デモクラシーのいろは の商品レビュー
戦後、アメリカ式に世間はあっさり切りかわったのだろうか。 もしこんな勉強会があったら生徒はこんなこともするかもしれない。
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GHQによって東京下落合の邸宅に集められ、日系2世のサクラギから「民主主義のレッスン」を半年間受けることになった4人の女性を描いた物語。やる気や協調性を感じられない4人に対して、試行錯誤するサクラギの奮闘と協力者である仁藤鞠子の粘っこい思惑に釘付けになった。登場人物の背景をしっかり描き、何なら脇役の師匠までもが生き生きとしており、みんな愛おしい存在で、思わず声に出して笑った内容も多く、こんなに楽しい読書は初めてだった。彼女たちが考え抜いて辿り着いた民主主義の答えと、それぞれの夢が希望に溢れていて良かった。
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民主主義とは何かを教わるために集められた4人の女性とアメリカから来た日系二世の教師。GHQや邸宅を貸した子爵夫人との戦い。
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戦後すぐの日本で、女子を対象にデモクラシーを育てていくという壮大な計画の話。こういうことは実際にあったのか?おそらくはなかったのだろうが、デモクラシーの歴史、国による違いなど、読みながら考えるのは面白かった。上野で戦争孤児が飢え死にしているような時に、旧華族はものすごく贅沢な暮ら...
戦後すぐの日本で、女子を対象にデモクラシーを育てていくという壮大な計画の話。こういうことは実際にあったのか?おそらくはなかったのだろうが、デモクラシーの歴史、国による違いなど、読みながら考えるのは面白かった。上野で戦争孤児が飢え死にしているような時に、旧華族はものすごく贅沢な暮らしをしていたとか、学士会館が米軍に接収されていたとか知らなかったなぁ。
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戦後アメリカの占領下になった日本では、民主主義の心が根付かずGHQは手を焼いていた。そこにきて、実験として4人の20歳前後の女子が集められ、半年間の特別民主主義教育が行われることになった。教師を務めるは日系アメリカ人の軍の通訳リュウ・サクラギ。果たして彼女たちは先進的な女性に生ま...
戦後アメリカの占領下になった日本では、民主主義の心が根付かずGHQは手を焼いていた。そこにきて、実験として4人の20歳前後の女子が集められ、半年間の特別民主主義教育が行われることになった。教師を務めるは日系アメリカ人の軍の通訳リュウ・サクラギ。果たして彼女たちは先進的な女性に生まれ変われるか?! というストーリー。まず思ったのは、森絵都はこういう作品を書くんだ?!ということ。10代の頃は随分たくさん森絵都のジュブナイル小説を読んだ。繊細で少年少女の心に寄り添うような透明度の高い作品を生み出す人というイメージ。それが、いつの間にかこんなにページ数のある、重厚感ありそうな大河やプロジェクトXのような作品を…? まあでも、読んでみたらそこまで重厚感はなかった。それでも以前の森絵都の作風とは違っていて新鮮だった。どんでん返しのある構成も面白かった。あの時代の女が民主主義を学ぶことの希望と無力感もわかる。語り手のリュウ・サクラギ先生も良いやつで、彼の試行錯誤も面白い。そこそこ面白く読めたのだが、個人的には事前の期待を上回るほどの感動はなかった…かな。なんでかなぁ。ネタが多すぎなのかなぁ。 とはいえ、一気読みにはなりました。ユニークな舞台設定で展開される物語、読む価値はある。
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頑張って読んだけど知識不足なのもありなかなか言葉が入ってこなかった…頭が悪いのがバレてしまうな。相性が合わなかった、ということにしておきたい
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戦後、軍国主義から民主主義へ掌返しの日本で全くタイプの違う若い女性が自分達なりの解釈で民主主義を理解していく様子がとてもいきいきと描写されて面白かったです。 戦後のGHQの様子なども興味深かったです。
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戦後の日本で民主主義を学ぶ4人の女性の話、しかも600ページ超えの超大作ということで、気合い入れて読み始めたけど、とんでもない!笑いと涙と胸キュンもあり、最後の最後まで面白く、あっという間だった。また一冊いい本に出会えたな。
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良い。一本の映画を見たかのよう。アラフォーだけど最後これ赤面しちゃうよ??? 戦後のシビアな現実に民主主義のレッスンという一見堅苦しそうだけれど、後半から色々ひっくり返されてページ捲る手止まらん。ばさまーー! この4人の女性達は大正の終わり〜昭和一桁生まれ。20年程前に亡くなった...
良い。一本の映画を見たかのよう。アラフォーだけど最後これ赤面しちゃうよ??? 戦後のシビアな現実に民主主義のレッスンという一見堅苦しそうだけれど、後半から色々ひっくり返されてページ捲る手止まらん。ばさまーー! この4人の女性達は大正の終わり〜昭和一桁生まれ。20年程前に亡くなった祖母が大正8年生まれだったので、こんな時代を生きていたのだろうか。北関東の田舎なのでおそらくヤエやクニと状況が近いのだろうが、B29がB29がと繰り返していた戦争の話を聞いたのは一回きり。私達は本で読んだり聞いた歴史の一部が本当に存在している事実。戦争はダメ、ゼッタイ。
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制度としての民主主義と、わたしたちが感じるものとの乖離は、1946年に比べると縮まっているかもしれないが、確実にいまもあるし、この先なくなりはしないだろう 法制度上の平等は整ってきたように見えても「見えにくい壁」はあるし、だれもが平等だと感じる世界は絶対に存在しないと思う それぞれの価値観だけではなく、性別や国籍、境遇で大きく異なる問題も多種多様で千差万別だ ただ、わたしたちはそれを甘んじて受け入れてるだけで文句言っても始まらない 何を選んでどのように行動し、人とのつながりを持っていくのか 隣の人のことを理解するだけでもデモクラシーだ
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