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冬に子供が生まれる の商品レビュー

3.2

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    4

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2024/09/17

感想をざっと見た限り、多くの人の評価の通り面白くなかった。 直木賞を受賞した「月の満ち欠け」が本当に面白く期待した分、残念。 まず、語り口が定まらない。今は誰が話しているのかわからないから視点がぐちゃぐちゃになる。これは直木賞受賞作家による高度な文体なんだよ、と説かれても読者は知...

感想をざっと見た限り、多くの人の評価の通り面白くなかった。 直木賞を受賞した「月の満ち欠け」が本当に面白く期待した分、残念。 まず、語り口が定まらない。今は誰が話しているのかわからないから視点がぐちゃぐちゃになる。これは直木賞受賞作家による高度な文体なんだよ、と説かれても読者は知ったことないし、なにより歩み寄りが感じられない。 そして、物語の根幹部分が最後まで明らかにならない。そりゃ読後に、誰かの考察記事でも解説動画でも見りゃ見落としてた部分がわかりすっきりするかもしれないが、小説単体で物語を明らかにしていくのが本来の取り組みだろうと思う。 「月の満ち欠け」は、世界の不思議さや人間の可笑しさや運命や愛といった抽象的事象が文字によってこんなにも鮮やかに伝わるのかと感動したのに、これは結局、誰かの妄想話に過ぎないというか精神世界を描きすぎてるというか、色々はっきりしないで終わる。 「月の満ち欠け」に作家の世界観の渾身の一撃を詰め込んでしまった故、残り火でこれが出来上がってしまったのではないかとすら思った。 また違う作品も読んでみようと思う。僕は駄作だと思ってるこの作品だが、彼の世界観を深く知ってもう一度読んでみたら、見えてくるものがあるかもしれない。

Posted byブクログ

2024/09/10

「冬に子供が生まれる」(佐藤正午)を読んだ。 
奇跡のような一冊。 
途中までは《これはちょっとしんどいな。肺腑を抉られる感じの物語なんだよ。マルセイの、マルユウの、真秀(まほ)の、胸の内を思うと、もう心が折れそうなくらいに辛い》という感じ。 
でも読み終わってたどり着いたそこに...

「冬に子供が生まれる」(佐藤正午)を読んだ。 
奇跡のような一冊。 
途中までは《これはちょっとしんどいな。肺腑を抉られる感じの物語なんだよ。マルセイの、マルユウの、真秀(まほ)の、胸の内を思うと、もう心が折れそうなくらいに辛い》という感じ。 
でも読み終わってたどり着いたそこには・・・。
 なんかとんでもないものを読んでしまったよ。 
傑作だと思うのは私だけではないと思う。

Posted byブクログ

2024/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

7月、『月の満ち欠け』で受けたのを味を占め、またもや同じような名前(綽名)の登場人物を使って最初から最後までピントのぼけた写真のような物語。もう途中から何を訴えたいのかわからない時間の無駄な文字列を延々と読み続けて完読した7月中に間に合わなかった本。

Posted byブクログ

2024/08/26

最後まで読んで、著者が言いたかったことは何となーくうっすら分かったんだけど、(本当に??) 設定をSFっぽい非現実的なものにしてしまったせいか、 文章も、シーンごとに誰視点なのか変わる場面も難解で、(内容は決して難しくない。) それぞれの言葉や場面の描写は頭に浮かぶが それ...

最後まで読んで、著者が言いたかったことは何となーくうっすら分かったんだけど、(本当に??) 設定をSFっぽい非現実的なものにしてしまったせいか、 文章も、シーンごとに誰視点なのか変わる場面も難解で、(内容は決して難しくない。) それぞれの言葉や場面の描写は頭に浮かぶが それまでの話の流れに結びつけることが難しく 自分としては 抽象画を見て、この作品の《テーマ》と《元になった被写体》を絵の解説を見ずに理解する に近い読後感だったかな。 好きな人は好きなんだろうなぁ。

Posted byブクログ

2024/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実際何が起こったのかは伏せられて、読者の想像の範囲になる。最後の最後に謎を秘めながら小説は終わる。 うーん。

Posted byブクログ

2024/07/19

UFOを見たとされる3人の子供たちに起こるあるいは引き起こす超常現象など交えた作品。不思議な内容なので好みはそれぞれあると思う。個人的には配偶者を亡くした湊先生や杉森真秀の母親が、残された時間を一人で生きていく気持ちを切々と語る内容に共感した。大事な人が居る時間は幸せだけど、失っ...

UFOを見たとされる3人の子供たちに起こるあるいは引き起こす超常現象など交えた作品。不思議な内容なので好みはそれぞれあると思う。個人的には配偶者を亡くした湊先生や杉森真秀の母親が、残された時間を一人で生きていく気持ちを切々と語る内容に共感した。大事な人が居る時間は幸せだけど、失ったときの虚無感と無為に感じる時間はしんどいなあと思った。

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2024/07/15

「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」丸田くんは身に覚えのないメッセージを受け取り、しばし考えた後、かつての幼馴染に連絡を取った。 そこから始まる一連の出来事と、はるか昔に彼らの身に起きた出来事を起点に続いてきたことごとが、事実の不可思議さと記憶の不確かさとを撚り合わせるようねも...

「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」丸田くんは身に覚えのないメッセージを受け取り、しばし考えた後、かつての幼馴染に連絡を取った。 そこから始まる一連の出来事と、はるか昔に彼らの身に起きた出来事を起点に続いてきたことごとが、事実の不可思議さと記憶の不確かさとを撚り合わせるようねもどかしさで眼前に繰り広げられ、捕まえようとするほどにするりとすり抜けて遠のくようなもやもや感に終始包まれる。最後まで読んで、一応の理解が得られた心地にはなっても、何かはぐらかされているような心細さにつきまとわれているような気がするのがかえって現実というものなのかもしれない。

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2024/07/14

今は亡きリバーフェニックス君主演の「Stand by Me」と、大林監督による尾道3部作の一つ「転校生」を思い出させる内容でした(後者は、最近で言えば新開監督の「君の名は」でもいいですね、入れ替わり系!)。あと、もう一つ上げるとしたら「未知との遭遇」ですね! 結局、疑問に対する...

今は亡きリバーフェニックス君主演の「Stand by Me」と、大林監督による尾道3部作の一つ「転校生」を思い出させる内容でした(後者は、最近で言えば新開監督の「君の名は」でもいいですね、入れ替わり系!)。あと、もう一つ上げるとしたら「未知との遭遇」ですね! 結局、疑問に対する答えは語られないし、現実的でない出来事もなんら種明かしされないのですが、それはそれでよくて、なるほどこういう話か、という風に納得できる作品でした。 小学生や中学生の頃って、なんで”裏山”とかに登りたくなるのでしょうね。かくいう私も、小学校の裏にあった”潮山”に登った覚えがあるのですが、それが本当だったのかどうか記憶がぼろげになってしまっています。

Posted byブクログ

2024/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人生で遭遇する謎のすべてが解明や伏線回収はされるわけではないし、なんなら解決した事柄なんてほぼ無くて、なにか不可解なことや理不尽なことが起きてもそれを抱えながらその後もそれぞれの人生を生きていくしかない、でも生きる為だけには生きることはできない人間という生き物の哀れさと愛おしさに対する賛歌に感じた。

Posted byブクログ

2024/07/02

とても読みにくかった。話し言葉もまどろっこしくて、とにかく頭に入ってこなかった。 主人公が誰なのかもよくわからないし、マルセイ、マルユウというあだ名が似ているのが話のポイントなんだろうけど、読み手にとっても混乱する点だった。誰が何なのかよくわからないまま読み進めるのが苦痛で、途...

とても読みにくかった。話し言葉もまどろっこしくて、とにかく頭に入ってこなかった。 主人公が誰なのかもよくわからないし、マルセイ、マルユウというあだ名が似ているのが話のポイントなんだろうけど、読み手にとっても混乱する点だった。誰が何なのかよくわからないまま読み進めるのが苦痛で、途中とばしてしまった。 普段は、ん?と思った部分は戻って読み返すけど、読み返すことすらできなかった。久しぶりに出会った苦手な作品。

Posted byブクログ