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狼 その生態と歴史
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 築地書館 |
発売年月日 | 1992/09/10 |
JAN | 9784806723387 |
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狼
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『ロビンソン・クルーソー』(デフォー)と『エチュード春一番 第二曲三日月のボレロ』(萩原規子)がキッカケで読もうと思った『狼 その生態と歴史』(平岩米吉)。 前者では狼が馬に乗った人を襲うシーンが出てくる。それを読んで、 【❶これは物語として描かれているけれど、実際にこういう事はあったのか】が、 そして後に後者を読んで、狼信仰の地・三峯神社が舞台の話を知り、 【❷なぜ、狼は恐れられた存在であると共に、人から敬われる存在でもあるのか】【❸なぜ日本狼は絶滅したのか】 という事もまた気になりました。 以下そのまとめ。 ❶本書においては「馬に乗った人」が出てこないので何とも。 しかし、「狼の害は、直接人に対してではなく、もっぱらその重要な財産である牧畜に加えられた」こと、 「北海道開拓において人は狼の主食である鹿の乱獲を行ったために、狼は「牧場で飼われた馬」を狙うようになった」という事を読むと、 もし「馬に乗った人」が襲われたとしても人は襲われないのかもしれない。 『ロビンソン・クルーソー』でも、馬に乗って旅し、狼に襲われた主人公に対して「馬捨てたら良かったのに」と言ってくる人物がいるし。 『美女と野獣』の狼襲来シーンも、もしかしたら半分間違った描写なのかもしれない。 しかし例外はあって、 狂犬病が大流行した時期は、狼に人が襲われ咬まれた事が多く、死亡率100%だったらしいです。 ❷ヨーロッパでは「恐れられる」狼が、日本では「敬われる」というのは日本人の文化によって起こったものだという事が判明。 その理由としては2つあり、 ①日本人の蛋白質摂取は、四面海の環境下のおもに魚類からであり、牧畜が殆ど発達しなかったため。 というのは、狼の害は、直接、人に対してではなく、もっぱら、その重要な財産である牧畜に加えられたから。 ②狼は農民の悩みであった田畑を荒らす猪、鹿を退治する守護者的な見方をされていた。 という事があったそうです。 ただ…… これだけ敬われてきた歴史があるのに、様々な昔話や物語において【悪者】扱いされる彼らはかわいそうとしか言いようがない。 西洋の文化が入ってきてひっくり返ってしまったのかしら。 『おおかみこどもの雨と雪』で、雨が疑問に思うのもごもっとも。 ❸本書で紹介された原因は5つ。 ①狼に対する一般民衆の観念に変化が起きた。 猪鹿などの害獣から田端を守る守護者→享保17年(1732年)以来に起きた狂犬病により凶暴な猛獣視 ②当時、発達の著しかった銃器の対象になった。 ③鹿も銃器の対象にされ、結果、狼の食物を奪うことになった。 ④さらに文化の浸透、開発の進行により、山林が切り開かれ、狼はその安住の生息地、すなわち縄張りを喪失することになった。しかも、それは同時に獲物の減少をも意味した。 ⑤集団生活を営む狼群の間に伝染病が蔓延してしまった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー という事で、疑問点は解決しました。 狼がかわいそうに思えてきた…。 その他気になったポイントはいっぱいあるけど、載せきれないのでガマンしよう。 とりあえず、 狼は「ワンワン」とは鳴かないし、牛の啼き声に似ていると言われていた。 という事だけは言っとこう。
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