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仕事 弘文堂思想選書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 弘文堂 |
| 発売年月日 | 1988/11/20 |
| JAN | 9784335100154 |
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未開社会、古代ギリシア、中世の労働観を明らかにし、近代の労働観を批判的に省察する試みです。 本書ではまず、南太平洋に位置するニュー・ブリテン島のマエンゲ族の労働観が検討されています。マエンゲ族の労働は美的観点から評価され、また人間のあいだのみならず、自然、あるいは祖先の霊や神話...
未開社会、古代ギリシア、中世の労働観を明らかにし、近代の労働観を批判的に省察する試みです。 本書ではまず、南太平洋に位置するニュー・ブリテン島のマエンゲ族の労働観が検討されています。マエンゲ族の労働は美的観点から評価され、また人間のあいだのみならず、自然、あるいは祖先の霊や神話的英雄といった超自然的存在とのあいだの均衡に配慮しつつおこなわれる必要があるとされます。マエンゲにおける労働は、自然の征服と隷属化を意味せず、自然との調和のなかでなされていると著者はいいます。 古典ギリシアにおいては、永遠の真理を観想する理論的知識に対して、実用的知識と経験は低く評価されていました。著者はそうしたギリシアの労働観の背後に、近代の直線的で均質的な「クロノス」としての時間とは異なる、「カイロス」としての時間を見ています。カイロス的時間は、人間が自然を支配し変革するのではなく、自然に寄り添い自然との和解を志向する時間意識と理解されることになります。 中世の労働観は、キリスト教神学の影響を色濃く受けており、血や汚れの禁忌から、肉屋や刑吏、皮なめし工などの職種は蔑視されることになりました。さらに「神の時間」を貨幣に換える商業も、卑しい職業とみなされます。こうした時間表象が変容されることで、近代的な労働観が成立することになります。 近代的な労働観は、労働を卑しいものとする前近代のイデオロギーを一掃することになったと著者はいいます。ただし、知的活動も含めた人間のあらゆる営みを労働へと収斂させるという新たなイデオロギーを形成することによって旧来の労働観が取り払われたことを、手ばなしで賞賛することはできないと著者は指摘します。こうして、近代以前の労働観と近代の労働観をたがいに合わせ鏡とすることで、現代の労働をめぐるさまざまな問題を浮き彫りにしています。
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仕事の社会的位置付けの変動を系譜的に追った作品。 資本主義と社会主義、共産主義の同じ根にある 労働の位置向上という発想は面白い。 ただし、展望において必然性へ遊戯性を導入すべし、 という段にあっては、彼自身が指摘したはずの 消費における資本の汚染を意図的に忘れている気がする。 ...
仕事の社会的位置付けの変動を系譜的に追った作品。 資本主義と社会主義、共産主義の同じ根にある 労働の位置向上という発想は面白い。 ただし、展望において必然性へ遊戯性を導入すべし、 という段にあっては、彼自身が指摘したはずの 消費における資本の汚染を意図的に忘れている気がする。 蕩尽、そして贈与の二つが 自由の渇きを癒すものとしてありうべきものでないだろうか。
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