のお客様レビュー

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2024/05/20

林あまりさんの歌集ですね。 林あまりさん(1963年、東京生まれ)歌人、エッセイスト、作詞家。  なんと、一週間で詠えあげた歌集だそうです。 三ヶ月かけて、詠んだ短歌がどうやら設定ミスで「この短歌…、全部駄目だ!使いものにならない!」と気付いて、歌集出版の締切一週間前に、「大変な...

林あまりさんの歌集ですね。 林あまりさん(1963年、東京生まれ)歌人、エッセイスト、作詞家。  なんと、一週間で詠えあげた歌集だそうです。 三ヶ月かけて、詠んだ短歌がどうやら設定ミスで「この短歌…、全部駄目だ!使いものにならない!」と気付いて、歌集出版の締切一週間前に、「大変なスピードで、私は書きました。五日経ち、作品は百首以上になっていました。」とあとがきで語られています。  つまり、この歌集は実体験ではなく、主人公の設定があるドラマ化された歌集のようです。  短歌の成り立ちがそうであっても、詠み人の内面から産まれた歌であるから良いのだとは思います。  わたしのからだの重さをいつも知ってきた    たったひとりのこの腕と胸  約束はいつでも次の季節まで    「春になったら植物園へ」  お湯から先に上がったあなたはもう冷えて    猫のわたしがあたためている  仕事がちっともはかどらなくて鉛筆を投げる    しばらく木枯らしを聞く  海を見るためだけに乗るモノレール    カーブのたびに青が濃くなる  そこからが思い出せない見も知らぬ    路地を曲がった夢のその先  抱いていた猫を下ろせばまず胸が    冷えてきて冬がまた来る  むかしむかしの春の歌ひとつ教わって    くちずさむうち ねむたくなった  短歌を詠むことに悦びを味わう作者の息づかいが感じられます。一晩で三十首詠まれた事もあって出来上がった歌集です。恋歌の歌が多いです。さすが、プロの芸術家はセンスが違いますね。林あまりさんの歌集は、女性に人気が有るそうですが、頷けます。  恋歌は、私には余り縁が有りませんが、湿り気が無いあっさりとした短歌は、読んでいて頷けました。

Posted by ブクログ

2021/11/10

表紙が可愛い、さすが文芸春秋。短歌が可愛い、さすが林あまり。「橇に乗り銀いろの森こえてゆく目を閉じてあと十五分だけ」「約束はいつでも次の季節まで「春になったら植物園へ」」「そこからが思い出せない見も知らぬ路地を曲がった夢のその先」

Posted by ブクログ

2014/05/04

たったの二行から、広く鮮明な情景が複雑で繊細な心が生まれる。 きれい。 「ひとの手のかかった食事は今夜はつらく レトルトシチューあたためている」 「海を見るためだけに乗るモノレール カーブのたびに青が濃くなる」 「入院の母にこっそり食べさせる カップのアイスがなかなか溶...

たったの二行から、広く鮮明な情景が複雑で繊細な心が生まれる。 きれい。 「ひとの手のかかった食事は今夜はつらく レトルトシチューあたためている」 「海を見るためだけに乗るモノレール カーブのたびに青が濃くなる」 「入院の母にこっそり食べさせる カップのアイスがなかなか溶けない」 「視力がおちてきたのか あなたを見失う距離がこのごろ短くなって」 「何時間でもゆっくり抱いていてくれる 優しさは目に見える曲線」

Posted by ブクログ

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