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人生の短さについて 他2篇 ワイド版岩波文庫46
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商品詳細
内容紹介 | 内容:人生の短さについて.心の平静について.幸福な人生について. 解説 茂手木元蔵著 |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 2001/01/16 |
JAN | 9784000070461 |
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人生の短さについて
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商品レビュー
4.2
9件のお客様レビュー
内容について共感できるかどうかは別にして、「怒りについて」が、現代社会からすれば、かなり違うテンションをもった本で刺激を受けたので、いきおいで読んでみた。 「人生の短さについて」では、人生の時間の短いのではなく、本当に大事なことに集中すれば、十分な時間があると、ある意味、わりと...
内容について共感できるかどうかは別にして、「怒りについて」が、現代社会からすれば、かなり違うテンションをもった本で刺激を受けたので、いきおいで読んでみた。 「人生の短さについて」では、人生の時間の短いのではなく、本当に大事なことに集中すれば、十分な時間があると、ある意味、わりと普通なアドバイスかな?自分がそうできるわけではないけど。(笑) ストア派というと禁欲的というイメージが強いのだが、ここで解かれていることは、禁欲というより、中庸の徳というアリストテレス的な感覚かな? 「幸福な人生について」では、富について、否定していなくて、ないよりあったほうがいいんじゃないみたいな感じ。もっとも、それがなくなっても悔やまないけど、みたいなスタンス。 「怒りについて」を読んだときにも思ったのが、この人は、哲学者というより、著作家、文筆家で、文章の表現の説得性が思想そのものより、大事なのではないかと思った。 実際、セネカは、政治家で、お金持ちだったようで、ストア派的な劇的な死がなければ、後世に残らない人だったのかもしれない。 「怒りについて」の解説に、このローマという時代においては、劇場、公共空間で、自分を演出し、それを生き抜くということが、大事であったという趣旨のことが書いてあったが、なるほどであった。
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エピクロスとセット。 こちらは、なぜこれが苦手かがよくわかった。 目標を定め、それに基づいて日々の活動を律する。これは現代の正義かもしれない。 しかしこのことによって失うものもある。初手から明快な目標なんてない。というか、そんな活動はちっとも面白くない。面白くない世界に自分を閉...
エピクロスとセット。 こちらは、なぜこれが苦手かがよくわかった。 目標を定め、それに基づいて日々の活動を律する。これは現代の正義かもしれない。 しかしこのことによって失うものもある。初手から明快な目標なんてない。というか、そんな活動はちっとも面白くない。面白くない世界に自分を閉じ込めてしまう自殺行為にもなりうる。だが実際に、この正義の毒薬を現代の知恵として教えている。この矛盾をいかに解決するか、しばらくはゆっくり考えよう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人生の短さについて 七、白髪に皺の寄つてゐても、其の人が長く生きたと考へる理由にはならず。長く生きたのではなく、長く有つたに過ぎず。其の人は長く航海するにあらず、長く翻弄せられたり。 八、何よりも尊いものである時間が、殆ど無価値のものであるとされてゐる。斯かる大きな感情の矛盾が彼等の心にはある。 二十、官服を着た人を見ても、大広場で名声を高めてゐる人を見ても、其の時君は羨むべきにあらず。人人は勤務を求むる欲望の方を、暇に堪ふる能力以上に長く持ち続けるなり。 心の平静について 四、国民の務めを怠りけむは人間の務めを行ふべし。我我は大きなる心を以て自己を単に一都市の城壁の中に閉ぢ込めず、全宇宙の交はり迄に至らしめ、亦世界を以て我我の祖国と宣言したり。何事によらず、如何なる立派な活動をも受け入るる余地のない程、完全に封鎖的なものはないのである。 九、制しきれぬ望み、未来に逸る心は鎖で繋ぎ止めておく様にして、運命よりも、自分自身から富を求むべし。過ぎたるは及ばざるが如し。 十三、多くの事をする者は、屡屡自らを運命の支配下に置かれたり。能ふ限り安全の道は、常に運命について考へ、運命の約束には期待せぬべし。 幸福な人生について 一、何よりも大切の事は、羊の群の様に、先を行く群の後に付きて行く様を真似せぬべし。 二、人間の評価には、我は肉眼を疑ふ。魂の善は魂に見付けさするべし。互ひに夢中になりて見せ合ふ様な代物は、外側丈は立派なれど、内側は貧弱なものである。魂は斯う述ばふれたり。 八、最高の善は心の調和なり。協調と統一の存する所には、必ずや徳の存するべし。 九、徳は徳以上の善き物を持つべからざる。徳其の物が徳の価値である。 十五、従ふよりも、引きしろはれる方を望むとは、何たる阿呆にやあらむ。我我は支配の下に生まれ付きたり。神に従ふ事が、即ち自由なり。 十八、自分が何のやうに生活して居るかではなくて、自分が何のやうに生活しなければならぬか、である。我が語るのも徳についてであつて、我についてではない。 二十、有益な研究と云ふ物は、仮令其の成果を見ゆる事あらざりしかど、其れに従事する事が賞賛に値するなり。
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