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水たまりで息をする の商品レビュー

3.9

54件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2024/07/28

高瀬さんの本は初めて読んだのだが、文章が読みやすくてすぐに読めた。情景も匂いまでも漂ってくるような描写。 風呂に入らなくなった夫の話だったけれど。 昔、まだ風呂がない時代はきっと川で体を流したり雨に濡れたり、雨水を溜めて水浴びをしていたんだろうな。 それを思うとそんなに不自然な...

高瀬さんの本は初めて読んだのだが、文章が読みやすくてすぐに読めた。情景も匂いまでも漂ってくるような描写。 風呂に入らなくなった夫の話だったけれど。 昔、まだ風呂がない時代はきっと川で体を流したり雨に濡れたり、雨水を溜めて水浴びをしていたんだろうな。 それを思うとそんなに不自然な感じはしない。 いつから毎日毎日風呂に入ること、それが当たり前になったんだろう。だから、風邪なんか引いて二日もお風呂に入れないとなんだか気持ちが悪くなってくる。

Posted byブクログ

2024/07/27

オススメされて読んだ本。 夫がお風呂に入らなくなったというインパクトの大きい話しだけど、妻の考えや、周りの反応はなんだか日常で感じるような感情があって同調できるような気持ちがたくさんあった。夫がカルキを感じるお風呂、自然な気持ちになれる雨、川、いつかこの本当の姿の魅力に私も取り憑...

オススメされて読んだ本。 夫がお風呂に入らなくなったというインパクトの大きい話しだけど、妻の考えや、周りの反応はなんだか日常で感じるような感情があって同調できるような気持ちがたくさんあった。夫がカルキを感じるお風呂、自然な気持ちになれる雨、川、いつかこの本当の姿の魅力に私も取り憑かれるかもしれない。

Posted byブクログ

2024/08/12

【2024年147冊目】 夫が風呂に入らなくなった――ある日、妻の衣津実は夫の様子がおかしいことに気づく。ここ数日、風呂に入っていないようなのだ。問いかけると、「風呂には、入らないことにした」と宣言し、夫はそのまま風呂に入らない生活を送り始める。衣津実は戸惑いながらも共に生活を続...

【2024年147冊目】 夫が風呂に入らなくなった――ある日、妻の衣津実は夫の様子がおかしいことに気づく。ここ数日、風呂に入っていないようなのだ。問いかけると、「風呂には、入らないことにした」と宣言し、夫はそのまま風呂に入らない生活を送り始める。衣津実は戸惑いながらも共に生活を続けるが……。 なんで夏場の、自分の体臭(汗をかいた時に鼻につく臭い)が気になる季節に読み始めちゃったんだろう、と思いつつ一気読みでした。私は臭いに敏感な方なので、ちょっとでも無理だなと思うと、す、と距離を置いてしまいます。電車内でもマスクをしたりとか。 夫が風呂に入らなくなって、どんどんすえた臭いを漂わせるようになっていって、皮膚の様相も普通とは様変わりして、それでも共に暮らしている、夫婦だから。という状況のきつさ。 なんで病院に連れていかないんだろうと思って考えてましたが、異常を異常と認めたくなかったのかもしれない。離婚を選択に入れなかったのも、それを選択肢として入れてはならないものだと思っていたからなのかもしれない。魚を川に捨ててこいと言われて驚いた時のように。 夫のあり方を許して受け入れているようでいて、逃げているだけな気がしてならなかった。喧嘩をしてでも、風呂に入れなくなったのはなぜか、どうすればいいのか、を考えてあげるべきだったんじゃないのか。どこか希薄さのある衣津実は、生活の有り方を変えたくはなく、でも流されるまま変わっていくのを少しずつ受け入れることで諦めていたんじゃないか。 なんていろいろ考えてしまいました。いや、でも臭いは本当にきついんで、勘弁して欲しい。マジで。

Posted byブクログ

2024/07/23

また気になる作家さんが増えた。 夫が風呂に入っていないことに気づいたことから始まる物語。臭いのは無理なので、私にはとてもじゃないが耐えられない。風呂に入らないなら別れる。 風呂に入らない夫、どんどん臭っていく夫、会社を辞めた夫…… すべて受け入れ、相手を尊重してあげて優しい...

また気になる作家さんが増えた。 夫が風呂に入っていないことに気づいたことから始まる物語。臭いのは無理なので、私にはとてもじゃないが耐えられない。風呂に入らないなら別れる。 風呂に入らない夫、どんどん臭っていく夫、会社を辞めた夫…… すべて受け入れ、相手を尊重してあげて優しいな…と思ったのは後半に向かうにつれて優しいのではない。と気づく…… ある意味ホラー。面白い。。

Posted byブクログ

2024/07/21

ハードカバー本を図書館で借りました。 文庫本が出ているのですね。 その解説を話題にされている方もいらっしゃって、解説が気になっています。 今回初めて、結末が気になり、読後すぐに多くのレビューを読みました。 そして「私も書いてみよう、今の気持ちを」と初めて思いました。 け...

ハードカバー本を図書館で借りました。 文庫本が出ているのですね。 その解説を話題にされている方もいらっしゃって、解説が気になっています。 今回初めて、結末が気になり、読後すぐに多くのレビューを読みました。 そして「私も書いてみよう、今の気持ちを」と初めて思いました。 けっこう「匂い」という存在、この本で使われている「匂い」に我慢して、何度か投げ出しそうになりながら、でも気になり続け積読で終わることはできず、読み切りました。 今の世の中は小さな子どもから同調を気にするような、どんどん嫌な時代になっていて、「普通」の定義が一人歩きしている怖さをこの本を通して私は感じました。

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2024/09/16

ありえたかもしれない会話の続きを頭の中で考える、お風呂に入らなくても私は本当に気にしない、とか、夫個人に向き合う温かさは持ち合わせてるのにそれを表に出さないの、他人は他人って感じがして自分に正直に生きててすごく好き 妻と夫、どちらの内心をより想像できるかがはっきり分かれそうでおも...

ありえたかもしれない会話の続きを頭の中で考える、お風呂に入らなくても私は本当に気にしない、とか、夫個人に向き合う温かさは持ち合わせてるのにそれを表に出さないの、他人は他人って感じがして自分に正直に生きててすごく好き 妻と夫、どちらの内心をより想像できるかがはっきり分かれそうでおもしろい 悪い意味じゃなくて、どうやっても分かり合えないと思う しょうがない すっごく好きな本になった

Posted byブクログ

2024/07/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

夏は書店で文庫本を選ぶのが楽しい季節ですね!今年の集英社文庫のナツイチおまけは「よまにゃクリップブックマーカー」です。4色そろえたいな。 さて、「水たまりで息をする」高瀬隼子さん。サスペンスではありませんが、ドキドキしながら一気読みしました。 物語は、三十代半ばで、結婚して10年、子供なし、東京で夫婦二人のマンション暮らし、という夫婦を描く。何か特別に良いことがあるわけでもないが、この先も穏やかな、普通の生活が続くと思っていた。 ところが、夫が突然、風呂に入らなくなった。主人公の衣津実は、「なんでお風呂入らないの?」「くさいよ」「お風呂に入りなよ」、などとは一切言わない。読んでいてヤキモキはするのだが、なんというか、徹底して夫に寄り添っている感じがする。文庫の後ろの「解説」で、これは愛とも違うというようなことが書かれていたけど、私はこれこそが本当の愛だと思いながら読んだ。息子の様子がおかしいと騒いで、病院に連れて行こうという義母とも違う、彼の様子をじっと見て、彼がどうしたいのかおもんばかって行動する。しかも、「夫のことを愛しているから、夫のために何が一番良いのか考えて行動しよう」というような自覚もなしに。 何の自覚もなく、「こうした方が良いと思ったから・・・した」という積み重ね。 そもそも彼女は、いつもそうして生きてきた。結婚した方がいいと思ったからした。子どもをもったほうがいいと思ったから不妊治療もしてみた(ただし積極的に子供がほしかったわけではない)。もうやめた方がいいと思ったから子どもはあきらめた(あきらめてすごく無念というわけでもない)。 心が深く傷つき、折れそうになることもある。そのたびに、何とかしてきた。なんとかなってきた。でもそれは、傷ついていないわけではない。傷ついたことをアピールして、周囲に助けを求める人もいるが、そうでない人もいるのだ。 その部分の記述はすごく共感したので、「フレーズ」のところにメモりました。 散り散りになった心を寄り合わせて、元通りに見えるように整えることができてしまう。そうしようと決意しているわけではなくて、子どものころからそうしてしまう、母に似たのだ。 私もそういう子どもだったので、「あなたは大丈夫でしょう」と言われ、自分で自分の機嫌が取れない他の子どもの方が、大人にかまってもらえるから、ずるいな、と気づいたことがある。その瞬間のことは今でもよく覚えている。12歳だった。 彼女にとって、夫はそのまま生きていくために一緒にいることが必要な伴侶なのだと思う。 お風呂に入れなくなった夫と寄り添い、きれいな水が流れる川のそばに移住する二人。いいやんいいやん、新しい、美しい暮らしが始められるんじゃないん?と思ったけど、ことはやはり、そう簡単じゃなかった。東京の暮らしも、地方の暮らしも、そう簡単じゃないのだ。 そのことは、同じ著者の他の作品「犬のかたちをしているもの」の感想にも書いた気がする。 高瀬隼子さんの他の作品も読みたいと思いました!

Posted byブクログ

2024/07/12

持ち堪えてしまう 弱くないから寄り添えない 普通の人間に擬態できる側の意見 人間同じ形をした人は1人もいないって全員分かってるのに全員同じ形を目指してしまうもの 多様性というワードが普及して、よりそれぞれがあぶれないよう普通を意識してる気がする

Posted byブクログ

2024/07/07

読み終えた夜はいつもより念入りに身体を洗った 人が壊れていく様は本当に気持ち悪い ポンコツ同士が夫婦になると片方が壊れると一気に崩れていくんだな 夫より妻の方に問題があったんじゃないかなと読みながらずっと思ってた 最後に夫はどうなったんだろう…もやもや

Posted byブクログ

2024/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「なんも大事にされとらんのにね」 うまく捨てられたような、捨てるのさえ大事にできなかったような、両方の気持ちがした。 夫は風呂に入らない人だった。風呂くらい入らなくてもいいよと、彼女はほんとうに思うことができたのに、本当にそう思っているのだと、夫に伝えることはできなかった。

Posted byブクログ