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さよならジャバウォック の商品レビュー

3.7

167件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    2

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2025/11/18

伊坂幸太郎さん25周年の新刊。 結婚して仙台に移住した量子が夫のDVに耐えきれずに殺人を犯した。その直後に大学のサークルで知り合った桂凍郎に助けられるはずが、数奇な出来事に遭遇する…という物語でした。 量子が途中で出会う破魔矢と絵馬。彼らは体内に入り込んでいる『ジャバウォック...

伊坂幸太郎さん25周年の新刊。 結婚して仙台に移住した量子が夫のDVに耐えきれずに殺人を犯した。その直後に大学のサークルで知り合った桂凍郎に助けられるはずが、数奇な出来事に遭遇する…という物語でした。 量子が途中で出会う破魔矢と絵馬。彼らは体内に入り込んでいる『ジャバウォック』の退治する夫婦。 この『ジャバウォック』の退治ってwikiには「言語の混沌を整え、新たな秩序を言語にもたらすこと」と書いてあり、物語の軸となる「人間の本質の中に含まれる『残忍』な考え方」を持つ人のことを指しているのかななんて思ったりした。 人間は温厚柔和を持つ反面、残忍さを持つ人間の本質を語ってるかのように思う。戦争や内紛などが起きている時、人を殺める時の人間の側面。深堀りが浅いですが、たぶんそういうことを伝えているのではないかと思う。 ところどころ量子の焦りっぷりが、読み手側にも伝わってきてて「この先の自分は生きているのだろうか…」と思うこともあったが中盤から世界観に没頭できた。 終盤の伏線回収は今までの作品の中で一番驚いたかもしれない(笑) なかなかの比喩表現なので物語の深堀りが難しかった。最近の作品は哲学的な部分が多い気がするので、よりディープにいかないと賛否が分かれそう…なので★4つです。

Posted byブクログ

2025/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初から終わり間近まで量子の混沌とした頭を中心に話が進んでいくので、何とも分かりにくい話になっていた。混沌を表現しているという事は理解できたが、今一つ物足りない展開だと思った。しかし最後になりその混沌の意味が判明し、一気に話がクリアになる。風変わりな伏線回収で破魔矢の正体も分かる。最初破魔矢と絵馬が出てきた時は非常に面白いキャラクターだから、こっちを主体に話を展開して欲しいと思ったが、最後はなるほどそういう事かと納得した。流石は伊坂幸太郎と感心した。次は破魔矢と絵馬が主人公の話ですね。しかし相変わらず登場人物の名前が面白い。特に「桂凍朗」は笑った。でも最後に子供を救った事には感動した。

Posted byブクログ

2025/11/16

大変不勉強ながら、ジャバウォックなるものを存じ上げず、得体の知れない何かを探しながら読み進めるような感じだった。 とともに、伏線を回収するたびにまた得体の知れないもやもやに包まれるようなそんな感じ。 久方ぶりの伊坂幸太郎ちょいバイオレンスも爽快だったが、なんだろうこの読後のもやも...

大変不勉強ながら、ジャバウォックなるものを存じ上げず、得体の知れない何かを探しながら読み進めるような感じだった。 とともに、伏線を回収するたびにまた得体の知れないもやもやに包まれるようなそんな感じ。 久方ぶりの伊坂幸太郎ちょいバイオレンスも爽快だったが、なんだろうこの読後のもやもや感。 書いてしまうと全てがネタバレになってしまうのでかけないのももやもや。 でも楽しく読めたことは一点の曇りもない。

Posted byブクログ

2025/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

エンタメとして非常に満足できる作品だった。 物語は量子が通りすがりの人の車に乗せてもらい自分の家に帰ろうとするも帰れず、彼女の知る世界とは違うと意識しだしたところから急速に傾き出した。中盤から加速していく展開は、大きい嵐がくる予感を持たせる物語構成で、読んでいて非常にワクワクした。 作者は人間の二面性や社会の虚像についてメッセージを少し込めながらも、あくまでエンタメとしての手腕を見せつけてくれた。読み終えてから思い返すと、量子がデバイスからメッセージを送れなかったり、「子育て」をしている間に進化したシステムに適当に納得している様子など、時間軸に対する伏線が散りばめられていた。個人的に破魔矢が量子に「トイレの使い方わかる?」と心配のような少し的外れな感じのことを聞いていた場面が、読了後に微笑ましく思えた。 ラストに向かうまでの空気の不穏感、嵐の予感を極限まで引き立てる筆致は、伊坂幸太郎らしい構築美だった。エンタメとして非常に楽しめる一冊だった。

Posted byブクログ

2025/11/16

夫のパワハラモラハラの話から内容はどんどん展開していく 頭がついていけなくて、一呼吸置かないとダメだなぁと思ったら後半はノンストップで読み終えた 伊坂幸太郎は「逆ソクラテス」以来2冊目 スマホサイズでも違和感なく読める文章なのに少し驚いた(全部をスマホで読んだわけではないが) 人...

夫のパワハラモラハラの話から内容はどんどん展開していく 頭がついていけなくて、一呼吸置かないとダメだなぁと思ったら後半はノンストップで読み終えた 伊坂幸太郎は「逆ソクラテス」以来2冊目 スマホサイズでも違和感なく読める文章なのに少し驚いた(全部をスマホで読んだわけではないが) 人間いろんなものを奪われても、よいところが残ると信じたい

Posted byブクログ

2025/11/16

ジャバウォックというミステリアスな存在の示唆に冒頭の掴みから引き込まれて、さくっと読み終えてしまった。ミステリーというよりはSF・ヒューマンドラマのテイストという印象。伊坂幸太郎さんの作品を語れるほど読めているわけではないが、会話のウィットと群像劇に所々エッセンスを感じる。

Posted byブクログ

2025/11/15

「伊坂幸太郎らしくない」という投稿を見たけれど、私は伊坂幸太郎らしさ爆発だなと思いました。 特に北斎という人物の視点。 なぜ彼が描かれているのか 物語にどう関わってくるのか 読み始めはわからないけど、最終的にすっきりできる伊坂幸太郎らしい素敵な作品でした。 「過去と他人は変え...

「伊坂幸太郎らしくない」という投稿を見たけれど、私は伊坂幸太郎らしさ爆発だなと思いました。 特に北斎という人物の視点。 なぜ彼が描かれているのか 物語にどう関わってくるのか 読み始めはわからないけど、最終的にすっきりできる伊坂幸太郎らしい素敵な作品でした。 「過去と他人は変えられない、でも未来と自分は変えられる。」

Posted byブクログ

2025/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スロースターターな伊坂さんだけどこれははじめからグイグイと物語に引き摺り込まれて一気読みした。 以下ネタバレ含む まんまと時間軸に気づかず最後まで量子の気持ちに沿って入れたな。息子がとてもポジティブな子にそだってるのもすごく良かった。

Posted byブクログ

2025/11/15

伊坂幸太郎作品は好きだが、本作はなかなか読み手には難解であった。 というのも最後に大きな関わりを持つ北斎という人物の挿話の意味が、物語メインの量子を導く破魔矢と絵馬たちの物語と繋がらず、物語も何か違和感を持ったまま進められて行ってしまった。特に凍朗の役割の変異に着いていけなかった...

伊坂幸太郎作品は好きだが、本作はなかなか読み手には難解であった。 というのも最後に大きな関わりを持つ北斎という人物の挿話の意味が、物語メインの量子を導く破魔矢と絵馬たちの物語と繋がらず、物語も何か違和感を持ったまま進められて行ってしまった。特に凍朗の役割の変異に着いていけなかった。 しかし物語終盤にこの違和感が解き明かされる展開は流石に唸らされた。

Posted byブクログ

2025/11/15

なんだかシリアスなサスペンスで、いつもと違う!と思いながら読んでいたらだんだん伊坂幸太郎さんぽくなった。ジャバウォックに取り憑かれた人の豹変ぷりがすごい!

Posted byブクログ