川のある街 の商品レビュー
読後感がとても良かった。 恋愛が描かれていない江國香織さんの小説。 女の子の話、カラスの視点で描いた話、外国の街で暮らす老女、と、舞台となる川のある街もバラバラ。 ただ、自分のそばに川がある。 川の流れで水がそこに佇むことはなく流れていくように、人々や生き物の暮らしも、穏やか...
読後感がとても良かった。 恋愛が描かれていない江國香織さんの小説。 女の子の話、カラスの視点で描いた話、外国の街で暮らす老女、と、舞台となる川のある街もバラバラ。 ただ、自分のそばに川がある。 川の流れで水がそこに佇むことはなく流れていくように、人々や生き物の暮らしも、穏やかでも、毎日同じ日は一度もない。 そんな事をやさしく、でも不安で淋しく伝えられた気がした。
Posted by
川のある街を中心とした短編小説。特に何かが起きるという訳でもなく穏やかな内容でした。淡々とした文章が続く中、そこの部分を掘り下げるのか、と。些細な変化や物事に気付かせてくれる一冊。
Posted by
川は留まることなく常に流れている。人の生活も良くも悪くも同じように留まることなく時間は経過していく。 日々をどう生きていくかが大切だと思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集3篇 川を眺めたり、近くを散歩したりするが川は関係ない。 両親の離婚で母とその妹や叔母祖父母、そして父親ともいい関係を築く小学3年生の視点で語られる⒈カラス視点が楽しいⅡ、外国で一人暮らしの伯母の認知症を心配してやってきた姪の話のⅢ。どの作品も短い時間の中に人生がギュッと濃縮されたような作品。
Posted by
*川のある街* 小学生の望子目線で描かれているのが新鮮でした。江國香織さんの作品は大人の女性目線で語られていることが多い印象だったので。望子とおばちゃんとりっちゃんと母親との関係がなんだかよかったです。 *川のある街II* まさかのカラスの視点から始まるとは思ってもみませんでし...
*川のある街* 小学生の望子目線で描かれているのが新鮮でした。江國香織さんの作品は大人の女性目線で語られていることが多い印象だったので。望子とおばちゃんとりっちゃんと母親との関係がなんだかよかったです。 *川のある街II* まさかのカラスの視点から始まるとは思ってもみませんでした。これまた新鮮。カラスの生態とか感情とかわからないけれど、これを読んでいるとカラスって本当にこんなこと思ったりしながら生きてるのかもなぁと思いました。 地縁って、良いのか悪いのか。この人とこの人がここで繋がっているのか、と物語として読むとおもしろいけど、現実ではちょっと引くかも。私が田舎生まれ田舎育ちだからかもしれないけど。 *川のある街III* 舞台はフランスだと勝手に想像。私の祖母は認知症だったので、読みながら祖母も内心ではこんな風に思っていたのかなと想像しながら読みました。 周りの人たちも不安だし、何より忘れてたじゃなくて覚えていないという本人が一番不安なんだろうと思う。読みながら少しこわくなりました。
Posted by
川のある街を舞台にした3つの物語。 江國さんの透明感あふれる文章がやっぱり大好きで、心地よくて。 小学生の子供、カラス、老年の女性 全ての心の動きや思いがリアルで、心にぐっと響きます。 特に子供の心、ことばを表現するのが秀逸。 読みながら、私も子供の頃こんなことにドキドキワク...
川のある街を舞台にした3つの物語。 江國さんの透明感あふれる文章がやっぱり大好きで、心地よくて。 小学生の子供、カラス、老年の女性 全ての心の動きや思いがリアルで、心にぐっと響きます。 特に子供の心、ことばを表現するのが秀逸。 読みながら、私も子供の頃こんなことにドキドキワクワクしたな、こんなことで不思議に思ったりしたな、こんなふうに遊んだりこんなふうにお友達とおしゃべりしたなと思い出し共感します。 そして、認知症の進行する女性の気持ちにもせつなくなります。 「望子はおばちゃんに、『どんどん寄り道をしておいで』と言われている。 『宿題は夜にだってできるけど、外で遊ぶことは夜にはできないんだから』と。」 小学生の頃の寄り道、知らない道、そのドキドキ感、お稽古の時間忘れて遠くまで遊びに行っちゃったこと、今もその景色が目の前に浮かぶくらい。 そんなことが大切なことだったと大人になって気づきます。
Posted by
黄肉のメロンを読んで、この人の文章えげつないと思って購入。 やっぱりえげつなかった。 3年くらい登場人物の気持ちになって過ごしたとしか思えない日々の描き方で、まるで小説の教科書みたいだった。 リアルすぎて怖いくらい。3部作だが、全部違う人がノンフィクションで書いたみたいな文。
Posted by
「川のある街」母親と二人暮らしの望子、小学3年生。なんて事のない毎日の中で友達と遊んだり、離婚した父とのお出かけや、おばちゃんの家で観る相撲が好きな事だったり。そのひとつひとつの中にある望子が見ている景色がとても愛おしく感じられる。街中で聞こえてくる会話がリアリティーがあって面白...
「川のある街」母親と二人暮らしの望子、小学3年生。なんて事のない毎日の中で友達と遊んだり、離婚した父とのお出かけや、おばちゃんの家で観る相撲が好きな事だったり。そのひとつひとつの中にある望子が見ている景色がとても愛おしく感じられる。街中で聞こえてくる会話がリアリティーがあって面白いのも読みどころ。「川のある街II」カラスと人間の同じ街での模様が描かれていく。カラスの群れや生態、日々の活動がとても面白くそれだけで興味深いのだけれど、カラスから見た人間の描写や、それに気づかず過ごしている人間の暮らしの描き方が楽しい。カラスも人間も群れでいたり一人でいたり、その中で似たようなことを感じているような姿がいい。「川のある街III」ヨーロッパの運河がある街に移住して40年以上の芙美子。物忘れや記憶が曖昧なときが増え始め、それでも一人その街で暮らしている。最近の出来事はすぐ忘れてしまうけれど、よく思い出すのは希子との幸せな日々。愛した人との様々な思い出と、消えていく記憶の物語。
Posted by
川のある街、3世代それぞれの3つの物語。 読む年代で、この3つのお話は微妙にとらえ方が違うのだろうな、この歳になって感じれることをうれしく思う。 読後にじっくりとカラスを見て、なんだか納得してしまう(笑) Ⅲのような余生をと思う。なかなかに人生はうまく運ばないとしても、自由で...
川のある街、3世代それぞれの3つの物語。 読む年代で、この3つのお話は微妙にとらえ方が違うのだろうな、この歳になって感じれることをうれしく思う。 読後にじっくりとカラスを見て、なんだか納得してしまう(笑) Ⅲのような余生をと思う。なかなかに人生はうまく運ばないとしても、自由でいたい。
Posted by
一番好きな作家はと聞かれれば江國香織さんと答えるほど大好きなのだけどこれはちょっとハマらなかった。俗にいう江國ワールドではあるんだけど常に置いてけぼりくらってたな。
Posted by