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となりの陰謀論 の商品レビュー

4.1

40件のお客様レビュー

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2025/09/21

タイトルが秀逸だなというのが第一印象。内容としてはズバズバ切り込む快作というよりかは、着実に議論を重ねていく形で、新書の紙幅でまとまっていると思うが、筆者のより専門的な著作も触れてみたいと思える。

Posted byブクログ

2025/09/20

陰謀論が社会の中で猛威を振るうメカニズムがよく分かる。特に人間が剥奪感を感じるとき、今不幸であるとき、あいつのせいだ!と叫び、戦うものに熱狂するというのは、そうなのだろう。ナチス台頭の仕組み、トランプがなぜ支持されるのかなど、面白い事例はわかりやすい。 それは事実なのか?だれ...

陰謀論が社会の中で猛威を振るうメカニズムがよく分かる。特に人間が剥奪感を感じるとき、今不幸であるとき、あいつのせいだ!と叫び、戦うものに熱狂するというのは、そうなのだろう。ナチス台頭の仕組み、トランプがなぜ支持されるのかなど、面白い事例はわかりやすい。 それは事実なのか?だれかが思いつきで行っているのではないか?自分が求めている意見にとびついているだけなのではないか?いつも疑問をもつようにしよう。

Posted byブクログ

2025/09/15

最近、陰謀論や過激な主張が身の回りにあふれ不安感が増している。外国人問題や中国による不動産取得の問題も真実と不安を煽る陰謀論が混じっているように思う。 本書は陰謀論なぜ生み出されるのか?という問いに対して二つの仮説を提示する。ひとつめは世界をシンプルに解釈したいという人間の欲求...

最近、陰謀論や過激な主張が身の回りにあふれ不安感が増している。外国人問題や中国による不動産取得の問題も真実と不安を煽る陰謀論が混じっているように思う。 本書は陰謀論なぜ生み出されるのか?という問いに対して二つの仮説を提示する。ひとつめは世界をシンプルに解釈したいという人間の欲求。ふたつめは大事なものが奪われる剥奪感。このふたつの仮説をもとにアメリカのトランプ現象をケースにしながら論を進める。 最も印象的だったのは、政治的な不満を抱えるのは必ずしも貧しい人ではなく、財産や地位、誇りなど失われるものをもつミドルクラスであるという点だ。彼らの剥奪感がニヒリズムを生み、陰謀論を生む。本書ではアメリカをケースにしているが、この点に着目すると一億総中流と謳われた日本こそ陰謀論によって政治が翻弄されるリスクが高いように思う。今のSNSの殺伐とした投稿をみても符号があう。 我々のような庶民が陰謀論とは何か知ることは大事だが、政治家にこそ読んでほしい。ホームタウン制度の炎上を単にデマとして流していいいのだろうか?クルド人問題や財務省解体デモ、中国人の不動産取得問題はどうだろうか?失われた30年のうちにたまった歪の一端が可視化されているのではないか?などと思う。 自分は就職氷河期最後の世代で未来や政治に期待を持ちようがなかった。ぜいたくは言わないからせめて国民の方を向いた政治をしてほしい。アメリカのような分断された国で人生の後半を過ごしたくない。

Posted byブクログ

2025/09/13

“陰謀論を生み出し増殖させるのは、人間の中にある「この世界をシンプルに把握したい」という欲望と、何か大事なものが「奪われる」という感覚です” “人間は子どもも大人も、「あたかも」自分の本物の欲望が満たされるかのような世界をつくり出して、その世界の住人となって疑似的な希望や欲望が満...

“陰謀論を生み出し増殖させるのは、人間の中にある「この世界をシンプルに把握したい」という欲望と、何か大事なものが「奪われる」という感覚です” “人間は子どもも大人も、「あたかも」自分の本物の欲望が満たされるかのような世界をつくり出して、その世界の住人となって疑似的な希望や欲望が満たされる経験を通してそれなりの幸福感を得るのです”

Posted byブクログ

2025/09/06

近年、陰謀論が世界のあちらこちらで蔓延しているが、著名な陰謀論を取り上げて平易に解説している本。 比較的古い話でいうと、ナチスも取り上げられており、ヒトラーの演説能力を過大評価すべきではなく、「ホロコーストは、全体主義的な恐怖政治と陰謀論が一体化する中で生まれたもの」ではないかと...

近年、陰謀論が世界のあちらこちらで蔓延しているが、著名な陰謀論を取り上げて平易に解説している本。 比較的古い話でいうと、ナチスも取り上げられており、ヒトラーの演説能力を過大評価すべきではなく、「ホロコーストは、全体主義的な恐怖政治と陰謀論が一体化する中で生まれたもの」ではないかという考察が示されている。 また、「グレート・リプレイスメント」という陰謀論(何者かの計画によって移民が欧米社会に大量に送り込まれているという内容)が、欧米で異教徒・移民に対する銃乱射事件を惹き起こしていることも語られている。 これは日本でも他人事ではないだろう。 本書と直接関係はないが、昔、「陰謀のセオリー」という映画があった。 タイトルの意味が今ひとつ掴みづらいと思っていたのだが、あれは陰謀論のことだったのだなと今さら気が付く。

Posted byブクログ

2025/09/05

陰謀論の荒唐無稽さは非難する必要があるが、陰謀論を生み出す背景には目を向けないといけない。 本書は主にアメリカにおける陰謀論と、それを政治に利用するものに焦点を当てた内容となっている。本書内では、日本はそこまでと言ってるが、最近の情勢見てると、ちょっと危惧してしまう。 そういう...

陰謀論の荒唐無稽さは非難する必要があるが、陰謀論を生み出す背景には目を向けないといけない。 本書は主にアメリカにおける陰謀論と、それを政治に利用するものに焦点を当てた内容となっている。本書内では、日本はそこまでと言ってるが、最近の情勢見てると、ちょっと危惧してしまう。 そういう意味で、本書に出てくる冒頭のニュアンスは、抑えていく必要あると感じた。 なお主な話ではないと理解しつつ、文中で何度か“戦隊ヒーロー”という言い回しを使っているのが気になった。あまりにテンプレ的な使い方をしてる一方で、陰謀論に絡めて使うのは適切かと気になってしまった。

Posted byブクログ

2025/08/24

陰謀論にハマっていく人の心理を云々…というよりは、今注目すべき陰謀論の事例を解説してもらった感じ。 この所、何となく陰謀論的なというか、色々なスタンスの人が出てきて、何となく惹かれて読みました。 分かりやすい解説で良かった。

Posted byブクログ

2025/09/01

陰謀論入門書。読みやすい! この本の前に「トランプ信者潜入一年」を読んでいたので、かなり入って行きやすかった。 十数年前、知人と飛行機雲の成り立ちについて話していた。「トモダチに『標準空間というのがあって、それに合わせて雲の量を調整するために飛行機雲は発生している』って言う人...

陰謀論入門書。読みやすい! この本の前に「トランプ信者潜入一年」を読んでいたので、かなり入って行きやすかった。 十数年前、知人と飛行機雲の成り立ちについて話していた。「トモダチに『標準空間というのがあって、それに合わせて雲の量を調整するために飛行機雲は発生している』って言う人がいた」という話を聞いて、当時はそんな変わったこと言う人がいるのか〜程度にしか思っていなかったけど、あれは古の陰謀論のひとつだったとかも、とこの本を読んで答え合わせできた感覚。 「日本の幸福な衰退」がパワーワードすぎる。格差の苦しみをバーチャルなものに求めているのか…?もし本当にそうならなんか気持ち悪い。 私も、ストレス感じた時に小説を読んで没入することはあるから似たようなものなのかもしれない。 でも、常日頃、みんながみんな格差の苦しみを感じているのか?あまりよく分からないものかも。 「陰謀論の主張が間違っている点は厳しく批判しつつも、陰謀論的なデモを生み出している参加者たちの奪感を放置しておくべきではない」 結局、分断を止めるには粘り強く対話することが必要。

Posted byブクログ

2025/08/22

著者はアメリカの一・六襲撃事件から陰謀論を研究し始めた 仮説1. 世界をシンプルに解釈したいという欲望を人間が持っているから 仮説2. 何か大事なものを「奪われる」感覚が陰謀論を誘発する 陰謀論は「烙印を押された知識」 陰謀論にのめり込むことは、マルチ・ビジネスや、信仰宗...

著者はアメリカの一・六襲撃事件から陰謀論を研究し始めた 仮説1. 世界をシンプルに解釈したいという欲望を人間が持っているから 仮説2. 何か大事なものを「奪われる」感覚が陰謀論を誘発する 陰謀論は「烙印を押された知識」 陰謀論にのめり込むことは、マルチ・ビジネスや、信仰宗教などと同様 『陰謀論からの救出法』という文献は参考になる フリーメイソンの実態はただの友愛団体 今でいうロータリー・クラブ、大学のボランティアサークルなどと変わらない フリーメイソン陰謀論は、今日のディープステート陰謀論の源流 自分の存在を丸ごと否定するような他者が存在し、その他者の脅威が人を陰謀論へと駆り立てる アメリカの保守派のフォックスニュースへの信頼度が怖い 「あたかも」の世界 純度の高いポピュリズム 陰謀論の内容が馬鹿げていることは、かえって恐ろしい効果を生み出す 陰謀論は失笑したり無視しない方が良い時代に入った 気持ちを汲み上げながら粘り強い議論につなげていく必要がある

Posted byブクログ

2025/08/19

陰謀論なんて、トンデモ理論は常識のない人が信じるものだと思っていたが、自分の身近にもあること、自分自身も知らず知らずのうちに信じているかもしれないということを初めて自覚した。陰謀論がただ悪いと否定するのではなく、そのような考えが生まれる背景まで目を向けることが、広く社会を捉えるた...

陰謀論なんて、トンデモ理論は常識のない人が信じるものだと思っていたが、自分の身近にもあること、自分自身も知らず知らずのうちに信じているかもしれないということを初めて自覚した。陰謀論がただ悪いと否定するのではなく、そのような考えが生まれる背景まで目を向けることが、広く社会を捉えるために必要だと感じた。

Posted byブクログ