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狼 その生態と歴史

2,860円
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 築地書館 |
発売年月日 | 1992/09/10 |
JAN | 9784806723387 |
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狼
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
面白かった。古書店のバーゲンセールで発見回収。超掘り出し物。 本書は新装版で1992年発行だが、初版は1981年。 平岩米吉氏は明治31年(1898)生まれの在野の犬研究者、 今でいうところのシチズンサイエンティストである。 実際に、昭和5年ごろから、オオカミ、ジャッカル、 キツ...
面白かった。古書店のバーゲンセールで発見回収。超掘り出し物。 本書は新装版で1992年発行だが、初版は1981年。 平岩米吉氏は明治31年(1898)生まれの在野の犬研究者、 今でいうところのシチズンサイエンティストである。 実際に、昭和5年ごろから、オオカミ、ジャッカル、 キツネ、タヌキ、クマ、ハイエナ、ジャコウネコ、リンクスなども 飼育していた。 オオカミについては、1930年から42年にかけて、 朝鮮産6頭、満州産1頭、蒙古産2頭の計9頭。 その食餌や生態、ちょっとしたエピソードも記述がある。 自宅で「犬科生態研究所」を設立し 特にフィラリア治療の研究や、 日本の「動物文学」という分野を切り拓いた。 科学、文学の両方向で雑誌を創り、自らも執筆。 シートンやザルテンを日本に紹介した功績も忘れられない。 哺乳類系の研究学会の基礎ともなった会を複数ファウンドしている。 犬に特化したマルチタレントとモチベーションを持つ人物。 本書、前半は分類と解説で、基本知識ではあるが、 ドメスティックのイヌとオオカミの比較や、 オオカミハイブリッドの実例と実験 民俗学的な歴史や信仰、 狂犬咬傷の治療や資料、 狼狩の記録資料、狼の伝説 ニホンオオカミの形態、絶滅、残存説 著者を含め、オオカミを飼育した人々の実例記録 ほとんどが白黒ではあるが、図や画、写真などもたくさんあり。 良いヴォリュームの資料集という感じである。 読み物としてもとても面白い。 読了後 昭和って、、、と思ったのだった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『ロビンソン・クルーソー』(デフォー)と『エチュード春一番 第二曲三日月のボレロ』(萩原規子)がキッカケで読もうと思った『狼 その生態と歴史』(平岩米吉)。 前者では狼が馬に乗った人を襲うシーンが出てくる。それを読んで、 【❶これは物語として描かれているけれど、実際にこういう事はあったのか】が、 そして後に後者を読んで、狼信仰の地・三峯神社が舞台の話を知り、 【❷なぜ、狼は恐れられた存在であると共に、人から敬われる存在でもあるのか】【❸なぜ日本狼は絶滅したのか】 という事もまた気になりました。 以下そのまとめ。 ❶本書においては「馬に乗った人」が出てこないので何とも。 しかし、「狼の害は、直接人に対してではなく、もっぱらその重要な財産である牧畜に加えられた」こと、 「北海道開拓において人は狼の主食である鹿の乱獲を行ったために、狼は「牧場で飼われた馬」を狙うようになった」という事を読むと、 もし「馬に乗った人」が襲われたとしても人は襲われないのかもしれない。 『ロビンソン・クルーソー』でも、馬に乗って旅し、狼に襲われた主人公に対して「馬捨てたら良かったのに」と言ってくる人物がいるし。 『美女と野獣』の狼襲来シーンも、もしかしたら半分間違った描写なのかもしれない。 しかし例外はあって、 狂犬病が大流行した時期は、狼に人が襲われ咬まれた事が多く、死亡率100%だったらしいです。 ❷ヨーロッパでは「恐れられる」狼が、日本では「敬われる」というのは日本人の文化によって起こったものだという事が判明。 その理由としては2つあり、 ①日本人の蛋白質摂取は、四面海の環境下のおもに魚類からであり、牧畜が殆ど発達しなかったため。 というのは、狼の害は、直接、人に対してではなく、もっぱら、その重要な財産である牧畜に加えられたから。 ②狼は農民の悩みであった田畑を荒らす猪、鹿を退治する守護者的な見方をされていた。 という事があったそうです。 ただ…… これだけ敬われてきた歴史があるのに、様々な昔話や物語において【悪者】扱いされる彼らはかわいそうとしか言いようがない。 西洋の文化が入ってきてひっくり返ってしまったのかしら。 『おおかみこどもの雨と雪』で、雨が疑問に思うのもごもっとも。 ❸本書で紹介された原因は5つ。 ①狼に対する一般民衆の観念に変化が起きた。 猪鹿などの害獣から田端を守る守護者→享保17年(1732年)以来に起きた狂犬病により凶暴な猛獣視 ②当時、発達の著しかった銃器の対象になった。 ③鹿も銃器の対象にされ、結果、狼の食物を奪うことになった。 ④さらに文化の浸透、開発の進行により、山林が切り開かれ、狼はその安住の生息地、すなわち縄張りを喪失することになった。しかも、それは同時に獲物の減少をも意味した。 ⑤集団生活を営む狼群の間に伝染病が蔓延してしまった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー という事で、疑問点は解決しました。 狼がかわいそうに思えてきた…。 その他気になったポイントはいっぱいあるけど、載せきれないのでガマンしよう。 とりあえず、 狼は「ワンワン」とは鳴かないし、牛の啼き声に似ていると言われていた。 という事だけは言っとこう。
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