赤と青のガウン の商品レビュー
皇室の方々をどこか近寄りがたい世界の方々のように捉えていたけれど、この留学記は一人の人間としての楽しかったこと、大変だったことが率直に綴られていて皇室の方々に抱くイメージが180度変わる一冊だった。 博論の際に、アドバイザーから「Think small」「Always thin...
皇室の方々をどこか近寄りがたい世界の方々のように捉えていたけれど、この留学記は一人の人間としての楽しかったこと、大変だったことが率直に綴られていて皇室の方々に抱くイメージが180度変わる一冊だった。 博論の際に、アドバイザーから「Think small」「Always think about a question」という言葉をもらった、という一節がとても心に残っている。小さい事柄から大きく話を広げていく、何が言いたいのかという問いに一言で答えられるようにする、この考えは論文執筆だけではなくあらゆる物事に通じる話だと思う。 なぜ日本美術史のご専攻なのにオックスフォード大へ留学?と思っていたのだけれど、「大英博物館に所蔵されている日本美術の作品から日本美術史をひもとく」ことが目的であると言及されておられて、確かにその目線もとても大事だなと思わせられた。私は文学専攻だったので、美術史の分野は比較的近い分野ではあるけれど、多角的な目線(=日本史、日本文学だから日本国内での研究になると限定してしまわない)で物事を見なければならないなと思わせられた。イギリスの地から日本を眺めて初めてわかることもあると考える。オックスフォードでましてや博士号を取得するような凄い人だからこそ、こんなにも面白くて読み応えのある、でも深い、そんなエッセイが書けるんだろうなと思う。 アガサクリスティーをよく読んでいるので、私は伝統的なイギリス文化に憧れを抱いている節がある。この本でもイギリスの食事やカレッジの食堂の話、オックスフォード大の図書館や先生、留学仲間との話だけなく、イギリスの公共交通機関の話なんかも出てきて、それがとっても面白かった。皇族の方々が電車に寝過ごして取り残されるなんて日本だったら大変なことになりそう… でもいつかイギリスという土地を自分自身で味わってみたいなと思わせられた。
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皇族という特殊なフィルターを抜きにして、留学体験記として面白かった。 大変そうな研究の様子が垣間見えるけど、プレッシャーは相当だったんでは無いだろうかと思いながら読んでしまった。書いてなかった気はするけど。
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とてもとても面白かった! 英国もオックスフォードも留学も研究も、ましてや皇族なんて縁のない世界で、筆者との共通点は同い年しかない。 けれど、既知である日々の自分の怠慢さを思い知ってその痛みに耐えつつ、終始著者の聡明さとチャーミングさと誠実な人柄と縁のない世界の日記に引き込まれていった。 本の構成も文章の表現もとても上手で引き込まれた要因の一つなのだろうと素人ながら思う。 皇族の生活は知らないことばかりだけど、側衛の方のエピソードや、2週間以上の海外渡航に側衛がつかないなど、常に屈強な人がくっついてるイメージがあった庶民としては意外なことも多かった。 意外なことといえば、食べ物に関するエピソード。一般人の日記なら普通なのかもしれないけれど、食堂に飽きて自炊するとか、忙しいときはワンプレート、ご飯に野菜炒めに納豆、家からはインスタントのお味噌汁が届くなど、"女王"のイメージとは逆の親近感がわくエピソードが連なり、引き込まれていった。 相当の努力をされて自分の力で今の立場を築いてきたからこそ、日本の現状に関する嘆きもはっきり書かれていて、ただただ面白いエッセイではなかった。 昔々枕草子を読んだ人も、見知らぬ世界のエッセイに初めて知る文化や親近感にワクワクしながら読んだんだろうかと思いを馳せていた。
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オックスフォードでの日々が本を通して想像できて、また本文に関係を深められた多くの方々の名前が出てきて、留学中たくさんの方に支えられたことが窺えた。最後のお父さまとのエピソードにもほっこり、心があったまった。
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めっちゃ努力されたのが伝わったし、皇族の人やけどある意味普通に留学して賢かった人、みたいな身近に感じられて面白かった!イギリスいきてぇ
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ページを繰る手がとまらなくなる留学記でした。 オックスフォード大学がどんなところか、大英博物館がどんなところか、博士号を目指し学び続けることがどういうことなのか、まるで友人からの話を聞くような身近さで語りかけてくる文章にあっという間に引き込まれました。 言葉が、とても心地よく...
ページを繰る手がとまらなくなる留学記でした。 オックスフォード大学がどんなところか、大英博物館がどんなところか、博士号を目指し学び続けることがどういうことなのか、まるで友人からの話を聞くような身近さで語りかけてくる文章にあっという間に引き込まれました。 言葉が、とても心地よく響きました。 こんなふうに話せる人になりたいと、憧れの気持ちを抱きました。 叶うならば大英博物館に行って、その空気を肌で感じてみたいと思いました。 時間をおいて本書をまた読み返したいと思います。
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某SNSでバズっていたのがきっかけで読んだ本。読んで納得。バズって正解だわ〜 文章はとても丁寧で読みやすく、普段あまりエッセイ本は読まない私ですがとても楽しかった。最後の章は涙目になってしまったし。想像できない家庭と思っていたけど、一般家庭と変わらないのねと。学びもある1冊でした...
某SNSでバズっていたのがきっかけで読んだ本。読んで納得。バズって正解だわ〜 文章はとても丁寧で読みやすく、普段あまりエッセイ本は読まない私ですがとても楽しかった。最後の章は涙目になってしまったし。想像できない家庭と思っていたけど、一般家庭と変わらないのねと。学びもある1冊でした。
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側衛なしに国内を歩けない彬子さんの、新鮮で素直な想いなどが描かれており、非常に面白い留学記に仕上がっていると思いました。おこがましいですが、努力と実力で博士号を取られたことにも敬意を表したい。四字熟語で章をまとめられている点も興味深いです。何よりも寛仁親王への思い出を書かれた章は、とても感銘を受けました。
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現天皇陛下と又従兄関係である三笠宮家・彬子女王。本書は副題の通り、オックスフォード大学に5年間留学され、女性皇族として初めて海外で博士号を取得された留学記です。 皇族の方の留学なので、至れり尽くせりの楽しい留学生活というお硬いイメージとは程遠い、山あり谷ありの生活がありのま...
現天皇陛下と又従兄関係である三笠宮家・彬子女王。本書は副題の通り、オックスフォード大学に5年間留学され、女性皇族として初めて海外で博士号を取得された留学記です。 皇族の方の留学なので、至れり尽くせりの楽しい留学生活というお硬いイメージとは程遠い、山あり谷ありの生活がありのまま記され、彬子さまの誠実さが伝わってきます。生き生きと臨場感あふれる筆致が素晴らしく、興味深く読むことができました。 我々庶民には知られざる皇族方のあれこれの外、異文化交流・体験の紹介など、驚きと泣き笑いの赤裸々な内容に引き込まれました。 本書の内容にほっこりさせられる一方で、彼女が抱えていた苦悩や葛藤、そして努力と成長は、紛れもなく等身大の一人の人として鮮やかに描かれいました。多くの支持はこの辺にあるのでしょう。 9年前の単行本がTwitterで話題になり、本年文庫化。こういうこともあるんですね。一人の人のレビューの影響力の大きさを感じます。 本書が、皇族への親近感、留学・異文化交流への関心、夢や目標への挑戦喚起等の面で、多大な貢献となり得ていますし、何よりも勇気を与えてくれる一冊だと思いました。
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菊とおじさん図で笑い転げました おばあちゃま、とかお隠れになる、がさらりと出てきているところに育ちの違いを感じます 母親の話が出てこないところに若干の闇を感じます
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