ビブリア古書堂の事件手帖(新シリーズ)(Ⅳ) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昭和〜令和に渡り三代の篠川家の女性達が関わる「鎌倉文庫」の夏目漱石初版本。 一番の私的見所は、祖母の知恵子の結婚した経緯ですね。姿をくらまして良いなら結婚するって言われても結婚した登がどれだけ知恵子を愛してたかが判って切ないです。 知恵子が去った後に栞子と大輔もニアミスしてたんですね。 扉子も圭と仲直りできてホッとしました。
Posted by
扉子に話が展開されてきてから、少々マンネリ気味だったが、今回のシリーズで3代にわたる意味が見えてきた。 また、今回は夏目漱石という誰でもが知る、受け入れやすい文豪が軸となる。とはいえ、知らない話を次々と知ることになり楽しい。 古書、初版本と月並みだが、当時も出版の経営を巡って、...
扉子に話が展開されてきてから、少々マンネリ気味だったが、今回のシリーズで3代にわたる意味が見えてきた。 また、今回は夏目漱石という誰でもが知る、受け入れやすい文豪が軸となる。とはいえ、知らない話を次々と知ることになり楽しい。 古書、初版本と月並みだが、当時も出版の経営を巡って、いろいろ試行錯誤していたことが伺える。 夏目漱石全集、改めて読んでみよう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私の読書歴の中で最も愛した物語。 ビブリア古書堂の事件手帖。 そう言えば…その物語のプロローグも 夏目漱石でしたね。 ようやく読むことができました。 栞子の母にして扉子の祖母、智恵子の物語。 そうして篠川家のすべての人々にようやく会えた…そんな安堵を感じます。 今作は月並みな言い方ですが読み応えがありました。不思議なくらいこれまでのビブリアの一冊一冊が心の中に蘇り、読み返すことなく自分の中でひとつに溶け合うのを感じました。 そうして懐かしい記憶との邂逅もまた、私を満たしてくれました。 1972年 少年チャンピオンに連載されていたさいとうたかをの「日本沈没」。連載が始まった「ブラックジャック」。 毎週欠かさず夢中で読んだ漫画作品に懐かしさで胸が満たされました。漫画を読んで映画「日本沈没」をどうしても観たくて足を運んだ地元の映画館は…とっくの昔に廃業されたことすら美しい記憶。 失われた昭和の時代。それは私の少年時代そのものでした。 心からこの本を楽しんで、三上さんのあとがきを目にした時、ふと気になることが。 「想定していた形とは少し違いましたが、やっと栞子の過去の話を書くことができました」 想定していた形って? どんな形を想定されていたんですか? それも…読みたいじゃないですか。 そうしてもうひとつ。 「次の巻もよろしくお願いいたします」 よかった。まだ私はこの作品の世界に浸っていられるんですね。 最後に。シリーズの中でも今作の重みは格別でした。読書を愛する自分を抱きしめてあげたくなるほどに。 2024.5.4追記 本当に面白かったというだけでなく、まるで上質の映画を一本観終えたような充足感に浸りました。こうしてレビュー書いていても、書いていない時ですらも…なんだかまだまだ言葉が溢れてきています。
Posted by
篠川家三代の親子が各々、昭和・平成・令和の17歳の時点で 直面した、「鎌倉文庫」の貸出本の行方の捜索。 特に、夏目漱石の初版本を中心に語られる古書に纏わる物語。 三者三様の行動と当時のビブリア古書堂、 そして、関わる人々の姿が明らかになってゆく。 ・登場人物 ・篠川家家系図 ・プ...
篠川家三代の親子が各々、昭和・平成・令和の17歳の時点で 直面した、「鎌倉文庫」の貸出本の行方の捜索。 特に、夏目漱石の初版本を中心に語られる古書に纏わる物語。 三者三様の行動と当時のビブリア古書堂、 そして、関わる人々の姿が明らかになってゆく。 ・登場人物 ・篠川家家系図 ・プロローグ・・・そのガーデンパーティーに彼らが 招待された事情からの、物語の始まり。 第一話 令和編 『鶉籠』・・・古書店の子女である扉子、 戸山圭、樋口恭一郎が考察する、鎌倉文庫の本の行方。 8mmフィルムに残されていたものと人々とは? 第二話 昭和編 『道草』・・・1973年、ビブリア古書堂での 智恵子と篠川登の出会いから始まる、鎌倉文庫の捜索。 胡散臭い輩が跋扈する中、当時の持ち主に行き着く。 第三話 平成篇 『吾輩ハ猫デアル』・・・売りに出された鎌倉文庫の 本。その出所にはあの書店が?栞子の気づきが救いとなる。 ・エピローグ・・・パーティー会場は、あの屋敷。 三つの物語の終着点に相応しい部屋へ。 参考文献有り。あとがき。 扉子・智恵子・栞子が時空を超えて関わった、鎌倉文庫の本。 三人が、それぞれの17歳で“私なんか全然詳しくない”と 呟く様子は、まさに血脈だなぁと、感心してしまいました。 また、バイプレーヤーとしての篠川登の存在が描かれて、 やっと登場したなぁと、安堵しました。 本は欲望への誘いもあるが、救いもあります。 史実と創作が入り混じった中での鎌倉文庫のの存在は、 そのどちらにも影響しましたが、エピローグでの展開は、 夢の如し。作者の願いが込められているように感じました。
Posted by
若かりし頃の智恵子の様子が描かれていて、嫌なイメージが先行していた私にとっては、彼女にもこんな頃があったのかと驚きが。誰にでも若い頃があるのは当たり前のことなのに。扉子の失敗から一度は崩れた友情が修復できたのも一安心。ちらっと大輔くんも出てきて、そこは少し嬉しかったり。それにして...
若かりし頃の智恵子の様子が描かれていて、嫌なイメージが先行していた私にとっては、彼女にもこんな頃があったのかと驚きが。誰にでも若い頃があるのは当たり前のことなのに。扉子の失敗から一度は崩れた友情が修復できたのも一安心。ちらっと大輔くんも出てきて、そこは少し嬉しかったり。それにしてもこのシリーズを読むと古本の世界の奥深さというか怖さを感じてしまう。今回も然りでした。
Posted by
かつて文士たちが立ち上げた貸本屋、鎌倉文庫 その貸出本を巡る謎 シリーズ初の親子3代に渡る物語 読者の多くは過去作を読んでいるだろうが、過去に語られた物語を知っているほど感慨深い
Posted by
久しぶりの最新刊 智恵子、栞子、扉子の親子3人の鎌倉文庫という、かって存在した貸本屋の古書を通じて、本の謎解きが行われる。 智恵子の夫の登の登場と出会い。 兼井健蔵という存在が人間味があって面白いなと感じました。また歳を採ることで、人の温かみがましていくのが、なんか良かったです。...
久しぶりの最新刊 智恵子、栞子、扉子の親子3人の鎌倉文庫という、かって存在した貸本屋の古書を通じて、本の謎解きが行われる。 智恵子の夫の登の登場と出会い。 兼井健蔵という存在が人間味があって面白いなと感じました。また歳を採ることで、人の温かみがましていくのが、なんか良かったです。 また五浦大輔と登のさりげない出会いも良かったです。 智恵子の夫で栞子のお父さん、またどこかでお話を聞いてみたいものです。
Posted by
扉子シリーズになって4巻目だが以前の巻のようなダークさ、あるいはビターテイストはない。 今回は、戦時中に鎌倉に住む文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」の貸出本がテーマとなっている。そのほとんどが行方不明になっているのだが、中には文豪夏目漱石の蔵書も含まれているという。 ...
扉子シリーズになって4巻目だが以前の巻のようなダークさ、あるいはビターテイストはない。 今回は、戦時中に鎌倉に住む文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」の貸出本がテーマとなっている。そのほとんどが行方不明になっているのだが、中には文豪夏目漱石の蔵書も含まれているという。 それらの本に、扉子、栞子、そして智恵子がそれぞれ絡む。昭和、平成、令和と時代と世代を超えて「本」の行方を捜すことになるのだが… 3人の17才時の過去が描かれていて興味深く読むことができた。栞子より2才年下で中学生の大輔も登場するするのはご愛嬌か。 ラストは綺麗に収まっており、最初に述べたように後味は悪くない。というか、こういった終わり方は好きだな。
Posted by
『ビブリア古書堂の事件手帖』扉子編の最新巻。やっぱりこのシリーズが好きです。智恵子、栞子、扉子の三代を結ぶ夏目漱石本が背景に。智恵子と栞子の過去も語られています。推理テイストは当初より弱めですが、十分に楽しめる作品です。
Posted by
ビブリア古書堂の事件手帖の新シリーズ第4弾 昭和、平成、令和の三つの時代をまたぎ紐解く、鎌倉文庫の謎。 智恵子、栞子、そして扉子の本の虫たちに夏目漱石の初版本等が絡み合って面白いですね。
Posted by