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サピエンス全史(下) の商品レビュー

4.4

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    12

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2024/11/02

科学革命が主に取り上げられている。現代を生きる自分にとってはやはりこちらのほうがリアルに感じられる話ではある。そしてリアルに感じられるからこそ現代の自由主義など「当たり前」になっていることがそうではないんだなと改めて気付かされる。

Posted byブクログ

2024/10/20

上巻に続き、無知を認めたことが正しい知識を得ようと動き出した科学革命、投資という資本主義の考え方、それによって発展した産業。 エネルギーを動力に変換することを身につけ、産業にも戦争にも使われたことで、最終的には現代の平和について読み解かれていた。 2002年の世界の死者数の割...

上巻に続き、無知を認めたことが正しい知識を得ようと動き出した科学革命、投資という資本主義の考え方、それによって発展した産業。 エネルギーを動力に変換することを身につけ、産業にも戦争にも使われたことで、最終的には現代の平和について読み解かれていた。 2002年の世界の死者数の割合が興味深く、戦死した人の数は交通事故で亡くなった人数と同じであり、自殺者数よりも少ないという。 家族などのコミュニティよりも国家の方が強く、守ってくれるようになった現代では、家族で助け合い、守り、解決していくことが希薄となった。国家の助けはあるものの、個を感じるのは幸福度に影響しそうだ。恵まれていれば幸せな訳ではない、振り回されてばかりの子育てがそれを教えてくれるというのは共感できる。また人によって幸福度は10段階中の6〜10で揺れ動く者もいれば、3〜7で揺れ動く人もいる。お互いの平均が違うというのを認識しておく必要がある。自分の感情が絶えず湧き起こっては消えていくのを観察して、追い求めない、今この瞬間を生きるという仏教の思想を紹介されていたが、幸福に関する研究が始まったばかりだというのも歴史的に新しいことだということに触れられた。

Posted byブクログ

2024/10/15

まずもって、「認知革命」⇒「農業革命」と続いて、てっきり「産業革命」かと予想していたら、「人類の統一」から「科学革命」だったことにAha!であった。もちろん、「科学革命」の中に「産業革命」も含まれるのだが、科学VS無知という視点に立つと、こういう歴史観になるんだと。 ただ核兵器...

まずもって、「認知革命」⇒「農業革命」と続いて、てっきり「産業革命」かと予想していたら、「人類の統一」から「科学革命」だったことにAha!であった。もちろん、「科学革命」の中に「産業革命」も含まれるのだが、科学VS無知という視点に立つと、こういう歴史観になるんだと。 ただ核兵器が抑止力になって、今後全面的な戦争は起こらないだろう…というのは楽観すぎると思ったし、イスラエルが戦争を止めないのはこの著者(イスラエル人)の説を真に受けているのかと、勘ぐりたくもなったが…

Posted byブクログ

2024/10/15

宗教の説明から始まり、資本主義、科学革命、次世代のことまで書かれている。 ホモサピエンスの強みは虚構を作れることで、それがまとまりを作って、知らない人同士での協力を生む。 それが科学革命とか資本主義とかにつながる。

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2024/10/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

宗教と科学の利用により人類の可能性が加速した。 宗教の部分はとても複雑だったが、信仰というのは集団を1つにして統治をするにはとても都合が良いというのはこれまでにない感覚だった。 科学の発展は言うまでもないが、その発展のいく先の予測は容易ではないことは印象的だった。確かに、最近の潮流を思い出すと、IPS細胞の発見で生命科学が大きな注目を集め時代を築いたと思えば、最近はAIや機械学習など情報科学の時代である。 テクノロジーの進歩は突発的であり、どんな分野にもチャンスがあるとも感じた。

Posted byブクログ

2024/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白いし芯を食った解釈だと思う部分がたくさんあった。ホモサピエンスの現代までの歴史を著者の解釈でひととおり語り、最後は我々が幸せになるための警鐘を鳴らしてくれた。 会社や通貨やイデオロギーも、虚構(共同主観的な現実)であるという意味で神話と同様のものである。宗教や帝国などの虚構によってサピエンスは統一され巨大なネットワークを形成してきた。サピエンスは農耕や資本主義によって繁栄してきたが、実は我々は、形のないそれらが成長するための母体の役割を担わされているだけで、そこに我々の幸福は考慮されていない。歴史は必然ではなく未来は可能性に開かれている。急速な科学の発展で今後、新しい人類の形態が生まれるかもしれず、今の私たちがするべきことは「何を望みたいのか」を考えることだ。

Posted byブクログ

2024/09/29

歴史を研究するのは多くの可能性があると理解するためと説く本。 歴史の次の段階には、人間の意識等の根本的な変化も含まれる。 【関連書籍】 シンプルで合理的な人生設計、幸福の資本論、1984

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2024/08/19

『サピエンス全史』(上・下) 数年前友人が読んで面白かったという話を聞いて気になっていた。話題の書であることは知っていたが手にするまで時間がかかった。読んで、当時の世間の反応はもっともであり世の読書人の感性に脱帽である。 このところ小説や評論など内面を探る本を読むことが多かったが...

『サピエンス全史』(上・下) 数年前友人が読んで面白かったという話を聞いて気になっていた。話題の書であることは知っていたが手にするまで時間がかかった。読んで、当時の世間の反応はもっともであり世の読書人の感性に脱帽である。 このところ小説や評論など内面を探る本を読むことが多かったが、これはそれとは対極のものであった。 目先の時間に埋没していた自分にとって、この作者 ユバル・ノア・ハラリの考える億年・万年・百年単位の人類(ホモ・サピエンス)の進化とその歴史を再構成する話は新鮮であり共感できた。 138億年前 物質とエネルギー(原子と分子)出現 45億年前 地球形成 38億年前 有機体(生物)出現 7万年前 ホモ・サピエンス発展 言語・認知革命 12000年前 農業革命 5000年前 最初の王国 貨幣 多神教 2500年前 ペルシャ帝国 インドの仏教 2000年前 漢帝国 ローマ帝国 キリスト教 1400年前 イスラム教 500年前 科学革命  200年前 産業革命  時間軸を変えて、宇宙から地球を覗くような目で人類の歩みを見るとこんな風景なのだろうか。 わかったつもりでいたことも別の「新しい歴史」に様変わりしているので驚きである。 上・下にわたる長編の大作だが、わかり易い表現で興味を唆り最後まで飽きさせない。 ただの動物の一種にすぎないホモ・サピエンスは「噂話をする柔軟な言語の認知革命」をへて、他のすべての人類種を地球上から一掃し、既存生物の生態系を破滅させる最も危険な種として、地球上の生態系の頂上に君臨するようになる。 ・・・狩猟から農耕で定着統一し、帝国・貨幣・宗教、科学革命・資本主義・自由市場等々、従来の概念を作者の視点で構築し新説の歴史として再現する。 侵略して先住民族を根絶やしにしてきたことや、 動物を食用として目的特化飼育をする話など多くの残酷で非情な物語も記録されている。 話は変わるが、いつも電車に乗り住宅街のマンションや住戸の連なりを窓外に眺めて、人は各々毎日あくせく生きながら、結局皆同じような生活をするアリやハチ・牛や馬のような「種としての集団生活をする生物なのだ」ということを感じていた。それなのにやたら違いを求めて競争をして平等とか格差といって、優越感や劣等感・妬みや嫉みで汲々とする。 まとまりのない結論のでないこともこの本はいろいろ考えさせてくれる。 思考のバランスということにも気づかされた。 「大きな視野で」そして内に深く考えよと。

Posted byブクログ

2024/08/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本は、自分が知っていたつもりになっていた歴史について新しい視点を与えてくれる本だった。 これまでは、科学は戦争に勝つことを目的に投資され、発展してきたと思っていたがそれはここ最近の話であって、本来は知的好奇心から始まる未知への探究がトリガーになっていた。それが資本主義と合わさることで金を集め、帝国主義と交わることで世界中に拡大していき、引いては戦争の抑止力の一つにもなった…という壮大なストーリー また政治主義や宗教なども全ては虚構なのであると看破する上巻からの流れを汲みながら、人類の幸福とは?未来(コンピュータ社会の先)とは?を歴史の視点からアプローチする思考もまた面白い。この辺りは次作『ホモ・デウス』に詳しいと聞くので、次はそちらを読むつもりである。

Posted byブクログ

2024/08/01

非常に面白かったけれど、読み切るまで(暇だったのに)1ヶ月くらいかかってしまった。 本筋ではないかもしれないが、それぞれの宗教が何を善とし何を目指しているかを初めて理解できた気がする。仏教が苦痛から逃れるために、欲を捨ててありのままを受け止めることを目指していると知り、どの宗教...

非常に面白かったけれど、読み切るまで(暇だったのに)1ヶ月くらいかかってしまった。 本筋ではないかもしれないが、それぞれの宗教が何を善とし何を目指しているかを初めて理解できた気がする。仏教が苦痛から逃れるために、欲を捨ててありのままを受け止めることを目指していると知り、どの宗教よりも1番しっくりくると思った。仏教について学んだことはなかったが私の中には日本人の血が通っていたんだなと実感した。 生成AIなどの話は、AIと人間の上下関係が入れ替わった世界線を想像させられ、その瞬間私たちが美しい、愛おしいと思っているもの全てが意味をなくす恐ろしさを感じた。すぐに眠くなってしまったり、お腹が空くとイライラしたり、そんな愛おしい人間らしさが下等だと思う日が本当に来てしまうのだろうか

Posted byブクログ