1,800円以上の注文で送料無料

渇愛 の商品レビュー

3.7

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/11/25

前に世間を騒がせた頂き女子・りりちゃん。逮捕までは知っていたものの、その後がどうなったのか気になって本書を手に取りました。 読み進めていく中で強く感じたのは、りりちゃん自身に反省の色がほとんど見えないという点です。自分を義賊のような存在だと思い込み、都合よく正当化している姿は、...

前に世間を騒がせた頂き女子・りりちゃん。逮捕までは知っていたものの、その後がどうなったのか気になって本書を手に取りました。 読み進めていく中で強く感じたのは、りりちゃん自身に反省の色がほとんど見えないという点です。自分を義賊のような存在だと思い込み、都合よく正当化している姿は、まさに“詐欺師”そのものだと痛感しました。 一方で、取材する筆者の心情の揺れ動きも丁寧に描かれています。序盤ではりりちゃんの独特の魅力に半ば取り込まれてしまう様子があり、終盤では距離を取りながらも冷静に向き合う姿勢へと変化していく。その対比が非常に印象的でした。 そして結局、りりちゃんという人物を生んでしまったのは、彼女自身だけでなく、彼女を持ち上げ、消費し、騒ぎ立てた“社会そのもの”なのだと感じさせられます。 読後には、個人の問題だけでは片づけられない、現代の歪みが静かに残る一冊でした。

Posted byブクログ

2025/11/24

凄い本だった。「面白かった」と言うのは不謹慎かもしれないが、全く飽きずに最後まで引き込まれた。 こういう犯罪を取材したノンフィクションを初めて読んだからでもあるけれど、ずっと見たことがないものを見ている、読んだことがないものを読んでいるという感覚が鮮烈にあった。 「事実は小説より...

凄い本だった。「面白かった」と言うのは不謹慎かもしれないが、全く飽きずに最後まで引き込まれた。 こういう犯罪を取材したノンフィクションを初めて読んだからでもあるけれど、ずっと見たことがないものを見ている、読んだことがないものを読んでいるという感覚が鮮烈にあった。 「事実は小説よりも奇なり」を地で行っている。

Posted byブクログ

2025/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者自身がちょっとずつ肩入れしていく様子が面白かった そうさせる魅力があるって事なのか みんなでりりちゃんを作ったって話があったがそれがよく理解できた 結局何が悪くて何が罪なのかが曖昧な気がする ただりりちゃんのフォロワーや周辺の人々は責任はあると思う(というか社会全体も悪い様な気がしてきた) 友人がいないって謙遜ではなく事実ってことか

Posted byブクログ

2025/11/23

才能によりせっかく築きあげることができそうになっていたものが養育環境の弱さからくる人間的な土台の脆さにより崩れていく話。と私は感じました。

Posted byブクログ

2025/11/23

愛とは、与えられるものではなく、 欠けた部分にしみ込む“渇き”そのものではないか。 ”頂き女子”として世間から注目を集めた一人の女性”頂き女子”りりちゃんこと渡邊真衣被告、彼女はいったい何故事件を起こしてしまったのか……。 本書は、そんな人間の奥に潜む欲求を、 静かでありながら...

愛とは、与えられるものではなく、 欠けた部分にしみ込む“渇き”そのものではないか。 ”頂き女子”として世間から注目を集めた一人の女性”頂き女子”りりちゃんこと渡邊真衣被告、彼女はいったい何故事件を起こしてしまったのか……。 本書は、そんな人間の奥に潜む欲求を、 静かでありながら切実な筆致で描き出した物語だ。 登場人物たちは皆、何かを求めている。 癒し、承認、記憶、触れられること、あるいは許されること。 その渇きは荒々しいものではなく、 乾いた大地がゆっくりと水を吸い込むように、 ひっそりと、しかしどうしようもない強さでこちらの心を揺さぶってくる。 本作が優れているのは、 「愛」と「依存」の境界線を曖昧にしながら、 それでもなお人間が誰かを求めずにはいられない理由を…。淡く、そして容赦なく描いているところだ。 読み進めるほどに、胸の奥に微かな痛みが積もっていく。 愛情、承認、自己価値――そのいずれかが満たされないとき、人は過剰な何かに手を伸ばしてしまう。 それは、登場人物への共感というより、 “自分自身にも同じ渇きがある”と気づかされる感覚に近い。 渇愛とは、弱さの証ではなく、 人が生きていくために必要な温度のようなものだ。 すがるような愛の形が、なぜこんなにも切なく、 そして美しいのか。 心理学的に見るなら、それは 愛着の歪みに近い。 安全基地を持たない人間は、常に「相手に見捨てられないための振る舞い」を無意識に選び、 そのことがさらに関係を歪ませていく。 その悪循環は読者にとっても痛いほどリアルだ。 読み終えても胸の奥に残るわずかな痛みは、 私たち自身もどこかで“渇き”を抱えているからかもしれない。

Posted byブクログ

2025/11/22

りりちゃんが標的にしていたギバーおじさんこそ、りりちゃんの孤独を救う気がするが、世の中ってうまくいかないなと思う。 読み終わってもりりちゃんという人物がイメージできない。芯があるように見えたり、ふらふらに見えたり。 確かお母さんの印象が、ちぐはぐと書いてあったが、まさに親子とも...

りりちゃんが標的にしていたギバーおじさんこそ、りりちゃんの孤独を救う気がするが、世の中ってうまくいかないなと思う。 読み終わってもりりちゃんという人物がイメージできない。芯があるように見えたり、ふらふらに見えたり。 確かお母さんの印象が、ちぐはぐと書いてあったが、まさに親子ともども、ちぐはぐな感じがした。これから更生できるのか心配。

Posted byブクログ

2025/11/21

事件や本の感想じゃないけど、 同じ内容の事件だったとしてもたくさん報道されるものとされないものの違いって何だろうといつも思う。 もしこの事件がりりちゃんじゃなく50代で普通の会社員の女性が起こした事件だったとしたらきっと報道のされ方も変わるんだろうなと その場合こういう本も出てな...

事件や本の感想じゃないけど、 同じ内容の事件だったとしてもたくさん報道されるものとされないものの違いって何だろうといつも思う。 もしこの事件がりりちゃんじゃなく50代で普通の会社員の女性が起こした事件だったとしたらきっと報道のされ方も変わるんだろうなと その場合こういう本も出てないかもしれないし、自分も詳しく知ることがなかったんだろうな

Posted byブクログ

2025/11/20

本を読むまではただ変わった女の子だと思ってメディアで見ていたけど、やはりそこには家庭の愛情不足からその穴埋めを求めてホストにハマり、結果資金調達の為身体を売り犯罪にまで至ってしまった背景があった。 自分を傷つけ善悪がわからなくなるほど、自分自身もボロボロになってしまったりりちゃん...

本を読むまではただ変わった女の子だと思ってメディアで見ていたけど、やはりそこには家庭の愛情不足からその穴埋めを求めてホストにハマり、結果資金調達の為身体を売り犯罪にまで至ってしまった背景があった。 自分を傷つけ善悪がわからなくなるほど、自分自身もボロボロになってしまったりりちゃんこと渡辺受刑者。 果たして刑期を終え出所してきた頃には、生まれ変わった渡辺真衣になっているのかと思いました。 一旦は支援者と共に被害者弁済の意思を示していたのに、別の愛を見つけるとあっさりと却下。 間違った愛に進み、また間違った人生をこれ以上進まないことを祈ります。

Posted byブクログ

2025/11/19

被害者に一切謝罪がないというのが全て。被害者への取材が1人だけというのが惜しいがその辺りもよく書かれている。 顛末はSNSで遠巻きに眺めてたが支援者の立花氏も弱者男性煽りしてたり全体的に胡散臭い中で、その人たちや映画化も全部ひっくり返して裏切ることになった名前の出てない新しい「支...

被害者に一切謝罪がないというのが全て。被害者への取材が1人だけというのが惜しいがその辺りもよく書かれている。 顛末はSNSで遠巻きに眺めてたが支援者の立花氏も弱者男性煽りしてたり全体的に胡散臭い中で、その人たちや映画化も全部ひっくり返して裏切ることになった名前の出てない新しい「支援者」がハイライト。こんなん出所しても絡め取られて地獄に戻されるに決まっとる。 後は、あのマニュアルはこの子1人じゃ作れないだろと思ってたので、元々はヒモの情報商材だったと知れたのはよかった。

Posted byブクログ

2025/11/19

何が正で何が悪なのかわからなくなる。 この事件の上澄みしか私は知らないけれど、人の背景を想像する力ってすごく大切だなと思う。 でも自分を守る、自分を大切にする力も大切だと思う。 どっちも大事にできる人間でありたいと思う。

Posted byブクログ