月とアマリリス の商品レビュー
辛い苦しい内容だが頁を捲る手は止まらず どこで間違えてしまったのか 引き返す事はできなかったのか 誰かの差し伸べる手に縋る事は ネットで「さす九」と揶揄されるような細々としたやり取りにも心が抉られる 恐怖と辛さとモヤモヤが入り混じる感情を抱えながらの読了 事件記者の葛藤も...
辛い苦しい内容だが頁を捲る手は止まらず どこで間違えてしまったのか 引き返す事はできなかったのか 誰かの差し伸べる手に縋る事は ネットで「さす九」と揶揄されるような細々としたやり取りにも心が抉られる 恐怖と辛さとモヤモヤが入り混じる感情を抱えながらの読了 事件記者の葛藤も理解できる 再読は出来なさそう
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目を閉じても思い出せるぐらい、描きたいものを観察しなさい。分からんまま自分の多分で描くのはほんとうを描いたことにならん。ほんとうを見失ってしまう。ほんまやね!!
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人は強そうに見えてもみんな弱いから 誰かの言動で、強くなれたり 逆に悪い方向へ最悪の結末にたどりつくことも。 出会う人、身近な人を大切にしたい と思った。
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町田その子にサスペンスを書かせるとこうなるのか…ヒューマンドラマの境地だった。登場人物全てに人生があって、事件はその点でしかない。過去から繋がった事件当時と、事件から変わったその人生を全て映し出している。登場した皆のバックグラウンドが蓄積される形になるので、脳みそはパンパンになる...
町田その子にサスペンスを書かせるとこうなるのか…ヒューマンドラマの境地だった。登場人物全てに人生があって、事件はその点でしかない。過去から繋がった事件当時と、事件から変わったその人生を全て映し出している。登場した皆のバックグラウンドが蓄積される形になるので、脳みそはパンパンになるのだけが欠点。サスペンスなのでヒヤッとしたり、ゾッとしたりする展開はあれど、最後はほっとした終わり方で、安心…! 舞台は九州。Xでも九州は男尊女卑が強いと話題になった今日。DV、共依存、LGBTQ+、報道のあり方、児童の自殺、父による性暴力など、昨今の問題がどどんと凝縮されたような書だった。でも無理矢理感はないところがさすが。とても完成された作品だと思いました。
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涙なしには読めないです。胸が熱くなり、腹が立ち、やるせなくなり、切なくなり、最後は穏やかで優しい気持ちになります。 評価も高いので、期待して読み始めましたが、期待を裏切らない良作だと思います。またいつか、おばあちゃんになってから読んでみたいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリーとしてはいまいちだけど、ヒューマンドラマとしては凄いと思った 人の感情を表現することが巧すぎる。 人間なんて一本筋が通った人の方が少ない。 むしろいないんじゃないかな? そうして右往左往しながら正解を探していく様子がよく描かれてた。 過ちとの向き合い方とか、その後の人生とか色んな人物を通して、ものすごい情報量で伝えてくる 言葉も道具も使い方ひとつで凶器にもなるし、救いの手にもなる。 アインシュタインではないが、原子力の発明も同じだ。 武器として使えば爆弾に、豊かな生活のために使えばそれは発電などの技術利用ができる。 使い方一つで天と地ほど差が出る。 改めて感じた
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たぶん初めての、町田そのこさん。 図書館で長らく順番待ちをして、ようやく読めた。 重く暗い内容なのに、一条の光が感じられるようだった。 物語の軸になっている事件は救いようのなく、周りの大人たちも救いようのないほどに酷い。なのに感じられる「光」は何だろう。 それは埋められてしまった...
たぶん初めての、町田そのこさん。 図書館で長らく順番待ちをして、ようやく読めた。 重く暗い内容なのに、一条の光が感じられるようだった。 物語の軸になっている事件は救いようのなく、周りの大人たちも救いようのないほどに酷い。なのに感じられる「光」は何だろう。 それは埋められてしまった「ばあちゃん」やお向かいに住んでいたばあちゃんや実の祖父の存在だと思った。 事件を追っている主人公を昔虐めていた同級生の隠された気持ちや彼女の本質が明らかになっていったのも気持ちを明るくしてくれた。 生きにくい世の中だ。でもその生き難さに飲み込まれないように、それが全てではないといつも気づいていたいし、誰かの光になっていたらいいなと思う。
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評価の高い本であるが、私には刺さるものがなかった。終わりにかけてはバタバタ伏線回収。唐突感もあり、読むのが萎えた。
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現実的な社会問題を題材とし、記者である主人公を軸にサスペンスと社会福祉要素が結びついていく。目を背けたくなるような弱者たちの現実と地獄に向き合いながら、主人公も仕事や人との関わりを通して成長していく過程はテレビドラマのような展開に感じました。お話ができすぎているというか、なんとな...
現実的な社会問題を題材とし、記者である主人公を軸にサスペンスと社会福祉要素が結びついていく。目を背けたくなるような弱者たちの現実と地獄に向き合いながら、主人公も仕事や人との関わりを通して成長していく過程はテレビドラマのような展開に感じました。お話ができすぎているというか、なんとなく私の中にはスッと入ってこないつっかえがあったのは正直なところです。ジェンダー観に切り込みたいという姿勢は感じられました。 全体を通して、少し冗長な印象はありました。 表紙の写真は良い感じだと思います。
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町田さん初のサスペンスということで期待して読みました。 冒頭で描かれた事件の犯人は、物語の中盤で明らかになります。むしろ犯人の心境と事件の経緯が書かれた後半こそが本作の核であり、町田さんの本領発揮という印象でした。 親からの愛を十分に受けられずに育った人間たちが犯した罪を元・事...
町田さん初のサスペンスということで期待して読みました。 冒頭で描かれた事件の犯人は、物語の中盤で明らかになります。むしろ犯人の心境と事件の経緯が書かれた後半こそが本作の核であり、町田さんの本領発揮という印象でした。 親からの愛を十分に受けられずに育った人間たちが犯した罪を元・事件記者が追うストーリー。犯人以外の登場人物それぞれが何かしら負い目のある過去を持っていて、それが社会への問題提起となっている作品です。 しかしながら、報道のありかた、トランスジェンダー、いじめ、ネグレクト、デートDVなど少し詰め込みすぎた印象。どれかひとつ欠けても本作は成り立たない気もしますが、結果すべての要素が薄まってしまった感は否めません。 ミステリー、サスペンスとして読むと物足りなく感じるでしょう。 町田さんらしい、人の心の弱いところを突いてくる良作ではあると思います。 「ひとはひとで歪む。けれど、ひとはひとでまっすぐになることもできる」 あ、これだ!と思ったのがこの文章でした。私のこれまでの人生のモヤモヤがまたひとつ、クリアに言語化されたのが最大の収穫でした。
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