赤と青のガウン の商品レビュー
文庫にはならないかなーと諦めていた本が文庫化したというので早速購入、読了。 内容のレビューは単行本読了時に書いたものへリンクしておきます。 https://booklog.jp/users/alpine310/archives/1/4569823505 今回の文庫本化の経緯とい...
文庫にはならないかなーと諦めていた本が文庫化したというので早速購入、読了。 内容のレビューは単行本読了時に書いたものへリンクしておきます。 https://booklog.jp/users/alpine310/archives/1/4569823505 今回の文庫本化の経緯というのが、SNSでの一読者の呟きというのが興味深い。内容を読めば良書というのが一目瞭然なのにそれまで特に話題になっていないというのも含めて、こんなに情報過多な世の中でもまだ本で宝探しができるのかもと思うとちょっとワクワクしてくる。 文庫になって残念だったのは、巻頭の写真が小さくモノクロになってしまったこと。今回ベストセラーに躍り出たことでだいぶ儲かったのではないかと思うので、もし改訂されるのであればぜひ巻頭はカラーでお願いします、PHP文庫様。
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殿下が雑誌で書かれていたコラムがとても素敵で、この本も絶対楽しいだろうと購入。 チャーミングでユーモアがあって、先生方やご学友皆に助けてもらえるお人柄。何よりも読み手に伝わりやすい文章。海外の名門大学で博士号を取得した明晰さを充分に感じられる一冊。
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読書記録56. #赤と青のガウン #彬子女王 皇族の方々の生活は想像する事も難しいが、自由で明るく軽やかな語り口に彬子女王の聡明さを感じた 外国で研究される日本美術と母語ではない言語で学ぶ博士課程の勉強に並大抵ではない努力、体調を崩されても諦めず最後まで学びを突き通された事に...
読書記録56. #赤と青のガウン #彬子女王 皇族の方々の生活は想像する事も難しいが、自由で明るく軽やかな語り口に彬子女王の聡明さを感じた 外国で研究される日本美術と母語ではない言語で学ぶ博士課程の勉強に並大抵ではない努力、体調を崩されても諦めず最後まで学びを突き通された事に意志の強さも取れる 読んでいて清々しく、周りでサポートしてくれるご友人達との交流にお人柄が伺える プリンセスがジーンズにセーター姿で格安航空で移動 側衛の方のスキルや(シオダさんナイスキャラ) 滞在国によっての違いなど 普段知り得ない事に興味を持って読み進めた 皇族の方のウィットに富んだインタビューにクスッと笑った事があるが、本書にも散りばめられたユーモアあふれる語り口に頁を捲る手が止まらず、あっという間に読み終えた が、最後の特別寄稿 父・寛仁親王の思い出 「おとうまのおさいふ」に涙 どんなお立場であれ父と娘、親子の愛情はみな同じ 折りしも天皇皇后両陛下の英国ご訪問のニュースに合わせ、とても興味深く楽しい読書となった
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研究者ではないが、勉強を続けることが仕事の一つである私は、元気と勇気をいただいた。 『論文執筆は、孤独である。』というお言葉が心に残る。私の仕事もある意味孤独である。しかし、支えてくれる多くの人々がいるという視点をもてた。この本と出会えたからこそだと感じる。
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24/06/28の7刷目 エリザベス女王とのお茶会話がおもしろいと事前に見聞きしていたが、たしかにおもしろかった。 大きな部屋に取り残された、女王陛下と彬子女王と走り回るコーギー。さあ、どうしたものか! オックスフォード大学での生活、EU圏内では側衛がつかないという話もおもし...
24/06/28の7刷目 エリザベス女王とのお茶会話がおもしろいと事前に見聞きしていたが、たしかにおもしろかった。 大きな部屋に取り残された、女王陛下と彬子女王と走り回るコーギー。さあ、どうしたものか! オックスフォード大学での生活、EU圏内では側衛がつかないという話もおもしろい。プリンセス、お部屋には鍵かけてくださいませ!!! ちょうど天皇皇后が公式に英国訪問されている時期だったのもあって(そして英国王がにこやかに迎えているのを見ていたのもあって)日英交流にも想いを馳せた。大英博物館、行ってみたいな〜 側衛がいないからこそ、自分のためだけに自分の時間を使えた留学期間が贅沢な時間だったという彬子さま。手厳しい教官からの課題に一度も締切を破らなかったという彬子さま。真面目でおやさしい人柄が随所に垣間見えるし、そんな人柄もあってかまわりにたくさんのひとの姿が浮かび上がる。おとうさまとのお話は涙なしには読めなかった(特に最後のお写真が)。 ひとりの人間としての生き生きとした姿を知れてよかった。文庫化してくれてありがとう。バズらせた方、ありがとう!
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学生時代、生まれて初めて側衛なしでオックスフォードを歩いた彬子女王。 学生時代、生まれて初めて一人で外国を歩いたのがオックスフォードな私。 英国の大学で学位を取得した彬子女王。 英国の大学で学位を取得しようとしている私。 皇室の方と比較するのは傲慢なことだとわかっているものの、...
学生時代、生まれて初めて側衛なしでオックスフォードを歩いた彬子女王。 学生時代、生まれて初めて一人で外国を歩いたのがオックスフォードな私。 英国の大学で学位を取得した彬子女王。 英国の大学で学位を取得しようとしている私。 皇室の方と比較するのは傲慢なことだとわかっているものの、共通点が多く今後のモチベーションになりそうと思い、話題作を手にとった。だけど、(完全に個人的な理由で)感情がぐちゃぐちゃになってしまった。 言うまでもなく天皇陛下はじめ、皇室の方々に対する尊敬の念はある。たぶん同性代のなかでも、その気持ちは強い方だと自負する。天皇という存在の重大さも自分なりに解釈しているつもりだし、宮内庁のインスタグラムも開設されるやすぐにフォローさせていただいた。 天皇陛下のまたいとこに当たる彬子女王と、地方の平凡な家庭に生まれた私。 全くもって比べるに値しないことはわかっている(し、比較するのも大変無礼なことはお許しいただきたい)けれど、進みたいと思う道が似ているからこそ、つい自分を重ねようとして読んでしまう。そうでなくても、読書はそういうものだと思う。 彬子様が博士号を取得されたのが今から15年ほど前であることを差し引いても、イギリスで学位をとるにはとてつもない資金が必要になる。薄給の私が数年の社会人生活を経て貯めた資金は、たった1年の修士課程で必要な金額にさえ及ばなかった。家族からの理解と支援がある私も十分すぎるほど恵まれていることはわかっているけれど、金銭的なことを気にせずに自己実現のために努力できることの、嫉妬にも似た心からの羨ましさ。 学部時代の1年の交換留学を経た後に、オックスフォードの英語力の基準となるIELTS試験の得点を達成するために、英語学校に通える財力。この試験を通過するために塾やオンライン指導を乞うことのできる資金力がある人が、どれだけいようか。 地方で生まれ育った私にとって、海外の大学で学位を取得した人間は、大学で出会った教授たちしかいなかった。きっと、オックスフォードにご留学されたご経験のある親族に囲まれて過ごされてきた彬子女王は、幼いうちから"現実に乗り越えられる目標"として、オックスフォードへのご留学が選択肢の一つに自然に入っていたのだろう。 もし自分が皇族に生まれていたら、という無意味な幻想は、日本国民なら一度は思い描いたことがあるだろう。私もその一人だ。 常に警護の者に見張られ、自由もなく、国の象徴として恥じぬよう誠実に努力されている皇族の方々には頭が上がらない。もし自分がその立場なら、とても務まるとは思えない。 頭ではわかっているのに、金銭や環境に対する嫉妬のようなアホみたいな感情(しかも実際にその立場に立つことを心から望んでいるわけでもないのに…!涙)が渦巻いて苦しくなった。 解説の学習院大学の元学長の方によれば、学部時代も彬子女王はたゆまぬ努力をされて学生代表に選ばれるほど大変優秀だったそう。 私は、どうだ。目の前のことに食らいついてその時は必死だった。その経験が、就活にも就職後にも役立つことが数えきれないほどあった。けれど、学問だけに打ち込んでいたかと聞かれれば、恥ずかしくて答えられないような有様だ。 おかれた環境でやるべきことをまっすぐ見つめ、苦しい思いもしながら努力を続けられる彬子様のお姿をみていると、そんな自分のていたらくぶりに忸怩たる思いだ。 聡明で博識なお方なので、言うまでもなくわかりやすい文章で、イギリスでのお暮らしぶりをよく理解できる。なので、女王様の生活が垣間見えるなんて…!という純粋な好奇心で皇族の方々の暮らしに憧れることのできるひとは、本当に楽しい読書経験ができると思う。 だけど、自分で捻出した資金で、海外の研究機関での正規留学を現実に検討したり、実際に挑戦したことのあるひとにとっては、単純に彬子様の並々ならぬ努力に胸を打たれるだけの感情だけでは済まないような気がする。そこには私のように、抱く必要のない、妬みのような理解しがたい感情や、過去の自分への羞恥や後悔が入り混じるかもしれない。 読書体験は読者によって変化するもの。 純粋に彬子様を尊敬する気持ちで満たされるかもしれないので、学位取得後にまた読み返したい。
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急に思い立ち行動に移す事に何の疑問も持たず当たり前とされる自分にとって、彬子女王自らの行動で常に側衛が付く事により「迷惑をかける事になるかも」と躊躇すると言う。自分の時間を自分のためだけに使う事が当たり前じゃないことに驚愕するし、空気のような存在の「側衛」に興味を惹かれる。 ...
急に思い立ち行動に移す事に何の疑問も持たず当たり前とされる自分にとって、彬子女王自らの行動で常に側衛が付く事により「迷惑をかける事になるかも」と躊躇すると言う。自分の時間を自分のためだけに使う事が当たり前じゃないことに驚愕するし、空気のような存在の「側衛」に興味を惹かれる。 オックスフォードでの留学記だが、5年間を振り返り辛いことも楽しいことも、日常を垣間見れ、飽きることなく読ませてくれたエッセイ力にも脱帽。物事に集中し、夢中になり熱心な人には、同様な人達が集まり援護してくれるのだろうと思う。何より著者の行動力と忍耐力、チャレンジ精神が皆を惹きつけるのだろう。 当たり前のようで当たり前じゃない日常を送る著者の他の本も読んでみたくなった。
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ネットで話題になっているのを見つけ、購入。 皇族の暮らしぶりを垣間見れるのが面白いのはもちろんのこと、博士持ちゆえの?共感もあり、2日も経たずに読み終えた。 父上が亡くなられた頃に寄せた文章は、自分の状況とも重なるところがあり涙なしには読めなかった。 文章全体を通して、人間として...
ネットで話題になっているのを見つけ、購入。 皇族の暮らしぶりを垣間見れるのが面白いのはもちろんのこと、博士持ちゆえの?共感もあり、2日も経たずに読み終えた。 父上が亡くなられた頃に寄せた文章は、自分の状況とも重なるところがあり涙なしには読めなかった。 文章全体を通して、人間としての品格が表れているように感じた。こういった品格が人としての美しさでもあるように思う。
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この作品の存在を知るまで、恥ずかしながら、“彬子女王”のことは知ろうともしませんでした。縁のない世界だからと遠ざけていたのかもしれません。読み終えた今でも、縁のない世界だという思いはあるけれど、皇族の方々も色んなことに悩み、そして苦労もしてるんだ…と、当たり前のことなんだけれど...
この作品の存在を知るまで、恥ずかしながら、“彬子女王”のことは知ろうともしませんでした。縁のない世界だからと遠ざけていたのかもしれません。読み終えた今でも、縁のない世界だという思いはあるけれど、皇族の方々も色んなことに悩み、そして苦労もしてるんだ…と、当たり前のことなんだけれど感じました。“彬子女王”が、留学中に垣間見せてくれる言動には親しみを覚えました。 この作品は、大正天皇の曾孫で故寛仁親王の第一女子“彬子女王”が、英国オックスフォード大学に留学し博士号を取得された経緯と経過をまとめた留学記です。留学先での戸惑い、素敵な出会い、日々の生活、そして学ぶこと…英国では、日本の皇族だからという特別視は一切されません。そんな中、ご苦労して体調をも崩しながら貪欲に学ばれたこと…素晴らしいし、読んでいて誇らしい気持ちにもなりました。 故寛仁親王は“彬子女王”に留学の条件として、留学記を書くことを求められました。たくさんの人に、支えられて生きてきたことに気づけたことが一番の成果であったと…。それに、故寛仁親王は父として、皇族として気づいてほしかったんでしょうね、その愛情に心が熱くなりました。 とはいえ、読むのに時間を要したのは沢山の出会いがありすぎて、あれれ??となってしまって…途中読了できるかどうか不安になりました。でも最後まで読めてよかったし、もしこの作品を手にして、私のようにあれれ??となっても、ぜひ最後まで読んでみてください(多分、そんなふうに思うのは私だけかもしれないけれど(汗))。
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学内の教授はもとより、学外の指導者・学友、家族ぐるみの友人と、とにかく人に恵まれているのがすごい。そして皆さん、フレンドリーで紳士的。 女王という肩書きだけでなく、その立場自覚からきたであろう自信や責任感のあるお人柄がそういった人たちを惹きつけるのかな。 外国という環境であること...
学内の教授はもとより、学外の指導者・学友、家族ぐるみの友人と、とにかく人に恵まれているのがすごい。そして皆さん、フレンドリーで紳士的。 女王という肩書きだけでなく、その立場自覚からきたであろう自信や責任感のあるお人柄がそういった人たちを惹きつけるのかな。 外国という環境であることを忘れるくらいアクティブに人間関係を構築し、学問に励まれているご様子に、新しい環境で新しいことに挑戦する素晴らしさを教えてもらえた。 ・あえて留学先のイギリスで日本美術の歴史を学ばれたこと。なんとなく責任感を感じる。 ・頭が良すぎて怖いジェシカ・ローソン教授。無茶振りとも言える課題に一度も遅れることなく提出し続けたことが何よりすごい。 ・でも、ただ単にジェシカを畏れていただけではなく、最後はご自身の意見をしっかり主張されたことに一学者としての誇りを感じた。 ・国立博物館のティムが、英国紳士でステキ。シャイで、バレンタインのチョコを喜ぶ姿にキュン。 ・もう1人のティム先生のナイスアシスト。 ・2度の留学、そして博士号取得はご自身で決意し、お父様を説得されたこと。 ・寮や図書館や博物館…歴史ある建物が日常の中にあること。「留学期間中のロンドンでいちばん長い時間を過ごしたのは、おそらくこの大英博物館のデスクだったと思う。」言ってみたい日本語。 ・世界中の未知の美術品が眠っている大英博物館。 ・英国の家族みーちゃん夫妻とゴッドドーターのななちゃん。キッチン付き勉強部屋という在英日本人同士のウィンウィンな関係性。 ・海外にいることで、日本では得難い「立場を必要以上に意識しなくて済むフラットな関係性」を築けたこと。 ・ハリーポッターの舞台にもなった大学の食堂。そこで一学期に一度だけ参加できる「ハイテーブル・ディナー」という社交の場。それを「楽しみ」と捉えられるのが一般人との違いな気がする… ・ご学友の故郷スイスでのバカンス。そこでたまたま見つけたお祖母様の写真。 ・紳士の国なのに、めちゃめちゃテキトーな公共交通機関。怖すぎて私は暮らせない… ・順風満帆な留学生活だったわけではなく、途中体調を崩されて苦労されたこと。それを簡単に日本にいる関係者に弱音を吐かなかったこと。 ・若冲蒐集家のジョープライス氏の教えてくれた、日本画の鑑賞方法。 ・ご学友のジェイミーのスコーン ・ご友人マキさん家で味わったはじめての「お雑煮」と正月気分。海外にいるからこそできる庶民的な生活。
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