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スプーン 林あまり歌集
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2002/04/12 |
JAN | 9784163208503 |
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スプーン
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商品レビュー
3.7
9件のお客様レビュー
林あまりさんの歌集ですね。 林あまりさん(1963年、東京生まれ)歌人、エッセイスト、作詞家。 なんと、一週間で詠えあげた歌集だそうです。 三ヶ月かけて、詠んだ短歌がどうやら設定ミスで「この短歌…、全部駄目だ!使いものにならない!」と気付いて、歌集出版の締切一週間前に、「大変な...
林あまりさんの歌集ですね。 林あまりさん(1963年、東京生まれ)歌人、エッセイスト、作詞家。 なんと、一週間で詠えあげた歌集だそうです。 三ヶ月かけて、詠んだ短歌がどうやら設定ミスで「この短歌…、全部駄目だ!使いものにならない!」と気付いて、歌集出版の締切一週間前に、「大変なスピードで、私は書きました。五日経ち、作品は百首以上になっていました。」とあとがきで語られています。 つまり、この歌集は実体験ではなく、主人公の設定があるドラマ化された歌集のようです。 短歌の成り立ちがそうであっても、詠み人の内面から産まれた歌であるから良いのだとは思います。 わたしのからだの重さをいつも知ってきた たったひとりのこの腕と胸 約束はいつでも次の季節まで 「春になったら植物園へ」 お湯から先に上がったあなたはもう冷えて 猫のわたしがあたためている 仕事がちっともはかどらなくて鉛筆を投げる しばらく木枯らしを聞く 海を見るためだけに乗るモノレール カーブのたびに青が濃くなる そこからが思い出せない見も知らぬ 路地を曲がった夢のその先 抱いていた猫を下ろせばまず胸が 冷えてきて冬がまた来る むかしむかしの春の歌ひとつ教わって くちずさむうち ねむたくなった 短歌を詠むことに悦びを味わう作者の息づかいが感じられます。一晩で三十首詠まれた事もあって出来上がった歌集です。恋歌の歌が多いです。さすが、プロの芸術家はセンスが違いますね。林あまりさんの歌集は、女性に人気が有るそうですが、頷けます。 恋歌は、私には余り縁が有りませんが、湿り気が無いあっさりとした短歌は、読んでいて頷けました。
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表紙が可愛い、さすが文芸春秋。短歌が可愛い、さすが林あまり。「橇に乗り銀いろの森こえてゆく目を閉じてあと十五分だけ」「約束はいつでも次の季節まで「春になったら植物園へ」」「そこからが思い出せない見も知らぬ路地を曲がった夢のその先」
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たったの二行から、広く鮮明な情景が複雑で繊細な心が生まれる。 きれい。 「ひとの手のかかった食事は今夜はつらく レトルトシチューあたためている」 「海を見るためだけに乗るモノレール カーブのたびに青が濃くなる」 「入院の母にこっそり食べさせる カップのアイスがなかなか溶...
たったの二行から、広く鮮明な情景が複雑で繊細な心が生まれる。 きれい。 「ひとの手のかかった食事は今夜はつらく レトルトシチューあたためている」 「海を見るためだけに乗るモノレール カーブのたびに青が濃くなる」 「入院の母にこっそり食べさせる カップのアイスがなかなか溶けない」 「視力がおちてきたのか あなたを見失う距離がこのごろ短くなって」 「何時間でもゆっくり抱いていてくれる 優しさは目に見える曲線」
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