わたしの知る花 の商品レビュー
夏にサイン本を書店で見かけて思わず購入。そこから忙しくなってしまい、冬になってようやく読み切りました。 「ぎょらん」、「52ヘルツのクジラたち」「宙ごはん」「星を掬う」読書歴が浅い私にしては、町田さんの作品は結構手に取ってる方。 メッセージ性は他の作品の方が強いが、物語の好みで...
夏にサイン本を書店で見かけて思わず購入。そこから忙しくなってしまい、冬になってようやく読み切りました。 「ぎょらん」、「52ヘルツのクジラたち」「宙ごはん」「星を掬う」読書歴が浅い私にしては、町田さんの作品は結構手に取ってる方。 メッセージ性は他の作品の方が強いが、物語の好みで言うと案外この作品が一番好きかもしれない。 登場人物が多くて頭が混乱するので、心に余裕がある時にしか読めなかったですが… 平の優しさと弱さゆえの報われない人生に切なくなる。 安珠の祖母の悦子の生き様は格好良い。 『どれだけ苦しい生活でも、大切な出会いや大切な育みは止められない』 最後はまさかの結末に泣きました。
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『近くにいてもらおうとして傷つけるくらいなら、離れた場所で笑っていてほしい』 『束の間でもそばにいて笑い合えた、その記憶だけで十分。大事なひとが笑っている、それだけでいいのよ。近くにいるとか、触れていられるとか、望みすぎだと思えばいい』 過去に抱いていた悩みを、この言葉がスッと救ってくれた気がして読みながら涙が溢れました。
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物語の序盤に主人公の平さんが安珠に言った、 「理解というのは、互いの努力が一方的じゃ、無理だ。相手と自分が、同じくらいの努力ですり合わせていくしかない。どちらが上回っていても、ズレが起きる。思い込みや、知ったふりが生まれる」 「そして理解に深さを求めるのなら、後ろめたいことでも、隠したいことでも、向き合って詳らかにしなくてはいけない」 という言葉が、読み進めていくうちに平さん自身のことでもあったんだなと分かり、ジンときた。
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最終章、涙なしには読めなかった。 各章の主人公の目線によって紐解かれ、それと同時に最後まで編まれていく長い長いラブストーリー。 読み進めるうちに、自分が推測したよりもっともっと深いところに大きな愛があることに気付かされる。 本編やエピローグに散りばめられている花の花言葉を追う...
最終章、涙なしには読めなかった。 各章の主人公の目線によって紐解かれ、それと同時に最後まで編まれていく長い長いラブストーリー。 読み進めるうちに、自分が推測したよりもっともっと深いところに大きな愛があることに気付かされる。 本編やエピローグに散りばめられている花の花言葉を追うことで、さらなるメッセージを受け取れた思いがする。もう一度読み返したい。
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犬とか図書館司書の女性、カフェの店主なんかが主役の連作短編は読んだことがある。 しかし、かつてあっただろうか。 公園で絵を描いてるオッサンが主役になっている壮大な恋愛物語がーーー。 第2章に入ったとき、「え、この人が主役なん?」というのが正直な感想だった。 だけど読み進めるう...
犬とか図書館司書の女性、カフェの店主なんかが主役の連作短編は読んだことがある。 しかし、かつてあっただろうか。 公園で絵を描いてるオッサンが主役になっている壮大な恋愛物語がーーー。 第2章に入ったとき、「え、この人が主役なん?」というのが正直な感想だった。 だけど読み進めるうちに、 なんという人生。 なんという魅力。 オッサンから目が離せない。 時代が前後するのも大好物。 最終章にはキッチリ泣かされてしまった。 恋愛物語あんまり好きじゃないけど、 この本は好きだ。
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なんて哀しくて切ない物語なのだろう。 最後の方は涙なくしては読めなかったよ。 まさか安珠は平さんの孫とはね…。 そう繋がっていくのかぁ。 若い頃の平さんはまるで奏斗のように綺麗な顔立ちで中性的な魅力を持つ男子だったんだね。 安珠のおばあちゃんの悦子さんが大好きで… あの壮大な物語...
なんて哀しくて切ない物語なのだろう。 最後の方は涙なくしては読めなかったよ。 まさか安珠は平さんの孫とはね…。 そう繋がっていくのかぁ。 若い頃の平さんはまるで奏斗のように綺麗な顔立ちで中性的な魅力を持つ男子だったんだね。 安珠のおばあちゃんの悦子さんが大好きで… あの壮大な物語は完結してから逝ったんだよね。 ひまわりのブローチも完成させてさ。 ちょっと遠回りしたけど、最後は一緒のお墓に入れることになってよかったね(死んでからだけど(-_-;)) これ、もし映像化するとしたら平役は今は亡き田村正和がぴったしじゃないかな。
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うーん、思ったほど引き込まれなかった。 一人の人物の一生のような長い年月を描く作品があまり好みではないのかもしれない。 優しくて頼りない平さん。 14歳の時に起きた事件に一生囚われている。 いやぁ、辛すぎる。 何とかして物語を終わらせて、そこから救ってあげる人がいたらよかったの...
うーん、思ったほど引き込まれなかった。 一人の人物の一生のような長い年月を描く作品があまり好みではないのかもしれない。 優しくて頼りない平さん。 14歳の時に起きた事件に一生囚われている。 いやぁ、辛すぎる。 何とかして物語を終わらせて、そこから救ってあげる人がいたらよかったのに。 タイミングについての話が何度か出てくるが、私はそれも運命なのかなと思う。 平はあの日エコちゃんがいようがいまいが、どうしたって間に合わない運命だったんだって。そう考えれば良かったんじゃない? 二人には生きてるうちに会って欲しかったなぁ。
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【あらすじ】 「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」 虫も殺せぬ優男、結婚詐欺師……? 77歳で孤独死した老人の、誰も知らない波瀾に満ちた意外な人生とは? 【個人的な感想】 平さんと悦子さんの2人の生き様に感動した。 心に響く言葉がたくさん綴ってあるから好きというのとはまた違うが、町田さんの作品らしく切なくて胸が締め付けられた。 最後にはポロポロ涙が溢れる。
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本で涙腺が緩くなったのは初めてかもしれない。(もしくは今まで上手く入り込めてないだけかも) でもそれぐらいに良かった。 話が進んでいくにつれて、公園にいるくたびれたおじいさん(平さん)の解像度が上がっていくような、、 視点が変わることで、それぞれの感情の動きがすごく身近に感じ...
本で涙腺が緩くなったのは初めてかもしれない。(もしくは今まで上手く入り込めてないだけかも) でもそれぐらいに良かった。 話が進んでいくにつれて、公園にいるくたびれたおじいさん(平さん)の解像度が上がっていくような、、 視点が変わることで、それぞれの感情の動きがすごく身近に感じれたし、序盤ではよく分からなかった背景が後半になるにつれて噛み合っていく感覚が「先が気になる」から「読み終わりたくない」に変わっていった。 人の数だけ物語があるって言葉が当てはまる物語だと思う。
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涙なしでは読めません。 哀しくて、切なくて。 語彙力なさすぎてなんと感想書けばいいか... 平さんの純粋な優しさ、計り知れない過去。 1人で生きて、1人で抱えて、1人で頑張ってきた平さん。 とにかく報われてほしいなと思いながら読んでいたけど 最終的には色んな人に救ってもらえたんじゃないかな。 もう1人で頑張らなくていいんだよって言いたい。 平さんも悦子さんも、会いたい気持ちは変わらなかったのがわかって、本当に本当に良かった。 あの頃に大切にしていた気持ちや思い出を芯にして 悦子さんには余生を楽しく生きてほしいなと思った。
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