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となりの陰謀論 の商品レビュー

4.1

40件のお客様レビュー

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2025/08/18

外観としては、陰謀論のカジュアルな概説本の風情。記述の容態は講談社新書らしい柔らかさ(悪く言えばとりとめのなさ)であるが、社会学っぽい書きぶりといえばそうかもしれない。 読み終えて、「となりの陰謀論」の「となりの」の意味をいまひとつはかりかねているのだが、冒頭では「彼らの問題では...

外観としては、陰謀論のカジュアルな概説本の風情。記述の容態は講談社新書らしい柔らかさ(悪く言えばとりとめのなさ)であるが、社会学っぽい書きぶりといえばそうかもしれない。 読み終えて、「となりの陰謀論」の「となりの」の意味をいまひとつはかりかねているのだが、冒頭では「彼らの問題ではなく、われわれの物語自身の問題であることが初めの一歩である」云々と言っていたが、本論に鑑みればむしろ、「となりにまで迫り来る陰謀論の脅威」みたいなニュアンスだったのかもしれない。 陰謀論に分断される社会にとっての処方箋的な知見をちょっと期待していただけに、その意味ではやや肩透かしであった。(第三章では、陰謀論の生まれてくる背景やレトリックについて触れられていたが、事例の列挙の感が強く、モデル的な整理がされていないように見えた。) 一方で、本質をとらえた端的な指摘もあった。 陰謀論を生み出して増殖させるのは、人間の中にある物事をシンプルに把握したいという欲望と、自分の大事なものを奪われるという感覚…というところは、かなり汎用性のある説明ではなかろうか。 加えて、陰謀論か否かを現実的に決定しているのは「認識論的権威」という指摘にも頷いた。もっとも、その従来の認識論的権威が陰謀論によって解体されてしまっていること自体が問題なのだが…。 全体として、陰謀論にかかわる事例や分析が列挙されていて参考にはなるのだが、上記以外には新たな知見はあまり得られなかったようにも思う。読み物としては面白かった。

Posted byブクログ

2025/08/13

ケネディ暗殺事件、9.1、1事件、3.11、東北大地震、日航機123便、墜落、事件、安倍元首相、暗殺事件、などを様々な事件をマスコミは正常に報道しているのだろうか?報道できない大きな力が裏で働いているのではないか?いわゆる陰謀論と呼ばれるものが、私の思考と一致するものが多く、私は...

ケネディ暗殺事件、9.1、1事件、3.11、東北大地震、日航機123便、墜落、事件、安倍元首相、暗殺事件、などを様々な事件をマスコミは正常に報道しているのだろうか?報道できない大きな力が裏で働いているのではないか?いわゆる陰謀論と呼ばれるものが、私の思考と一致するものが多く、私は陰謀論者では無いのだろうか?と思うことも時々あった。 本書ではポピュリズムと陰謀論について興味深い考察が述べられている。 ポピュリズムとは世の中をエリートと民衆に区別した上で、民衆こそが正義であり、民衆の声に忠実に行動しなければならない、と言うのがポピュリストの大原則です。ナチスの大東も、様々な宗教の起源も、大きく見れば、このポピュリズムに近い。

Posted byブクログ

2025/08/07

リハックで知り、気になったので購入。 面白い‼️ぜひ読んで‼️ 今を生きる全ての人に、基礎教養として必要な知識が詰まってます。 みんな陰謀論予備軍だとわかります。もちろん私も。 先の参院選で何が起きてるんだろうって気になった方、トランプ怖い気がするけど何が起きてるの?って...

リハックで知り、気になったので購入。 面白い‼️ぜひ読んで‼️ 今を生きる全ての人に、基礎教養として必要な知識が詰まってます。 みんな陰謀論予備軍だとわかります。もちろん私も。 先の参院選で何が起きてるんだろうって気になった方、トランプ怖い気がするけど何が起きてるの?って思った方には特におすすめです。 陰謀論、ポピュリズムなど、よく耳にするけど定義がよくわからないし、話者によるブレの大きさが気になってたので。それらの成り立ちや代表的事例が紹介されておりするする読めます。 陰謀論にハマりやすい人の特徴も思ってたのと少し違くて意外でした。 本当いつハマるかわかんなくて怖い。 常に警戒して自問自答していこう〜

Posted byブクログ

2025/08/04

飛行機の待ち時間に買って一気読み。 おもしろかったー。 もともと関心があるテーマに、 「複数の対立しがちな主張があり、それぞれの論の組み立てに、それなりに筋が通ってるように感じる場合。そして、その中のどれかに傾倒する場合。なぜその人はその主張を選ぶに至るのだろうか?」 という疑...

飛行機の待ち時間に買って一気読み。 おもしろかったー。 もともと関心があるテーマに、 「複数の対立しがちな主張があり、それぞれの論の組み立てに、それなりに筋が通ってるように感じる場合。そして、その中のどれかに傾倒する場合。なぜその人はその主張を選ぶに至るのだろうか?」 という疑問を持ってます。 随分と以前に、藤原和彦さんのエッセイで「つまるところ、幼い頃からの醸成された感情や情緒なんかとマッチする結論を、根拠よりも先に選んでる。その結論に繋がる事実のみを拾い集めて、納得するようにしてる」 みたいな考えを聞き、納得してるのが今の私です。 陰謀論にしろ、とんでも科学にしろ、 井戸端会議で誰かが話してる分には、 あんまし気にしないようにしてるのですが、 それが自分に押し付けられそうになる時に、 すっごい嫌悪感をもってしまいます。 そして、 「なんでこの人は、 こんな話を信じるようになったんだろうか?」 とモヤモヤしてしまうんです。 本書では陰謀論の生まれる背景に、 ・世の中をシンプルに把握したいこと ・奪われる不安や怖れ があるという大元の仮説をもとに、 ナチスやトランプ、財務省などの具体例を挙げながら、話が進められて行きます。 読んでいると、社会全体に影響を与えるような大きな陰謀論だけでなく、ごく身近な組織や人間関係の中にも、『陰謀論的な思考』に繋がる場面があるよな…と気付かされます。 有名人へのバッシングに励む人や、身近な誰かの有る事無い事の陰口なんかを言うような人たちなんかにも、陰謀論にハマる危うさって感じてしまいます。 他の誰かとの比較で相対的に見たら、私の中にも「陰謀論寄り」と思われるような考えも、きっとあるのでしょう。 で、はじめに戻るのですが、 「人はなぜ、その主張を信じるのか?」 私が今の価値観を持つようになった原因は何か… ということも考える一冊になりました。 それとは別に、 様々な陰謀論的な現象に関する考察が、抜群に面白かったです。

Posted byブクログ

2025/07/31

第一次世界大戦の敗戦国となったドイツは、 戦勝国に多額の賠償金を請求され、貧困にあえいだ。 そうした中に「ユダヤ人のせい」という陰謀論がわきあがり、 これを利用したヒトラーが国民の圧倒的支持を受け政権に上り詰め、 その勢いでユダヤ人を虐殺した。 歴史は教えてくれる。 デマ、陰...

第一次世界大戦の敗戦国となったドイツは、 戦勝国に多額の賠償金を請求され、貧困にあえいだ。 そうした中に「ユダヤ人のせい」という陰謀論がわきあがり、 これを利用したヒトラーが国民の圧倒的支持を受け政権に上り詰め、 その勢いでユダヤ人を虐殺した。 歴史は教えてくれる。 デマ、陰謀論に政治家が力を与えれば、大虐殺は起こりうると。 4年前大統領選に敗れたトランプは、選挙は不正だというデマを流し、 その煽動により群衆が米議会を襲撃した。 これもヒトラーと似たようなものではないか。 あの時は奇跡的に終息したが、その先般であるはずのトランプは さらに力を蓄え、大統領に復帰、自分の思想?にあわないものを排除しようとしている。 大学やらFRB議長やら、そもそも関税という名で他国との貿易も、、 翻ってわが日本も先日の参院選は、排外主義が跋扈し、 「外国人犯罪が増えている」というデマを流す。 マスコミは嘘ばかり、SNSにこそ真実があると、偏った情報で人はデマに、陰謀論に乗る。 私も一つの陰謀論を持っている。 今の政府を構成している官僚、国会議員。 官僚の多くは東京で中学受験をして中高一貫校から東大に入った偏差値エリート。 彼らは小さい頃から特別扱いで周囲と馴染まず、人の気持ちがわからぬまま成長。 答えのあるものを覚えることはできても、クリエイティブなことはできない。 そういう人が官僚になってもろくな政策は考えられない。 政治家は、事務所に相続税がかからない特典を活かして世襲だらけ。 世襲も多くは地元を知らず都内の中高一貫出身。ただ頭が良くないから一流校に行けない。 自分でものを考えてないから、周囲、特に官僚の言いなり。 ついでに大企業のトップも偏差値エリートが社内抗争を乗り越えてその席に着いたものが多く、 ろくな経営判断ができない、、、 日本を救うのは地方出身で地元に馴染み、かつ地頭のいい本当に優秀な人と、 裸一貫ゼロから事業を立ち上げたオーナー社長。 しかしこれが今の世の中なかなか育ちにくい。 地方は貧しく、起業は難しい。 私の思考のベースはここにあるから、陰謀論者を笑えないけれど。 ただ、世界の状況は恐ろしい。残念ながらSNSが一役買ってる。 カムチャッカ地震の津波の情報はさすがにいわゆるマスメディアが信じられるだろう。 SNSのデマを信じないほうがいい。 それともそれでもあの警報は嘘、というデマもでてくるのだろうか、、 何を信じるか。 日頃の情報との接し方次第なのだろう はじめに 第一章 陰謀論とは何か 第二章 陰謀論が生む「パラレルワールド」 第三章 「陰謀論政治」はなぜ生まれるのか 第四章 陰謀論を過小評価してはならない おわりに

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2025/07/28

トランプがどう市民の心を掴み、再び大統領の座についたかといった考察が面白かった。また、陰謀論は市民に別の世界への没入感をもたらすものであり、このゲーム、パラレルワールドのような感覚こそが陰謀論を信じるきっかけになるという考察はなるほどと思った。私たちも陰謀論を軽視して安易に切り捨...

トランプがどう市民の心を掴み、再び大統領の座についたかといった考察が面白かった。また、陰謀論は市民に別の世界への没入感をもたらすものであり、このゲーム、パラレルワールドのような感覚こそが陰謀論を信じるきっかけになるという考察はなるほどと思った。私たちも陰謀論を軽視して安易に切り捨てるのではなく、陰謀論の裏にある激しい怒りがどこから生まれてるのかを真剣に考えることは、今後より良い社会を実現する上で不可欠だと思った。

Posted byブクログ

2025/07/18

引用されているカッシーラーと言うユダヤ人学者の言葉ですが、「近代を呪術からの解放の時代と捉えることは誤りだという歴史観」。 テクノロジーが進んだからといって人が全て合理的な判断を下すとは限らないということ。足元の米国、日本の参院選を見ているとまさしく、そうだと思います。

Posted byブクログ

2025/07/17

陰謀論は誰もが持ちうるものとした上で、陰謀論とは何か、何を背景に生まれなぜ広まってしまうのかを、近年の米国やナチスドイツの事例を元に議論する。最後の陰謀論を過小評価してはならないというメッセージは重く受け止めなければならないと感じた。

Posted byブクログ

2025/07/15

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1945093276463456380?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2025/07/01

〈自分の中に陰謀論が眠っていた事実を少しずつ受け入れ始めた筆者は、陰謀論を一部のみが信じる特殊な知識であるかのように考えることは間違いではないか、誰もが陰謀論者になり得る素質を持っていると考える方が、現実的かもしれないと思うようになりました〉  アメリカで起きた連邦議会議事堂襲...

〈自分の中に陰謀論が眠っていた事実を少しずつ受け入れ始めた筆者は、陰謀論を一部のみが信じる特殊な知識であるかのように考えることは間違いではないか、誰もが陰謀論者になり得る素質を持っていると考える方が、現実的かもしれないと思うようになりました〉  アメリカで起きた連邦議会議事堂襲撃事件後に陰謀論研究をはじめた著者が、陰謀論に関する文献を読んでいる時にケネディ暗殺に関する陰謀論の記述を違和感なく受け入れていた、ということをきっかけに、自分と〈まったく違うもの〉、自分は〈そうはならない〉と切り離してしまうと、大事なことを見誤ってしまうのではないか、と丁寧に綴っていく姿勢に誠実さを感じる一冊でした。  様々な事例や〈陰謀論〉の定義、〈陰謀論〉はどのように〈陰謀論〉と判断することが可能なのか、などが書かれた本書を読みながら、自分の足場を確認したくなる一冊でした。

Posted byブクログ