墓じまいラプソディ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
読み始めて数ページで 『なにこれ、面白いじゃないの…!』と ページをめくる手が止まらなくなった。 爽やかな渡る世間は鬼ばかりに感じたが、 よく考えたら私は渡鬼を一度も観たことはない。 ネタバレすると具体的に墓じまいを完了させた家はない。 考えているけれどまだ先送りにする程度だ。 そこが実にリアルで、ありそうな話だと思う。 自分たちの代で終わらせる、という行為は なかなか勇気のいることらしい。 夫婦がどちらの姓を名乗るかという話も 墓守を誰がするのかという話も 身近にはあるものの、正直どうでもいいというか 希望があるなら伝えてくれるのは構わないけれど それをやるのは貴方達の世代であって、 我々には我々の希望があって然るべきですよね? と思っている。馬鹿正直に言わないだけで。 周りから非常識だとかお世辞が下手だとか 正直な人という評価を受けている五月さんが 実は一番、お墓に対して罪悪感があったのは意外だった。 両親をちゃんと葬ることができなかったという気持ちが お墓に対して寛容にさせていただけなのかな。 でもその寛容さが幸せを呼び込んでいた気がする。 娘たちは変なのと結婚しなくて済んだし、 お墓問題もうまく運んでいきそう。 対してプライドが高く価値観ガチガチの中林家。 10年後、いや5年後には息子はなぜ結婚しないのか嘆き、 非常識だと馬鹿にしていた親子が幸せそうなのを知り 発狂する勢いの順子を想像するのは難しくない。 どちらの一族もそれなりに幸せになってほしいし、 なるしかないのだけれど、 これを読んだ私は自分の代で墓じまいをすることに 前より抵抗がなくなった。 『全ては諸行無常ですよ』
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ついつい目を背けがちなのがお墓問題。その前に立ちはだかる夫婦別姓のもつれからその人なりが滲み出てくるのが、笑ってしまった。面白おかしく描かれているが結構シビアだなぁとしみじみ。 しきたりや伝統にかんじがらめになってしまいがちだけど、生きている人があっての供養だし、老後の生活は大事...
ついつい目を背けがちなのがお墓問題。その前に立ちはだかる夫婦別姓のもつれからその人なりが滲み出てくるのが、笑ってしまった。面白おかしく描かれているが結構シビアだなぁとしみじみ。 しきたりや伝統にかんじがらめになってしまいがちだけど、生きている人があっての供養だし、老後の生活は大事にしなくてはと痛感。価値観が合わない場合はそのまま先送り、というのも妙に納得。他人事とは思えないほどにのめり込んでしまった(笑)
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偶然にも昨日読み終わった本と似ていて、登場人物何年、って感じで何人か一人称で入れ変わりつつ話が進んでいく構成でした。 こちらは複数家族の人間が登場するのですが、ストーリーテーマが墓の継承、夫婦選択的別姓なので読みやすく感じました。 一番はじめに登場する松尾家の嫁?五月さんの考...
偶然にも昨日読み終わった本と似ていて、登場人物何年、って感じで何人か一人称で入れ変わりつつ話が進んでいく構成でした。 こちらは複数家族の人間が登場するのですが、ストーリーテーマが墓の継承、夫婦選択的別姓なので読みやすく感じました。 一番はじめに登場する松尾家の嫁?五月さんの考え方ドライでおもしろくて引き込まれ一気読み。 お墓問題もそうですが、いろいろ時代と共に変化するものですね。 この作家さんの本は、日常の共感度が半端なく高いのですよ…そうそう!そうなのよ、って感じでサクッと読めちゃいます。 明るくさわやかな読後感で良かったです。 目指せ、五月さんのドライさ!過去はいい、未来を楽しく生きるのだ。
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今の時代に合った小説。 檀家とか今はあまり入らないでしょう。我が数年前母が亡くなり、お墓を建てることになりましたが、檀家には入らず市の墓地公園の敷地を購入しそこにお墓を建てました。 永代供養料も払ってあります。 宗派にこだわる事なく、供養する事が出来ました。 墓じまいや樹木葬など...
今の時代に合った小説。 檀家とか今はあまり入らないでしょう。我が数年前母が亡くなり、お墓を建てることになりましたが、檀家には入らず市の墓地公園の敷地を購入しそこにお墓を建てました。 永代供養料も払ってあります。 宗派にこだわる事なく、供養する事が出来ました。 墓じまいや樹木葬など、様々なスタイルがある昨今、それぞれが好きな形で供養できればいいかと思います。
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今回も勉強になりました!!! 昨年、母が亡くなり、我が家もお墓どうする問題がでてきたが、父は、「管理する人もいないし、大変だし、永代供養でいいだろ!」ってことで、私は永代供養?母が可愛そうと思ったけど、この本読んで、父は結構、今風な考え方というか、父のさっぱりした考え方にすごく納...
今回も勉強になりました!!! 昨年、母が亡くなり、我が家もお墓どうする問題がでてきたが、父は、「管理する人もいないし、大変だし、永代供養でいいだろ!」ってことで、私は永代供養?母が可愛そうと思ったけど、この本読んで、父は結構、今風な考え方というか、父のさっぱりした考え方にすごく納得した。 無縁仏いやだとか旦那は言ってるけど、100年200年後と、骨も増えていくから、いずれは、骨をまとめて廃棄されるかもと読んでいて思ったり、、、 だったら、いつかは無縁仏じゃん!って思ったり笑笑 垣谷さんの作品はいつも勉強になるし、お墓問題とか正直触れたくもない話題だか、明るい口調で書かれており、お墓問題に少しは向き合うのも悪くないなぁと感じた。
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先祖代々の墓を守り抜きたい。 墓には関心がない。 家族の中でも考え方は人それぞれ。 そして揉める。 お父さんと同じ墓には入れないで欲しい。 樹木葬で。という遺言を残した母親。 光代は、娘としてどうしたらいいのか悩む。 夫婦別姓問題なども取り上げる。 いままで当たり前にしてきた...
先祖代々の墓を守り抜きたい。 墓には関心がない。 家族の中でも考え方は人それぞれ。 そして揉める。 お父さんと同じ墓には入れないで欲しい。 樹木葬で。という遺言を残した母親。 光代は、娘としてどうしたらいいのか悩む。 夫婦別姓問題なども取り上げる。 いままで当たり前にしてきたことも 変えなくてはいけない時代に来たのだ。 墓じまいには莫大な費用がかかる。 読んでいる間は笑い飛ばしていたが 他人事ではない。 改めて気付かされた。
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墓仕舞いは最近よく耳にするし、自分も考えないといけないんだよなぁ。 新潟の元証券マンの住職さんの話が耳に心地よかった→今墓じまいを悩む人たちならわかるだろうwなんでもお寺さんのいいなりにならずに自分でも調べることは重要だと思った。得に色即是空の下りは、あ、それなら色んな供養なん...
墓仕舞いは最近よく耳にするし、自分も考えないといけないんだよなぁ。 新潟の元証券マンの住職さんの話が耳に心地よかった→今墓じまいを悩む人たちならわかるだろうwなんでもお寺さんのいいなりにならずに自分でも調べることは重要だと思った。得に色即是空の下りは、あ、それなら色んな供養なんかせんでもいいのかも!?生きてる自分を大切にしよって都合よく考えたっていいよね? 昔は皆小さな地元だけの世界で人は生きていたから墓守りもできただろうが、今や地元を離れる人だって多いから考えたら無理しかないよね。海外へ飛び出す人に墓守りなんざ出来ないのと同じよ、たとえ国内でもね。 お墓のことが主命題なんだけど、思いの外色んな家族の個々人の思惑がみえて秀逸だと思いました。それが墓の話だけじゃなく若い世代の話もあり、結婚する、あるいは結婚しないという逆張りのハッピーエンドもありで楽しく読めた。 いや、ほんとに、なかなかあとからもジワジワくる読んで良かった本。
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「旦那と同じ墓に入りたくない」「お墓が遠くてなかなかお墓詣りできない」「結婚したらなぜ旦那の姓にしなくてはいけないのか」など様々な現代の問題をリアルに、クスリと笑える要素も取り入れながら、学べて考えさせられる作品。男女のあるあるが多くて共感できる。
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お墓問題、実家の空き家問題など、私も現在悩み中。私より上の60代の登場人物が多かったが、ほんとしんどそう。私も現在ですでにしんどい問題だが、先延ばしはしないようにと肝に銘じた。五月の娘二人が結婚時の苗字をめぐり、結婚を見送ったが、そんな相手とは結婚したら苦労するから、本性がわかっ...
お墓問題、実家の空き家問題など、私も現在悩み中。私より上の60代の登場人物が多かったが、ほんとしんどそう。私も現在ですでにしんどい問題だが、先延ばしはしないようにと肝に銘じた。五月の娘二人が結婚時の苗字をめぐり、結婚を見送ったが、そんな相手とは結婚したら苦労するから、本性がわかってよかった! 最後の頃の元国会議員をよんでの「選択的夫婦別姓制度」についての集まりの場面が、面白かった。あまりに時代錯誤な考えに唖然としてしまったが、内藤老人の「同じ名字なら一体感があるというが、そうであれば、どうして離婚する人が三分の一もいるんでしょう」との言葉が痛快であった。「古き良き日本国…、この秩序正しい日本国が…」と元国会議員はいうが、女性のしんどさの上で成り立っていたのも事実。やはりもう変わる必要がある。 五月の長女の牧葉が、柔軟な男性と出会えたことが嬉しかった。 諸行無常。色即是空〜この世の万物は形をもつが、その形は仮のもので、本質は空(くう)であり、不変のものではない。100年後には自分を知る人もいなくなるだろう。無理なく、自分のまわりの人を大事にして過ごしていこうと思った。
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テンポ良く読み進めすぎて思わず吹き出してしまうところがあり、垣谷先生の作品で何回こんなパターンに陥ったかと。 ただ 柳さんの流れはちょっと極端すぎかな、と思いましたが、とても考えさせられる内容をこんなにコミカルに理解しやすく読めたのがすごいなぁと思いました。
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