さよならジャバウォック の商品レビュー
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伊坂さんの本は主人公がだいたい混乱しているかぼーとしていて基本受け身でイラっとする。 桂の感じる人間への絶望感は共感できる。でも変えようとは思わない。諦めている。絶滅すればいいと思っている。
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伊坂幸太郎さんの新刊は、相変わらずタイトルからは内容が想像できない上に、帯の文字が重い。夫は死んだ。死んでいる。私が殺したのだ。 序盤から、モラハラ夫に苦しめられる妻という構図に、先が思いやられるが…おいおい、あっさり殺してしまったな。視点人物の1人である妻・量子が呆然としていると、部屋を訪ねてきたのは…。この先はノンストップの展開である。 そしてもう1人の視点人物・斗真。かつて、彼は人気歌手・伊藤北斎への誹謗中傷に加担していたが、現在はほぼ活動していない北斎のマネージャーをしている。当然、仕事の依頼などないのだが、ある日、北斎を訪ねてきたのは…。 ジャバウォックとは、ルイス・キャロル作『鏡の国のアリス』にある架空の生物だそうだが、物語自体には登場せず、作中に登場する書物、いわゆる作中作に登場するというから、何ともややこしい。それをモチーフにする作家がここにいた。 2つの視点が交錯するという手法は珍しくはない。共通しているのは、正体不明のジャバウォックが絡んでいること。ふざけた名前のコンビと、あの男。どちらもジャバウォックの危険性は理解しているし、それぞれの使命感で動いている。 終盤に向かうほど緊迫感が高まるが、どことなくユーモラスで、相変わらずの伊坂節。不思議と、この物語の中核はジャバウォックでなければならない、他の名前ではだめなんだ、という気がしてくる。しかも、重要なキーアイテムがそれ? あるビートルズの曲がネタになっているのはご愛敬。しかし、作中に曲名は一切出てこないし、よほどの熱心なファン以外わからないだろう。ジャバウォックといいこの曲といい、改めて伊坂流のネタ選択のセンスに脱帽するしかない。 読み終えてみれば、よくあるあの手だったわけだが、伊坂幸太郎がアレンジするとこうなるのか。なるほど、本格の作家とは言い難い伊坂幸太郎さんの作品に、本格の大御所・綾辻行人さんが賛辞を寄せているのもわかる。
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DV夫を殺したところから始まる今作 子どもは宝ですね 動物の中でこれほど温厚な種はいないし 残忍な種もいないという凍朗 絵馬と破魔矢のコンビ ジャバウォックに取り憑かれると暴走状態となってひまう テストステロン トキソプラズマ 他人は変えられないが自分と未来は変えられる
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面白かった〜 読んでく中で自分が感じてた違和感が最後、そういう事ね!ってなってスッキリした。 なんだかんだ、初めての「伊坂幸太郎」作品だった 気になってる本はいくつかあったから、これを機に読んでみようかな!
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2度読んで、なるほどと思わせるのは、流石伊坂幸太郎という作品。 自分の未来は変えられる。 当たり前だけど、それしかできないんだよなぁ。と改めて感じた。 そして、水槽の中の脳。恐ろしい。
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日常の疲れのためか少し読むのに時間がかかってしまいましたが、さすがの伊坂幸太郎さんでした。このバラバラの断片がラストに向けて収束していく高揚感はたまらないです。途中、量子さんにはジャバウォックがつかなかったのか?という疑問も解消されました。そうだよね。20年たってたのがわかった時は驚愕でした。破魔矢が息子たったのもあついです。伊坂幸太郎さんの著作には、今作のような夫が出てくるものがよくありますが、それをしっかり否定してくれているのと、その犠牲になった人がその後ちゃんと生きていけるから救われるます。
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予想外の展開だった。他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる。 ・他人のことは変えられない。自分のことは変えられる。 ・自分が正しいと思っているから。破魔矢君曰く。確かに、たぶんヒト以外の動物はそんなこと考えないですよね。
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デビュー25周年長編ミステリーとのことですが、SFやファンタジーの要素も感じる作品でした。独創的で予測不能な展開は伊坂さんらしさを感じましたし、登場人物たちの意味深で遊び心あるネーミングセンスのよさは相変わらず冴えてます。 一方、軽妙な語り口や洗練されたユーモアは、やや鳴り...
デビュー25周年長編ミステリーとのことですが、SFやファンタジーの要素も感じる作品でした。独創的で予測不能な展開は伊坂さんらしさを感じましたし、登場人物たちの意味深で遊び心あるネーミングセンスのよさは相変わらず冴えてます。 一方、軽妙な語り口や洗練されたユーモアは、やや鳴りをひそめた印象。視点が変わり、訳が分からないまま話が混沌としますが、例によって多くの伏線が回収され、最後は見事に収束します。 ただ本作では、機知に富んだ言葉の裏に隠された真意や意外な設定に気付きにくかった…。ん?そこがいいのか? 賛否の分かれ目でしょうか…。 "ジャバウォック"は、ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』に登場する正体不明の怪物。本作でも"よく分からないもの"の象徴で、さらにアリスが鏡を通り越して異世界に迷い込むような、モチーフとしての意識が感じられます。 随所に登場する、優しさと攻撃性、言葉と表情のどちらが本心か、現実と虚構、希望と絶望など、鏡を見るかのような人の二面性の対比と、現実離れした脳に寄生する魔物が、本作の肝と思われます。 伏線回収に納得するも、なぜか解消されないモヤモヤ感…。私が伊坂作品に求めるハードルを上げているのでしょうか? 何を求めているんだっけ? 伊坂幸太郎信用金庫の私の預金残高が、ここ数年目減りしてきました泣。どうしたもんでしょう…。
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やっぱり伊坂幸太郎の最後に伏線回収どんどんしてくるの好き。意外すぎる展開に思わず「え...」だったり「まじかよ」って声が出てしまった。
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伏線回収の巧さはさすがで、ラストの展開には引き込まれる。 伊坂作品が好きだからこそ、期待が大きいがゆえの物足りなさ、といった感覚でした。 もう少し没入したかったという惜しさもありますが、十分に楽しめる一冊でした。
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