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なぜ人を殺してはいけないのか? シリーズ 道徳の系譜
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なぜ人を殺してはいけないのか? シリーズ 道徳の系譜

永井均(著者), 小泉義之(著者)

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なぜ人を殺してはいけないのか? シリーズ 道徳の系譜

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 1998/10/24
JAN 9784309242101

なぜ人を殺してはいけないのか?

¥220

商品レビュー

2.8

6件のお客様レビュー

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2025/08/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

共著・対談というのは、得てしてまとまりが無かったり、議論がかみ合わなかったりすることが多いと思います。そういう本に出合うと、「外した~」と思ってしまいます。 で、今回の作品がまさにそれでありました。 ・・・ その対談ですが、第一部は永井均氏と小泉義之氏の対談。 タイトルからも概ね明らかですが、1990年代末にあった酒鬼薔薇聖斗事件が念頭にあります。 永井氏の著作は以前読みましたが、哲学の中では実に珍しく?哲学史研究者然としていない。自分自身の疑問をもっており、その視点から過去の哲学作品を引き寄せて語れる稀有な人だと思います。 ちなみに普通は、大学の先生というのは哲学史のエキスパートで、難解な言葉を難解なパラフレーズで解説するタイプが多いと思います。 小泉氏のことは存じあげなかったのですが、申し訳ないのですが上記の観点でいえば(少なくとも本作では)「普通の大学の先生」、という印象です。 ・・・ で、こういうタイプが全く違う人が対談するとどうなるかというと、同じ言葉を使っているのに、意味がすれ違うという恐ろしい会話が成立することになります。 永井氏は、世界を成立させる唯我な自分しか明確に存在が分からないというのが前提に見えます。その上で殺人をするとしたらそれはいいのか、みたいな問いに「仕方ないけど、いい」と答えるみたいな話。 他方、小泉氏は既に他人有りきの世界の話をするので、社会とか慣習とか法律とか倫理とかそういう話から「あなた、本当にそれっていいのですか」みたいな問いかけをしているように見えました。 つまりは話す前提というか世界が全く異なる。 何だか、この本を企画した編集者の悪意(一方へ、あるいは両方へ、あるいは哲学全体への)すら若干感じた次第です。 ・・・ さて、その後二部は永井氏の振り返り、そして三部は小泉氏の振り返りです。 永井氏は会話が成立していなかったことをしきりと繰り返します。余程不満だったのでしょう。 そもそも彼は、<私>の成立に興味がある方で、独我論・唯我論がどのように他の主観を成り立たせるられるか、みたいなことをテーマに書かれていることが多かった印象です。つまり、自分だから自分の世界は存在するのは分かる。でも、自分の意に反する動きをする他人という存在があり、その他人も主観を持つのか?あるいはそういうイレギュラーな動きをする他人という存在も私の世界が作り出した「演出」みたいなものか、と疑うこともできる、みたいな話。現象学でいうところ間主観性みたいな話です。 一方、意識的か無意識的か小泉氏はヒール的な役になってしまっていましたが、第三部の彼の議論は対談以上にアクセルが入ってしまい、もうついていけず…。 そこは、社会哲学と信念とが入り混じる、素人には伝わりづらい議論であったと思います。 ・・・ ということで20年以上前に購入した本の再読でした。 きっと将来再読して何か有意義なものを得ることがあろうと思い取っておいてあったのだと思います。あれからそれなりに成長したつもりでしたが、理解度は概ね変わらないと思います。残念。 なお永井氏の単著は結構おすすめできます。

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2023/12/06

永井先生は論理的に、小泉先生は信仰、宗教的な見方でご自身の意見を展開されていた。 私が好きなのは永井先生の論調だが、小泉先生のような考えも社会に必要なのはわかる。 正しいことと善は必ずしも一致しないんだなーってつくづく感じた。この2人で対談をするのは無理があったように思うが、対立...

永井先生は論理的に、小泉先生は信仰、宗教的な見方でご自身の意見を展開されていた。 私が好きなのは永井先生の論調だが、小泉先生のような考えも社会に必要なのはわかる。 正しいことと善は必ずしも一致しないんだなーってつくづく感じた。この2人で対談をするのは無理があったように思うが、対立する意見をぶつけ合う(対話)のが哲学だからこれはありなのかもしれないとふと思った。

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2022/08/11

恩師と飲んでいて子供に「なぜ人を殺してはいけないの?」と質問されたら、なんて答えると聞かれ、明確に答えられなかった。うーむ。なんて答えたらよいものかと手に取る。 私は明確に答え、もしくはヒントとなる言葉が欲しかったが、本書では長々といろいろ語られているものの、「哲学の領域でもあ...

恩師と飲んでいて子供に「なぜ人を殺してはいけないの?」と質問されたら、なんて答えると聞かれ、明確に答えられなかった。うーむ。なんて答えたらよいものかと手に取る。 私は明確に答え、もしくはヒントとなる言葉が欲しかったが、本書では長々といろいろ語られているものの、「哲学の領域でもあり、自分で追及、自分自身おこなう学問なのだ」と答えよとのこと。なんだそりゃ。 私の答えが見つからないという意味では残念だが、まあそうだな。簡単に答えが出るモノでもないし、自分が納得するまで考えるべき質問なのだとは思う。でも、もう少しこうヒントというか何かが欲しかったなぁ。

Posted by ブクログ