渇愛 の商品レビュー
生い立ちがどれだけ複雑で可哀想でも、どうしても彼女はそうするしか無かったのだとは思えず共感できないのは自分が恵まれているからか。
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【目次】 プロローグ 第1章 誰も知らない、私だけの物語 第2章 彼女の罪がわからない 第3章 魔法のマニュアルを取り巻く人々 第4章 逆転する「母」と「娘」 第5章 極彩色の牢獄 エピローグ
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※このレビューにはネタバレを含みます
人に好かれる行動をとってしまう、というわりには、自分に関心を寄せてくれる記者や支援者の手を簡単に振りほどいてしまうのはなぜなのか。 りりちゃんが自分の犯した罪に向き合えないのはどうしてなのか。 愛着の問題など心理学的側面からの考察も読んでみたいと思った。 彼女が出所した暁に、彼女を利用することなく彼女の人生に伴走しサポートできる人はいるのだろうか。 少なくとも作中に登場する人物には該当者は見当たらないように感じた。
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きっかけは、好きな作家さん、朝井リョウさんがYouTubeで購入してた為。 いつもは読まないノンフィクション系ですが、読みやすくスラスラ読めた。 特に作者がりりちゃんを本当に心配し、のめり込んでる様子では、自分も気がついたら心配していた。しかし、被害者に話を聞く事で、考え直す所は...
きっかけは、好きな作家さん、朝井リョウさんがYouTubeで購入してた為。 いつもは読まないノンフィクション系ですが、読みやすくスラスラ読めた。 特に作者がりりちゃんを本当に心配し、のめり込んでる様子では、自分も気がついたら心配していた。しかし、被害者に話を聞く事で、考え直す所は自分も作者になったように読む事が出来た。 頂き女子りりちゃんについては、ニュースなどでは知っていたがその程度。 今回、本を読んで彼女のバックグラウンドや被害者のバックグラウンドなどを、少し知ることが出来た。 私が印象的に感じたのは、彼女は最後まで自分を被害者と思っており、誰かに依存して生きていく様子。 それと、映画を作ろうとしてた、小林監督の最後と言葉。コミュニケーションの省略。その通りだと思った。 普段読まないノンフィクション系ですが、思う事がが多い本で感想を書きました。 是非普段読まない方にも読んで欲しい。
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その時その時で発言も行動も変わり、真剣に向き合う側が馬鹿を見るような。 ごくちゅう日記だけたまに覗いて知った気になっていたけど、全然理解できるような人物ではなかった。 ホストはダメだと気づいていたが、人に依存せずに生きる方法を見つけられたわけではない。 最終的に【必要とされてい...
その時その時で発言も行動も変わり、真剣に向き合う側が馬鹿を見るような。 ごくちゅう日記だけたまに覗いて知った気になっていたけど、全然理解できるような人物ではなかった。 ホストはダメだと気づいていたが、人に依存せずに生きる方法を見つけられたわけではない。 最終的に【必要とされている】と感じた人のほうへと流れてしまった彼女を見ると、更生の余地などないように思えてしまった。 自分の犯した罪も、理解していない。
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センセーショナルに報道されていた頂き女子りりちゃんの逮捕以降を追いかけたノンフィクション大賞受賞作。 私は事件のことをそこまで追っていた訳ではなかったけれど、りりちゃんのごくちゅう日記の存在はSNSで知っており、才能を感じざるを得ない独特の文章に正直惹かれていたので、ことの真相や...
センセーショナルに報道されていた頂き女子りりちゃんの逮捕以降を追いかけたノンフィクション大賞受賞作。 私は事件のことをそこまで追っていた訳ではなかったけれど、りりちゃんのごくちゅう日記の存在はSNSで知っており、才能を感じざるを得ない独特の文章に正直惹かれていたので、ことの真相や本人の考え方を少しでも知ることが出来ればと思い読みました。 ホス狂いだとか売春だとか、下世話でビビッドな話題ってやっぱり気になってしまうし、自分とすごく遠い世界だからこそ興味深くて、2時間ほどで一気読みした。 著者の方も書いていたけれど、どうしてもりりちゃんに感情移入してしまう。明確に犯罪者であり、確実に被害者の人生を壊してしまっているのに、それでも私は結局最後まで「おぢ」に対する自業自得だというような見方や嫌悪感を捨てることができなかった。りりちゃんが、法律を逸脱してしまったことについては反省しているが、被害者への申し訳なさと言われるとピンと来ないと話していることについても正直共感できてしまう。何故なんだろう。どうして男性のことをここまで搾取する側として見てしまうのかな。何か自分の中にも根深いものがあるような気がしてしまった。 りりちゃんが無意識的に人に好かれようとする言動をとることも痛々しく感じる。虐待やいじめを受け、真っ当な教育を受けないまま歌舞伎町にだけ居場所を見出してしまった結果、逮捕後も手を差し伸べてくれていた支援者たちの手をも自ら断ち切ってしまう。 8年という刑期は、法律の知識がない私からすると他の犯罪と比べて長く感じるけれど、りりちゃんを本当の意味で反省させ、更生させるには、何年あっても足りない、そもそも時間の問題では無いんだろうなと思った。こういう人が本当の意味で救われるには何が必要なんだろう。 彼女のことを世間はどんどん忘れていくんだろうし、歌舞伎町はきっとそんなにすぐには変わらないんだろう。でも、出所した後のりりちゃんの行動に正直どこか期待してしまう自分もいる。
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本書のタイトル通り頂き女子りりちゃんこと渡邉受刑者は渇愛が続いている飢餓状態が日常だ。 私という存在が中心にいる事が精神的安定に繋がる。その安定を求める余り詐欺行為として露見した。
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- ネタバレ
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これは面白かったなー! この事件自体も、著者がりりちゃんにのめり込んでいってしまうところも、今の社会問題詰め詰めboxのようで。 ・家庭環境の悪さ、そこから生まれる犯罪 ・歌舞伎町に集まる居場所のない人々(搾取する側される側どちらも) ・適切な居場所を提供できない今の社会 ・コミュニケーションを疎かにお金で成果を得ようとする人々 ・コミュニケーションの教育が充分でないこと ・多くの女性が皆うっすらと、男に搾取されることへの怒り憎しみを感じている りりちゃんは受刑者となっても自分の罪のメインとなるものがわかっていなかった。(被害者の人生を変えてしまうほどのことをしたこと) 自分も被害者だとさえ言う。 こういう認知の歪みはどう矯正できるんだろう?ていうか、そもそもどうして発生するんだろう? 自分はなんで犯罪を犯さずにいれてるんだろう?家庭環境がよかったのか?学校で良い環境の中で学べたり友達を作れたから?周囲の大人がマトモだったのか?
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一気に読んでしまって、あぁ、終わってしまった、という ぽかんとした気持ちが残った。 被害者がいる事件なので、加害者を擁護するのは難しいけれど、渡辺さんの「渇愛」、愛されたい、認めてほしい、必要としてほしい、という気持ちがひしひしと感じられて、読んでいても辛かった。 うまく言葉...
一気に読んでしまって、あぁ、終わってしまった、という ぽかんとした気持ちが残った。 被害者がいる事件なので、加害者を擁護するのは難しいけれど、渡辺さんの「渇愛」、愛されたい、認めてほしい、必要としてほしい、という気持ちがひしひしと感じられて、読んでいても辛かった。 うまく言葉にできないので しばらく自分の中で、モヤモヤしておこうと思ったり。
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終始支離滅裂で綺麗に彼女のことを理解することができない。それでもその全てが本物で彼女なのかなと思う。全てのものを分解して道筋を与え理解したい、しなければならないとある種の強迫観念を抱いていること自体を手放さなければならないのかも。 どうしても彼女に共感、同情して、世間への復讐心...
終始支離滅裂で綺麗に彼女のことを理解することができない。それでもその全てが本物で彼女なのかなと思う。全てのものを分解して道筋を与え理解したい、しなければならないとある種の強迫観念を抱いていること自体を手放さなければならないのかも。 どうしても彼女に共感、同情して、世間への復讐心を満たしてくれたと思ってしまう自分がいる。それは女だから自分を投影してしまうのか、もしくは蚊帳の外だと思っているからなのか。それも理解し難い複雑な構造なんだと思う。 その思考を手放すことが正解なのか、答えを求めて悩み続けるべきなのか、そもそも正解不正解なんてあるのか。 いつだって人を動かすのは物語とコミュニティだと、インザチャーチの言葉を思い返す場面が多くあった。
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