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すべての美しい馬 ハヤカワepi文庫4
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すべての美しい馬 ハヤカワepi文庫4

コーマック・マッカーシー(著者), 黒原敏行(訳者)

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すべての美しい馬 ハヤカワepi文庫4

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2001/05/24
JAN 9784151200045

すべての美しい馬

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商品レビュー

3.9

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2026/06/17

物語は1949年から50年のアメリカテキサスとメキシコが舞台。 時代は戦争から平和な近代化を目指し、馬より化石燃料を必要とする流れの中、それでも馬を愛しカウボーイとして生きたい16歳の少年が、テキサスを離れメキシコでならまだカウボーイとして生きてゆけると信じ、もう一人の少年と旅に...

物語は1949年から50年のアメリカテキサスとメキシコが舞台。 時代は戦争から平和な近代化を目指し、馬より化石燃料を必要とする流れの中、それでも馬を愛しカウボーイとして生きたい16歳の少年が、テキサスを離れメキシコでならまだカウボーイとして生きてゆけると信じ、もう一人の少年と旅に出る。 途中、年下の少年も加わり3人で旅をする。 メキシコで仕事にはありつけたが、少年の恋とメキシコ革命後に残る階級意識が少年たちの過酷な状況へと進んでいく。 さすがマッカーシーという作品で、ハッピーエンドで素敵な冒険でした、などという結末ではなく、時代変革期の脅威、人間の醜さ、そんな負の感情を抱きつつも、人間が根本にもつ信念の強さや生きる力を感じさせてくれる素晴らしい作品だ。 マッカーシー作品は前回読んだ「ザ・ロード」に続いて2作目だが自分には本当に好きな作家だとわかった。 独特の文体で、句読点で句切らず一文が長く続き会話も突然入ってくる。 しかし旅の情景描写のリアルさ、小さな比喩をいくつも重ね合わせて表現する繊細な感情表現が読んでいて非常に心地よい。 感覚的には読書しているよりも脳内に映画を流されている感覚にすらなる。 長編で長い時間作品に浸れる幸福感もある。 越境三部作、ぜひ次の作品も読みたいと思う。

Posted by ブクログ

2026/04/05

ブラッドメリディアンに続き、コーマックマッカーシー作品は2作目。ブラッドメリディアンはひたすら荒野が続き、人間がその背後に引っ込んでいるような世界観で読むのに難儀した記憶があったが、本作はジョン・グレイディ・コールという人間が全面に出ていて読みやすかった。 冒頭のろうそくの炎が...

ブラッドメリディアンに続き、コーマックマッカーシー作品は2作目。ブラッドメリディアンはひたすら荒野が続き、人間がその背後に引っ込んでいるような世界観で読むのに難儀した記憶があったが、本作はジョン・グレイディ・コールという人間が全面に出ていて読みやすかった。 冒頭のろうそくの炎が揺れて戻る描写など、物事の詳細を書きまくる文章は、時間をかけて脳内に映像として再生させる事を強いてくる。また、それは主人公が出会う自然やゆきずりの人々を前景化させる。主人公だけを特別視しないというようにも言えるし、主人公に極めて近い位置にいるカメラから見ている超高精細な物語と考えると、ジョン・グレイディ・コールに寄り添った文章とも思う。 ジョン・グレイディ・コールの純粋さが際立つ。馬に対する愛情、ロリンズやプレビィンズに対する友情、アレハンドラへの恋心、誰に何を言われても筋を通そうとする考え方。終盤で判事に打ち明ける逡巡。全てが純粋で、ある意味完璧な人間性とも言えるのに、だからこそ理想郷を求めて彷徨い続け、居場所が見つからずでいる様は、世の中の矛盾を感じさせる。でもそれは、判事や牧師の語った使命感に出会うまでの旅路なのかも知れない。こう書くとベタな話に思えるけど、でも良いんです。 西部劇要素が強く極めて男性的な物語なはずだが、女性がお飾りになっているようには感じなかった。後半の大叔母の独白は圧倒的で、世を動かしている男性の暴力性についての語りであり、ジョン・グレイディ・コールにも備わってしまっているものだ。判事に告白したように。 越境三部作という事なので残り二作も楽しみ。

Posted by ブクログ

2026/02/17

白黒映画のようだ。 荒涼たる砂漠。 理不尽や不公平が覆う世界。 血は赤では生々し過ぎる。 黒がいい。 太陽の光と、ドス黒い血。 強烈なコントラストの中で、馬だけが美しい。 マッカーシーのカギ括弧が無い文体が、心の叫びのように聞こえてくる。 救いがない、理不尽の世界でも、大地は変...

白黒映画のようだ。 荒涼たる砂漠。 理不尽や不公平が覆う世界。 血は赤では生々し過ぎる。 黒がいい。 太陽の光と、ドス黒い血。 強烈なコントラストの中で、馬だけが美しい。 マッカーシーのカギ括弧が無い文体が、心の叫びのように聞こえてくる。 救いがない、理不尽の世界でも、大地は変わらない。 人はここで生きていくしかない。 必要なのは勇気なのか。 いや、そんなことを考えるのは人だけで、大地は今日も日に照らされ、生き物を育み、死をのみ込む。 それでも生きることには意味がある。 と、マッカーシーは言っている、と思いたい。

Posted by ブクログ

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