一線の湖 の商品レビュー
『線は、僕を描く』の続編。 水墨画師としての日々、過程を見せてくれた。技術や心内の捉え方を師匠や仲間から教わった主人公。描くということが性に合っているだなと感じた。学びがたくさんあった一冊でした。
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前作の方がすっと入ってきたかな。前作が大好きだったので、期待が高かった分、あえて珍しく辛口コメント。 本作は、前半またグズグズのそこからか?と思ってしまって、また前作のやり直し?と辟易してしまった。 上手くなってきたが上の、次の壁にぶつかってそれを乗り越える過程がクド過ぎる感が...
前作の方がすっと入ってきたかな。前作が大好きだったので、期待が高かった分、あえて珍しく辛口コメント。 本作は、前半またグズグズのそこからか?と思ってしまって、また前作のやり直し?と辟易してしまった。 上手くなってきたが上の、次の壁にぶつかってそれを乗り越える過程がクド過ぎる感があったが、最後の揮毫会の展開は、絵を想像しながらそれぞれの登場人物の心の揺れ動きを感じながら読み進められた。 心に残るいい文章がちりばめられていたが、多弁になりすぎてごちゃごちゃしている感もぬぐえない。もう少しこの水墨画と一緒で、余白を意識すると本当に伝えたいことがすっと入ってくるのではないか。 キャラクターは立っているのでもったいない。
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主人公・霜介が前作で踏み出した大きな一歩は、今作ではまた波乱の渦へと溶け込んでいきます。 人の言葉や行動の不完全さが生み出す美しさが、物語では終始描かれていたように感じます。 母親やその後輩教師、子供たち、そして相変わらずの湖山先生や湖山会の皆たちとの関わりが溶け合う中で、 ...
主人公・霜介が前作で踏み出した大きな一歩は、今作ではまた波乱の渦へと溶け込んでいきます。 人の言葉や行動の不完全さが生み出す美しさが、物語では終始描かれていたように感じます。 母親やその後輩教師、子供たち、そして相変わらずの湖山先生や湖山会の皆たちとの関わりが溶け合う中で、 心にも身体にも不安を抱えながら、それでも前に進んでいく姿は弱いけど、強く尊い。 毎度のことながら、水墨画の実演シーンの描写はとても熱いです。2章のクライマックスでは涙が止まらず、温かい気持ちでひとまずの読了気分を味わいました(←まだまだ先はありますが笑) 個人的な見どころはやっぱり前作からつづく千瑛とのつながりですね。とても良いシーンが描かれています。
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青山くんが小学生に水墨画を教える話が好き よく喋る人じゃないけど、相手のことをちゃんとみていて尊敬する。 歳をとる度、正解や正しさにとらわれて、失敗が怖くなっている。大事なのはそういうことじゃないと教えられているようだった。 こどもときの何もかも新鮮だった気持ちはどこに行ったん...
青山くんが小学生に水墨画を教える話が好き よく喋る人じゃないけど、相手のことをちゃんとみていて尊敬する。 歳をとる度、正解や正しさにとらわれて、失敗が怖くなっている。大事なのはそういうことじゃないと教えられているようだった。 こどもときの何もかも新鮮だった気持ちはどこに行ったんだろう、、
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砥上さんの小説はとんでもない小説が多いですね。自分の生き方について考えさせられたり、水墨画の描写からイメージすることができたり… 頭の中が常にフル回転で読める小説です。今の所今年最強の小説ですね。
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終章は感動しました。皆の動きが映像化されて浮かびました。 やはり最後に、タイトル「一線の湖」の意味がわかりました。 良い小説です。
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◼️ 砥上裕將「一線の湖」 映画化もされた「線は僕を描く」続編。水墨画の表現がうなる。ホロリが何度も。 両親を失ったショックから立ち直れていない大学生が、水墨画でそのきっかけをつかむ、というドラマ。なにせ本職の方が著者なので、制作過程が本格的、心構えまで詳しい、また、やはり絵...
◼️ 砥上裕將「一線の湖」 映画化もされた「線は僕を描く」続編。水墨画の表現がうなる。ホロリが何度も。 両親を失ったショックから立ち直れていない大学生が、水墨画でそのきっかけをつかむ、というドラマ。なにせ本職の方が著者なので、制作過程が本格的、心構えまで詳しい、また、やはり絵を言葉で表す引き出しが豊富だと思う。 水墨画界の巨匠、篠田湖山門下となった大学生の青山はテレビも入り注目度の高い揮毫イベントで大失敗をしてしまう。湖山からは筆を置くべき時期、と諭されるが、納得できない。話題の人となった青山は湖山の一番弟子、西濱湖峰の手伝いで小学校に水墨画を教えに行く。そこは、亡くなった母が4年前まで勤めていた学校だったー。 筆を置くべき、というのは破門、という意味ではなく、休養して離れてみることが必要、という意味だったのだが、大学3年生の進路の問題にも絡み、だんだん別れへとつながっていくようだ。 映画では青山くんは横浜流星、湖山の孫娘で青山くんと同年代、美貌の絵師として露出も多い千瑛(ちあき)は清原果耶、搬入、展示などを行う実務担当で、かつ抜群の腕前を持つ西濱湖峰が江口洋介、巨匠・湖山が三浦友和だった。青山くんはもなぜかひとつイメージに合わないけどもやはり頭に浮かべながら読んでしまう。 さて、実はそれなりに小説を読んできた身としては細部に、ん?と思うところもあったし「線は僕を描く」から時間が経っていることもあってか、どうして青山くんの精神と肉体はこんなにまで疲弊しているのだろうと、その点が作品の全体からは分かりにくかった。ともすれば繊細すぎる状態を演出しているようにもとれた。 だがしかしけれども・・圧倒された。まずは母親が勤めていた学校で、小学1年生たち、校長先生、後を引き継いだ同僚の先生たちとの触れ合いでほのかな光が射してくる部分にはもう、ホロホロの涙。肉親を失った身を切るような哀しさ、そして目を輝かせる子供たち。青山くんがイベントで絵を描いて、そこに子供たちが・・とてもジンとくる場面だった。 「線は僕を描く」でもそうだったが、なにせ作画中の表現が的確で豊富で小粋。またとても詳細で、つぶさに追いながら想像するので読むのに時間がかかる。筆の状態、水の含ませ方や手順まで、呑みこめないながら心中に絵を浮かべてしまう。ここまで表現がうなり吠え、像を結ぶのは本当になかなか巡り会えない筆致だと思う。 湖山のメモリアルなイベント、そして青山くんの進路。先読みする人はできるのかもだが、やはり深い感慨が押し寄せ、またホロリ。結は書いてきたものに見事に結合している。 完結編?もっと読みたいと思わせる作品です。
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『線は、僕を描く』の続編。 主人公の青山霜介くんは、真っ直ぐで、優しくて、傷つきやすくて、肝心なところで失敗をしてしまう。 苦しんで苦しんで、その先に見える景色があるのだろうか。 水墨画を描く魅力が詰まった本でした。 青山くんと小学生との触れ合い、亡くなった母の教員時代を知った場...
『線は、僕を描く』の続編。 主人公の青山霜介くんは、真っ直ぐで、優しくて、傷つきやすくて、肝心なところで失敗をしてしまう。 苦しんで苦しんで、その先に見える景色があるのだろうか。 水墨画を描く魅力が詰まった本でした。 青山くんと小学生との触れ合い、亡くなった母の教員時代を知った場面は、ぐっときた。 また、第5章では、目の前に水墨画が現れる気がした。
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水墨画のアーティストの探究の根の部分を細かく心情とともに表現している。 実際に文字だけじゃなく、そのものをみたくなる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
コツコツと練習できてしまう人が、描かない時間を持つのは、とても不安で怖くなることなんだろうなと感じた。 やめることって怖いことでもあると思う。そのままやり続けた方が気持ちは安心するのだと思うから。 骨折して感覚がなくなるくらいにならなければやめられないほど、 青山君にとって、描くことで今に留まれていたものがあるのかなと思った。 それを一旦手放せたんだと思うと、次の、自然な形でそこに在ることへ進んでいったんだなと感じた。 そう思うと、お墓に行くことはとてつもなく勇気だったんだなぁと。 轟清水小の実演で青山君が動けなくなってしまった時に、水帆ちゃんが描きだした所で思わず涙… ゲンキ君や次々と子ども達が描いていく姿を想像して温かい気持ちになったのは忘れられない。 水彩画の描写が丁寧で、字を追いながら想像してみるけど難しかった。 映像で見たらすごいんだろうなぁと思いつつ、青山君の心の動きに共感してしまうので小説の満足度が高いなと感じます。
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