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渇愛 の商品レビュー

3.7

76件のお客様レビュー

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2025/07/24

わかる事ができる。わかってもらえる事はできる。などというのは都合のいい希望なんだな。 あっという間に読み終えたのは著者の実力が あるからこそ。その力をもってしても最後まで思考と人間性が全く理解できなかった加害者 これが特異な事なのか?読者である自分がもはやついていく事ができていな...

わかる事ができる。わかってもらえる事はできる。などというのは都合のいい希望なんだな。 あっという間に読み終えたのは著者の実力が あるからこそ。その力をもってしても最後まで思考と人間性が全く理解できなかった加害者 これが特異な事なのか?読者である自分がもはやついていく事ができていない程に感性が鈍いのか?それすらわからない為に、逆に意識と感覚を強く揺さぶられているんじゃなかろうかと思ってしまった。面白かったのだけはわかる。

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2025/07/22

海猫沢めろん先生のYoutubeで紹介していて読んだ。 りりちゃんのことはあまり追っていなかったけれど気になってて、だいたい事件の流れが分かって興味深かった。 彼女と関わったホストや、知人、友人、被害者や母親、協力者まで丹念に取材されていて多角的にこの件について知ることができた...

海猫沢めろん先生のYoutubeで紹介していて読んだ。 りりちゃんのことはあまり追っていなかったけれど気になってて、だいたい事件の流れが分かって興味深かった。 彼女と関わったホストや、知人、友人、被害者や母親、協力者まで丹念に取材されていて多角的にこの件について知ることができたのもよかった。 とは言え、まあ、悲壮感はあるかもしれないけれど、出会って数日の人に数百万円も渡してしまうのは何故なのかまでは理解ができなかった。 ただ、貯蓄を貯め続けるストック型の人生の人と、一晩で数百万円を使うフロー型の人生の人が交錯すると本当に悲劇的な結末を迎えるのだなと。りりちゃんはホストクラブで数百万円を一晩で溶かしても平気な人だから、被害者の気持ちは多分ずっと理解できないままだろう。 りりちゃんはとくにホストと恋仲になりたかったわけでもなく、歌舞伎町という街の構造に深く組み込まれてしまった人なのだろうと思った。歌舞伎町においてお金は頂き頂かれて還流していくものにすぎないのだろう。つまりお金の価値自体が全然違う。(あと命も) でもやっぱりどれだけ読んでもホス狂いの気持ちは分からないな、と。

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2025/07/22
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矛盾した思考回路。 でも近くで接しているとその思考回路に嵌っていく気がする。 相手に特別だと思わせる話し方、だから 知らず知らずのうちにあの子のために何かしてあげたい。そんな気持ちになってしまう人は多いのではないか。 ある意味、宗教の教祖のような存在だと思った。まだ教祖にならなかっただけマシではないだろうか、そう思ってしまうくらい相手との距離の縮め方が上手すぎる。

Posted byブクログ

2025/07/20
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p154 彼女が作ったマニュアルって、よくみると、彼女がホストからされたことを、そのままカモになりそうな男性にやり返しているだけなんですよね p157 今私が思うことは、「りりちゃんをつくってしまったのは私達だ」ということ。こうなったのには周りにも責任がある でも道を外さなかったのは、わたしたちには友達がいたからです。

Posted byブクログ

2025/07/14

子どもを手酷く損なう卑劣な男性の性犯罪者の量刑が、ニュースになる度に、そのあまりの軽さに苛立つ。 そしてこの頃は、その度に、頂き女子りりちゃんの量刑と比べてしまう。 この本を読みたいと思った動機も、そこにある。 何が、彼女の量刑をここまでのものにしたのか、それを知るヒントがあるか...

子どもを手酷く損なう卑劣な男性の性犯罪者の量刑が、ニュースになる度に、そのあまりの軽さに苛立つ。 そしてこの頃は、その度に、頂き女子りりちゃんの量刑と比べてしまう。 この本を読みたいと思った動機も、そこにある。 何が、彼女の量刑をここまでのものにしたのか、それを知るヒントがあるかもしれないと思ったからだ。 性欲は命の根源に関わる。その人らしさが、まざまざと現れるのが性にかかわる振る舞いだと思う。 だから、そこをお金で置き換えることは、その人の命の在り方をお金で換算できるものに置き換えることにつながってしまう。 消費されるものになってしまう。 りりちゃんは、消費されつくしたようにみえる。 りりちゃん界隈の人にも、そうではない人にも。 読み終えた今、りりちゃんの量刑については、この長い期間が妥当なのかもしれないと思う。 罪の重さとしてではない。 消費されつくした彼女を隔離し、回復するための期間として。 それにしても 詐欺被害者を救う仕組みは、こんなにも何もないのか。 恐ろしい社会だな。

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2025/07/12

初読みの作家さん。奥付けにはフリーランス記者、Wikipediaにはノンフィクションライターとある。本作で第31回小学館ノンフィクション大賞を受賞した(出版にあたり改題されている)。 サブタイトルにもあるとおり、3人の男性被害者から約1億5000万円を騙し取り、その手口をマニュア...

初読みの作家さん。奥付けにはフリーランス記者、Wikipediaにはノンフィクションライターとある。本作で第31回小学館ノンフィクション大賞を受賞した(出版にあたり改題されている)。 サブタイトルにもあるとおり、3人の男性被害者から約1億5000万円を騙し取り、その手口をマニュアル化して販売した“頂き女子りりちゃん”事件の主犯・渡邊真衣に取材した作品だ。取材は名古屋拘置所に通うのはもちろん、頻繁に手紙をやり取りし、その過程で著者はジャーナリストとしての本分を逸脱していく。あまりにも取材対象に入れ込みすぎているのは本人も自覚しており、その葛藤を正直に書いているのがおもしろい。 ぼくは、この事件については報道されたものを見聞きした程度で、特に興味も関心も持っていなかった。よくある詐欺事件の1つくらいの認識だった。彼女が語る話もよくある内容で、犯罪行為を容認する気にはならない。 非常に驚いたのは、罪悪感と想像力の欠如だ。被害者に対しては罪悪感どころか、自分のほうこそ被害者だと言ってのける。こんな嘘をつけばお金を取れるという発想はあるのに、そのお金を奪えばこの人はどうなるだろうとは思いもしない。あまりにも常軌を逸していて理解不能だった。 ★NetGalleyにて読了。

Posted byブクログ