デモクラシーのいろは の商品レビュー
600ページ強のこの本、とてもおもしろかったです。 戦後、GHQが日本の民主化へ向けて、モデルケースとして四人の女性を選び、一定期間安定した衣食住と民主主義教育を与えるという試みがなされた······。その場として自分の邸宅を供給した仁藤子爵夫人、民主主義の教師として派遣された...
600ページ強のこの本、とてもおもしろかったです。 戦後、GHQが日本の民主化へ向けて、モデルケースとして四人の女性を選び、一定期間安定した衣食住と民主主義教育を与えるという試みがなされた······。その場として自分の邸宅を供給した仁藤子爵夫人、民主主義の教師として派遣された日系2世リュウ・サクラギ、そして個性豊かな四人の女性たちが主となり描かれた小説でした。 この4人の女性たちが学びながら、あるひとつのことで一致団結し協力していくのですが、最後の最後の決断と結果が、なんとも晴れやかな気持ちになるものでした。 日本の戦前までの意識を変えていくために民主主義を学ぶという実験の被験者となった彼女たちの様子や様々な出来事が、とても興味深く、喜怒哀楽を感じる読書でした。 『デモクラシーのいろは』を一緒に学びながら楽しめるお薦めの一冊です。 〈目次〉 第一章 納豆とレモンパイ 第二章 チキン料理と胃薬 第三章 マトリョーシカとにぎりめし 第四章 戻らざりし者と戻りし者 第五章 揺らぎと疼き 第六章 荒ぶる池と湖底の怪物 第七章 罪と罰 第八章 ラストレッスンとクエスチョン
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当たり前のことが、当たり前ではなかった時代があるということに気づくことができる。 戦後、民主主義を学ぶ4人の女子生徒と、女子生徒に民主主義を教える先生が中心となって物語が進む。 多少ドラマチックな展開はあったものの、大筋は普通の日常を描いていて、「別に小説にするほどの内容でもな...
当たり前のことが、当たり前ではなかった時代があるということに気づくことができる。 戦後、民主主義を学ぶ4人の女子生徒と、女子生徒に民主主義を教える先生が中心となって物語が進む。 多少ドラマチックな展開はあったものの、大筋は普通の日常を描いていて、「別に小説にするほどの内容でもなくない?」と感じることが多々あった。 しかし、それは民主主義が定着した現代を生きているからそう感じるのであって、民主主義が定着していない戦後では、ここで描かれている内容はそれこそ小説になるような大物語であるんだろうと思い直した。
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レトロな表紙と固めのタイトルに、淡々と読み進めていた。 リュウの模索や試行錯誤を追体験しつつ、バラエティに富んだ女性たちの様々な背景にただ黙々と読むのみ。 面白いのかどうか?とか民主主義とか、それほど琴線に触れるでもなく読み進めて後半。 美央子の段になってからの展開、にわかに加速してリュウと一緒に驚いた。 そんな頃から仕込んでいたのかと。 最後までなんとなく締まらないリュウもまた良し。人柄かな。 読後は、彼女たちにエールを貰った気分でスッキリした。
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この本の面白みは、戦後を生きた人を、様々な視点で見れたことでした。 今でこそ当たり前の、社会の授業で当然のように習う「民主主義」ですが、実際に民主主義とは?と聞かれても、その全容はぼんやりするように思います。 作中では堅苦しい思想は抜きに、民主主義のレッスンとを通して、封建社...
この本の面白みは、戦後を生きた人を、様々な視点で見れたことでした。 今でこそ当たり前の、社会の授業で当然のように習う「民主主義」ですが、実際に民主主義とは?と聞かれても、その全容はぼんやりするように思います。 作中では堅苦しい思想は抜きに、民主主義のレッスンとを通して、封建社会で身動きが取れなかった女性たちが、少しずつ自分の頭で考えて、自分の未来を形作る姿が印象的です。 戦争で多くのものを失って、今まで盲目に信じていた何かを疑い、自分の生きたい人生を意地でも掴み取ろうとする姿が描かれています。 特に「意地でもハッピーになろうね」という吉乃の台詞が記憶に残りました。 戦後80年となりますが、今の私達にも学ぶべき姿勢だと感じました。 メッセージ性も抜群なのですが、エンターテイメントとしても最高の一冊でして、皆さんがコメントされている通り、後半の美央子の日記からの流れもとても面白いです!笑 森絵都さんの作品はどれも大好きですが、この本が1番好きかもしれないです! ぜひ読んでみてください!
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森絵都は好きな作家さん。 戦後 GHQに占領された日本で、実験的に選ばれた20歳前後の女の子たちが「民主主義」を学ぶために集められ教育を受け 成長するエンタメ色満載の時代小説 その4人の出自はバラバラで、優等生で元華族の美央子 純朴でお国訛りの抜けない真面目な孝子 おしゃれで自由奔放な吉乃 はすっぱでパンパン上がりのヤエ その4人に「民主主義」教育をしていくのが日系アメリカ人のリュウ・サクラギ 何もかもが手探りの状態で それぞれのやり方で「デモクラシー」と向き合い学んでいく。 出だしは、手探りの授業を一緒に受けている生徒の一員のように ぽか~んとしながら(デモクラシーなんぞ 難しすぎるわ!!)と心で悪態をついていたのだが・・・ 登場する彼女たちの背景が分かり、同情したり 一緒に怒ったりするうちに 話の展開に心がもっていかれ まんまと魅せられてしまった。 そして 心地よい読了感。おもしろかった。 本の厚さに躊躇してしまうかもしれませんが カバンの紐が肩に食い込んでも 電車のお供に読む価値ありですぞ!
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happy endで良かったものの、戦後の女性の立ちが本当の民主主義を勝ち取る日々はまだまだ。今なお!
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タイトルで感じる雰囲気よりお堅くなくてよかった。この時代はそんなに詳しくないし民主主義と言われてもピンと来なかったけど少し感じられた気がする。 みんな活力があってすごい元気を分けてもらえる 朝ドラになりそう
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森絵都さんの新しい本、しかも長編小説を図書館で見つけた。これが期待以上におもしろかった! 最初は、戦後の日本を舞台にした女の子たちの成長物語として、興味深く読みごたえもあったのだけど、後半の第7章の美央子の日記から俄然おもしろくなって、ときどき前の章を読み返しながら、とにかく楽しく最後まで読んだ。 戦後日本の女性たちの民主化の物語、というだけじゃなくて、もちろんその部分もしっかりと描かれていてよかったけど、それにプラスして小説として楽しめる仕掛けがちゃんとあって、そこがとてもよかった! 美央子がクールで冴えててかっこいいし、逞しくて頼もしいヤエ、努力家で応援したくなるクニ、まっすぐで心優しい孝子、女の子たちのキャラクターもいいしだんだんと絆が強くなっていくところもとてもよかった。 もちろんサクラギ先生も愛すべき人物で、ラストの孝子との場面は幸せに満ちていてとってもよかった。 登場人物それぞれが戦争で失ったものや過酷な体験、重く抱えている罪の意識など、深刻で痛ましいことも描かれているのだけど、みんなで外出してアイススケートをしたり、レストランで食事したり、コーラスの練習をしたり、日常の楽しい出来事も生き生きと描かれていて、その両方があるから深みのあるおもしろい小説なんだろうな。
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タイトルから堅苦しい内容なのかなと身構えてしまったが、全くそんなことなく面白くて続きが気になってあっという間に読み終わった。登場人物がとにかく魅力的で、戦後の困難な時代に民主主義を学ぶことで自分がやりたいことを見つけていく姿に励まされた。
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戦後、これまでの価値観が崩壊して、貧困と混乱の中で生きていくのが精一杯の中、GHQ から民主主義をもたらされた日本国民。 その中で実験という名のもとで集められた性格もバックグランドも様々な女性4人が戸惑い、反発したり、投げやりになったりしながら、自我に目覚めていく。 民主主義を学...
戦後、これまでの価値観が崩壊して、貧困と混乱の中で生きていくのが精一杯の中、GHQ から民主主義をもたらされた日本国民。 その中で実験という名のもとで集められた性格もバックグランドも様々な女性4人が戸惑い、反発したり、投げやりになったりしながら、自我に目覚めていく。 民主主義を学び、歴史や地理を学び、彼女達の意識が変わっても、日光を訪れた時に、民主主義教育の先生に「女の分際で何を生意気なことを言っているんだ」と言われる。 男女平等を謳う新憲法など、我関せずと昔のままの日本社会に愕然とする。 自分達が変わっても、日本社会が変わらない限り、新しい人生を生き直す事はできない、という現実も突きつけられる。 後半から、美央子の日記を通して彼女達の実情が明らかになってくる 仁藤夫人の強かさ、エネルギッシュな滑稽さも小気味良く、戦後を力強く生きた人達の物語
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