1,800円以上の注文で送料無料

ともぐい の商品レビュー

3.9

223件のお客様レビュー

  1. 5つ

    49

  2. 4つ

    94

  3. 3つ

    57

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/12/03

なんと熊を題材にした河崎秋子さんの直木賞受賞作。 河崎さんならではのこの作品、文学性も感じれて面白かったです。

Posted byブクログ

2024/12/03

直木賞受賞作。 明治後期、ロシア戦争の直前の頃。 北海道、白糠の山中で犬と暮らしている熊爪(くまつめ)という猟師の話。 冒頭の鹿狩りと捌き方の描写で熊爪の世界感に一気に引き込まれる。熊に襲われた男の傷への処置、熊との死闘、最期の場面まで、連綿と続く死と生の連鎖に圧倒された。白糠の...

直木賞受賞作。 明治後期、ロシア戦争の直前の頃。 北海道、白糠の山中で犬と暮らしている熊爪(くまつめ)という猟師の話。 冒頭の鹿狩りと捌き方の描写で熊爪の世界感に一気に引き込まれる。熊に襲われた男の傷への処置、熊との死闘、最期の場面まで、連綿と続く死と生の連鎖に圧倒された。白糠の「かどやのみせ亅に連なる人々も味がある。エピローグは愛犬家にはたまらないだろう。

Posted byブクログ

2024/11/28

野生に生きる気高さを、ありのままに描いた作品。熊狩りの哲学があり、それが生きる軸である熊爪は必要があれば町に降りると忽ち文化的な営みとも交わる。明治時代が背景にあるからか、豊かにならなければ、死に向かう皮肉が込められていて、それが現代の私たちを貫く刃にも思えてならない。

Posted byブクログ

2024/11/17

迫力満点!経験のないジャンルで初めはスムーズに読み進められなかったが、慣れてくると一気に世界観に引き込まれる。人間とは何か問われ、頬を強く叩かれたような感覚。

Posted byブクログ

2024/11/14

戦前の北海道。孤児の熊爪は養父に猟を教わり山に1人で暮らしている。人と交わることを避け、自然を相手に生活をするが、熊爪が自然と一体化さて獣のような豪快な生き方はグロテスクにさえ思う。熊爪のものの見方考え方はよく理解できないが自然の摂理ってこういうものかもしれない、と思わせる作品だ...

戦前の北海道。孤児の熊爪は養父に猟を教わり山に1人で暮らしている。人と交わることを避け、自然を相手に生活をするが、熊爪が自然と一体化さて獣のような豪快な生き方はグロテスクにさえ思う。熊爪のものの見方考え方はよく理解できないが自然の摂理ってこういうものかもしれない、と思わせる作品だった。

Posted byブクログ

2024/11/08

 冒頭の鹿を狩る描写で、一気にこの世界に引き込まれた。 仕留めてから解体する場面では、リアル過ぎて気分が悪くなるほどであるけれど、読むのを止めることは出来なかった。  特に後半の狩りの描写では、息をする事を忘れていて、熊爪と一緒に″大きく息を吸い、吐″きながら読んでいた。  作品...

 冒頭の鹿を狩る描写で、一気にこの世界に引き込まれた。 仕留めてから解体する場面では、リアル過ぎて気分が悪くなるほどであるけれど、読むのを止めることは出来なかった。  特に後半の狩りの描写では、息をする事を忘れていて、熊爪と一緒に″大きく息を吸い、吐″きながら読んでいた。  作品の時代背景を考えたり、山の暮らしを想像したりするのも面白かった。  最後に、犬と暮らしているからかと思うが、名付けられることなく、熊爪を主人として暮らした犬の忠誠心が、心に響いた。

Posted byブクログ

2024/11/05

圧巻。こんなに迫力のある本読んだことない。グロテスクな表現含め、すごく引き込まれる。自然とは…ってなった。物語後の彼らの行方が気になる…

Posted byブクログ

2024/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もし、挫折しそうになったら「ゴールデン・カムイ」を見てから(読んでから)この小説を読むのです。 「ゴールデン・カムイ」と時代・場所の設定が ほぼ同じで、熊についても出てくるので、 ちょっと読んでいて遠いな、わからないな、と思ったら「ゴールデン・カムイ」を見てからこの小説を読むことをおすすめします。 後日譚のある小説て最高! 読者にめちゃくちゃ寄り添ってくれている。 「その後、どうなったのだろう」と、 ちょうど思ったところでそれがある。 色々思いを馳せることを楽しみにする読書方法もあるけれど、 もやっとさせられぱなしでは、消化不良。 胃もたれどれだけすればいいねん!と ツッコミ入れてしまう。 多少お腹いっぱいな場面もあるけれど 満腹小説として、良い感じで読み終えることができる。 触感・嗅覚にうったえてくる小説でもあり、 自分の中では、こういう小説て良書だと思う。 未経験なことなのに、こちらの日々の経験したことから想像を膨らませさせてくれる。 丁寧に補助をつけてくれている。 置いてけぼりにさせない。 見事な書きぶりだと思う。

Posted byブクログ

2024/11/02

第170回直木賞受賞作。 ということで、河﨑秋子作品に初挑戦。 明治後期、北海道の冬山で主人公の熊爪が鹿を狩るシーンから始まる。まるで映像を見るような自然の描写。鹿を仕留めて内臓を捌いていく一連の流れがとてもリアルで、一気に引き込まれました。 両親を知らず、山に籠って猟師をし...

第170回直木賞受賞作。 ということで、河﨑秋子作品に初挑戦。 明治後期、北海道の冬山で主人公の熊爪が鹿を狩るシーンから始まる。まるで映像を見るような自然の描写。鹿を仕留めて内臓を捌いていく一連の流れがとてもリアルで、一気に引き込まれました。 両親を知らず、山に籠って猟師をしていた養父に、幼い頃から育てられた熊爪。人間というよりも野生の獣のような熊爪が、熊との対峙を通して瀕死の大怪我を負い、自分自身に向き合っていく。自分は何者なんだ… 万全の身体とは程遠い熊爪が赤毛を追うとき。 "痛みへの恐れ、衰えへの恐れ、それらは熊爪を縛る鎖であると同時に、ある種の臆病さをもたらしていた。そしてその臆病さは、時に強みともなる" 己を知り、受け入れて、最善を尽くすことが大切なことを教えてもらった。 全然関係ないけど、ふるさと納税をよくする『白糠町』が出てきて、何となく親近感を覚えた。笑

Posted byブクログ

2024/10/27

圧倒的な迫力。相手の命をいただくこと、いただいた後の自分。「ともぐい」にいろんな意味を込めているのだろうが、熊は熊を鳥は鳥を、人は人をともぐいしているとも。久々に肉をちゃんと食べたくなった自分にちょっと驚く。

Posted byブクログ