一線の湖 の商品レビュー
前作も非常によかったため、期待でハードルが上がっていたが、青山くんの苦悩や成長、子供達の絵を描くことの喜びなどが生き生きと描かれており、本作も良かった。ただ、千瑛さんの出番がもう少しあってもよかったのにとは思った。
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前作「線は、僕を描く」の続編。前作は映画も観たのでその時のキャストイメージで読んだ。人は必要な時に必要なものとの出会いが必ずあると思う。閉ざさなければ、必ず。自分の知らない母の仕事場での姿、触れてきた人たち、湖山先生から渡された黒い筆、湖などの景色、たくさんのものが霜介に大切なこ...
前作「線は、僕を描く」の続編。前作は映画も観たのでその時のキャストイメージで読んだ。人は必要な時に必要なものとの出会いが必ずあると思う。閉ざさなければ、必ず。自分の知らない母の仕事場での姿、触れてきた人たち、湖山先生から渡された黒い筆、湖などの景色、たくさんのものが霜介に大切なことを教えていく過程が大切にゆっくりと、芸術家らしい言葉で描かれている。焦りや迷い、誰でも通過する地点だけど休むって大事。道は違えど想い合える湖山会の人たちが(古前くん川岸さんも)あったかくて大好き。今回の作者の水墨画も素晴らしい。
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続編。 とても良かった。 立ち止まって考えなくては、感じなくては、気づかなくてはいけないことを、片っぱしから無視して見ない見えない生活をしている自分には、別の次元の世界。 子供達のくだりが本当に良かった。 先生も良かった。 えがかれた水墨画を見てみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2024/10/18 読了。 図書館から。 続編。 読んでいてすごく静か、 そして哀しくささってくる文章もある。 なんだかじんわり涙が浮くんだよなー。
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綴られる言葉も情景も本当に美しい。 青山くんの成長も誇らしい。 未来に向かって線は繋がり引かれ続いていくのだろうな。 教育を間に挟むことで、暗くなりがちな未来。おざなりにされがちな子どもや教育現場にもスポットが当たって、あたたかい気持ちになる。
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墨一色に無限の色彩を映し出す水墨画_ 水墨画の奥深さに 何度もため息がもれました… 水墨画という世界を知れば知るほど… 霜介は描き方の技法ばかりに心が 囚われていたことに気づく 忘れかけていた大切なものと向き合い 過去の自分を受け入れ 心や筆の赴くままに描い...
墨一色に無限の色彩を映し出す水墨画_ 水墨画の奥深さに 何度もため息がもれました… 水墨画という世界を知れば知るほど… 霜介は描き方の技法ばかりに心が 囚われていたことに気づく 忘れかけていた大切なものと向き合い 過去の自分を受け入れ 心や筆の赴くままに描いていく… 師匠から託された未来を 取り戻していくストーリー 墨や紙 白と黒 そして 線というシンプルなものから 形成される表現の世界の複雑さや奥深さの中で 霜介が一つひとつ目に見えないものを掴んでいく様… その感触や匂いが文面から鮮やかに伝わってきました! 心地よく耳に流れるような数々の言葉から 静けさを感じながらも力強さも感じられ 水墨画を描く躍動感と共に 何度も心に迫ってくるものがありました!! 墨のグラデーションのように スーッと溶けていく感じが心に広がりました 素敵な物語が読めて幸せです…♡ この余韻を味わいながら 眠りにつきたいと思います
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「線は僕を描く」の続編。前作はひょんなことから水墨画の師につくことになった大学生・霜介のお話だった。この主人公は両親を不慮の事故で亡くしていて、その喪失感から抜け出せず漠然と日々を過ごしていた。そこで水墨画に出会い、湖山会を率いる湖山先生と弟子たちとの交流があり、ひたすら線を描く...
「線は僕を描く」の続編。前作はひょんなことから水墨画の師につくことになった大学生・霜介のお話だった。この主人公は両親を不慮の事故で亡くしていて、その喪失感から抜け出せず漠然と日々を過ごしていた。そこで水墨画に出会い、湖山会を率いる湖山先生と弟子たちとの交流があり、ひたすら線を描く修行をするなかで、自分の人生を再び取り戻してゆく物語だった。 前作および本作は、水墨画というニッチな世界を丹念に描いていくものでもあり、大変興味深かった。墨と筆で線を描きその線の連なりで絵をなしてゆくことが大変難しいことだということが伝わった。一つの線にその人が表れる。その意味で、前作は「僕は線を描く」ではなく「線は僕を描く」というタイトルだったのだろう。率直に言って、とても好きな作品だった。今作のタイトルについては、ネタバレになるので詳しくは言わない。 前作では、水墨画を描くことで自分の人生を取り戻した主人公だったが、続編である今作では、新たに子供たちとの交流などを通じて両親の死を受け入れ、自分の進路を選び取ってゆくという話が紡がれた。今回はより、芸術を生み出す芸術家の世界を垣間見たように思う。静謐な世界の中で、主人公はときにくよくよしながらももがき何かをつかんでゆく。 今作の中で響いた箇所がある。亡くなった教師の母親が成してきたことに、主人公が気がつくところだ。水墨画家でなくとも、人は、未来につなぐ線を、自分自身の人生の長さを超えるスケールを想定して描いている。その人の描いた線は、その人の命が尽きたあともこの世界に残るというのが真理ではないか?と。以下引用: 「母は自分が生きた一瞬や自分自身のために、力を尽くしていたのではない。人を育て、自分自身さえ見ることはないかもしれない遥かな未来に向けて、線を描いていたのだ。 子どもたちの宝物をみつめ、想いを託すことで、線を送った。時を超える線を、母は描いていたのだ。 人は命よりも永く線を描くことができる。」(引用) ちなみに前作は横浜流星と清原果耶で映画化されており、映画版も私はすごく好きだった。よって本作を読むにあたっては、私は脳内で横浜流星と清原果耶を想像しながら読んだ。これも読書および小説の映像化の醍醐味。
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水墨画の魅力がまたたっぷり感じられる1冊でした。以前に読んだ「線は、僕を描く」では、自室で寝食を問わず一心不乱に課題に取り組んでいた描写が印象的で、なんか孤独感あって暗いなと思ってました。ただ今回は「揮毫会」という、絵師が白紙から作品を書き上げる工程をそのまま披露する会があり、パ...
水墨画の魅力がまたたっぷり感じられる1冊でした。以前に読んだ「線は、僕を描く」では、自室で寝食を問わず一心不乱に課題に取り組んでいた描写が印象的で、なんか孤独感あって暗いなと思ってました。ただ今回は「揮毫会」という、絵師が白紙から作品を書き上げる工程をそのまま披露する会があり、パフォーマンスを失敗できない緊張感や臨場感、華やかさも感じられました。複数名で一緒に一枚の絵を描く共作も前回はなかった要素で、小学生との取り組みは、主人公の孤独感が薄れてて良かったε-(´∀`*)ホッ 『無限の形をした菊の花が、眼前に現れた。すべての絵が乱れ、流麗な線は一つもなく、どれも巧くはなかった。けれども、どの花も生きていた。』 2024.9
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『線は、僕を描く』の続編。霜介が講師として訪れた小学校の子どもたちから得た「気づき」は、読者にも響いてくるものだと思いました。
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349ページ 1800円 9月4日〜9月6日 忘れた頃にやってきた続編。前の本を読んだときには、霜介の気持を想像するしかなかったけれど、今は世界が白いこととかなんとなくだけどわかる気がする。子どもたちのおかげもあり、人としての感覚を取り戻していき、水墨画家として壁にぶつかる霜介...
349ページ 1800円 9月4日〜9月6日 忘れた頃にやってきた続編。前の本を読んだときには、霜介の気持を想像するしかなかったけれど、今は世界が白いこととかなんとなくだけどわかる気がする。子どもたちのおかげもあり、人としての感覚を取り戻していき、水墨画家として壁にぶつかる霜介から、不思議と目が離せない。水墨画に興味が湧くと共に、自分も描いてみたくなった。
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