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サピエンス全史(下) の商品レビュー

4.4

43件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

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  5. 1つ

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2024/02/16

所々に読みにくい箇所はあるものの、今日の人類の繁栄に至った背景がよく理解できる名著。筆者のあとがきのAIの話も現実味を帯びていて恐ろしい。

Posted byブクログ

2024/02/05

面白かったけど下巻は特にずっと同じこと言ってるなって印象だった 冗長というか、もういいよって感じになってしまったな 家畜の辺りで突然表現が充実して惨憺たる様を伝え始めたから、絶対作者ヴィーガンじゃんと思ってしたらべたらやっぱりヴィーガンでした 小説以外の本を読むことがほぼ無い...

面白かったけど下巻は特にずっと同じこと言ってるなって印象だった 冗長というか、もういいよって感じになってしまったな 家畜の辺りで突然表現が充実して惨憺たる様を伝え始めたから、絶対作者ヴィーガンじゃんと思ってしたらべたらやっぱりヴィーガンでした 小説以外の本を読むことがほぼ無いのでいい経験になりました。

Posted byブクログ

2024/02/04

たまたま地球の王様となったサピエンスの歴史について追っていく内容。 認知革命のくだりが面白かった。サピエンスが虚構をつくり、それを信じるようになったからサピエンスは世界の王様になった。 最後の話はワクワクした。サピエンスがこれから幸福を本当に享受するにはどうすれば良いのか、、...

たまたま地球の王様となったサピエンスの歴史について追っていく内容。 認知革命のくだりが面白かった。サピエンスが虚構をつくり、それを信じるようになったからサピエンスは世界の王様になった。 最後の話はワクワクした。サピエンスがこれから幸福を本当に享受するにはどうすれば良いのか、、個人的には「足るを知る」ことをサピエンスが習得する必要があるのではないかと思う。

Posted byブクログ

2024/01/31

売れていたことは知っていた。文庫になったのを本屋で見かけて、今更ながら手を出した。 初めて知った事実はそんなに無い。しかし、何となく知っていることをすっきりと一連の流れの中で説明されると、成程なあと思わざるを得ない。 例えば、現人類の中にネアンデルタール人の遺伝子が含まれるとい...

売れていたことは知っていた。文庫になったのを本屋で見かけて、今更ながら手を出した。 初めて知った事実はそんなに無い。しかし、何となく知っていることをすっきりと一連の流れの中で説明されると、成程なあと思わざるを得ない。 例えば、現人類の中にネアンデルタール人の遺伝子が含まれるというのは、新聞たテレビのニュースで目にしていた。人類の中でサピエンスだけが生き残り、幾つもの幾つもの人類種が絶滅していった事実。サピエンスだって絶滅する可能性も大きくあったんだな。 例えば、キリスト教が興隆したのは偶然だったとする。ユダヤ教の一カルトで終わる可能性もあった。 歴史の先端にある現在をつい必然のように無意識で思っていたんだなと思い至る。 若い頃に読んだ栗本慎一郎の本に遺伝子である核酸の連なりが主人公で生命はそれを乗せる船に過ぎないという学説が紹介されていたことを思い出した。本書でも家畜化された植物や動物が遺伝子を繁栄させる戦略として語られる。核酸の連鎖に意思があるのかと不思議に思っていたけど、本書を読んで、そういうことかと得心した。偶々アミノ酸を合成し、子孫を残す能力を持った生命を生み出した核酸連鎖が当然、生き残ったということだ。 つまり、生命の誕生も人類の繁栄も偶々なんだな。 虚構を信じる能力の獲得、認知革命が人類を飛躍させたという。 農業革命は一人一人の立場では幸福を齎せていないという。それでも、農業に踏み出したら後戻りが出来なかったことが記述される。そういう機会は何度もあったんだるな。核実験に成功した時とかクローンの羊を生み出した時とか。 そしてサピエンスはどうなっていくのだろう。今までと変わらず、なるようにしかならないんだろうな。遺伝子のくびきを逃れ、遺伝子を操作する世になり、サイボークのようになり、またコンピュータと連動するようになる。 幸福はドパーミンなどの物質によりなら、何をあくせく生活する必要があるという判断だってあるだろう。それこそ脳内の電気信号となってサーバーの中で生き延びるという可能性だって出てくるだろう。 なるようにしかならないだろうな。本当にそう思う。

Posted byブクログ

2024/01/23

宗教は貨幣、帝国と並び人類統一の強力な方法である。アミニズムと宗教は他の生命体とヒトとを対等とするか、ヒトのみを格上とするかで根本的に異なる。宗教は単なる風習ではなく神との法的契約であり、異なる信仰を否定し破壊する。 自由主義、共産主義、資本主義、これらは自らをイデオロギーと称す...

宗教は貨幣、帝国と並び人類統一の強力な方法である。アミニズムと宗教は他の生命体とヒトとを対等とするか、ヒトのみを格上とするかで根本的に異なる。宗教は単なる風習ではなく神との法的契約であり、異なる信仰を否定し破壊する。 自由主義、共産主義、資本主義、これらは自らをイデオロギーと称するが言葉のあやに過ぎず、まさに宗教そのものである。 科学により人類はその数と消費エネルギー量を爆発的に増やした。科学革命とは無知であることをすすんで認めるという革命である。神に祈ることをやめ自然を数字という文字で記すようになった。そしてそれを産業と結びつけた。 近代以前の社会は進歩を認めていない。黄金時代は過去にあり現代は衰退していると考え、救世主を待ち望んだ。これに対し科学は死すら克服しようとする。死は運命ではなく単なる技術上の不具合と捉える。これを死を克服しようとした神話になぞらえギルガメッシュプロジェクトという。 強欲は善であり社会全体の利益になるというアダムスミスの主張は人類史上屈指の画期的思想である。資本の再投資による全体のパイ拡大がその思想の根幹である。中世の貴族たちは気前の良さをアピールするための浪費は行ったが、未来に投資する発想はなかった。 しかし強欲が善という思想は奴隷制を生んだ。キリスト教やナチズムは炎のような憎しみから大虐殺を行なった。資本主義は強欲と合体した冷淡な無関心から膨大な数の人間を死に至らしめた。 産業革命は個人を創出した。それまで個人で生きるなど不可能であり家族とコミュニティーの庇護がなければ没落する他なかった。国家や企業による警察、保険、社会保障サービスの発達により個人としては生きることが初めて可能となった。 幸福とは脳内物質の分泌であり、その量は歴史を通じ変化していない。セロトニンはある程度一定に保たれるように遺伝子的な制約を受けている。暑い時も寒い時も快適に部屋を保つエアコンのようなものである。 幸福について仏教は手に取ればすぐ失われる儚いものと捉えて、内的感情の追求をやめることを説いた。 生命工学の発達によりヒトは神になりかけている。AIはヒトを超える存在になる可能性がある。

Posted byブクログ

2024/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった!一度で全て理解できない(実になっていない)ので何度も読み返したい。 農耕革命によって農耕民の負担が増えたにも関わらず人類が農耕から手を引かなかった理由として、かつての狩猟民族としての暮らしを思い出せる人がいなかった&人口増加により引き返せなかった、というのが印象的だった。 暇と退屈の倫理学で、農耕革命で定住したことで暇になり文明が生まれたという記述があったが、矛盾しないのかな?気になるので調べてみよう

Posted byブクログ

2024/01/13

下巻は主に科学革命後のサピエンス史について書かれていた。全体として認知革命、農業革命、科学革命によってサピエンス社会は飛躍的に成長していく様がとてもわかりやすく書いてあった。種としては繁栄できたかもしれないがそれが個人の幸福を増大させたことにはならないし逆にそれぞれの革命で不幸を...

下巻は主に科学革命後のサピエンス史について書かれていた。全体として認知革命、農業革命、科学革命によってサピエンス社会は飛躍的に成長していく様がとてもわかりやすく書いてあった。種としては繁栄できたかもしれないがそれが個人の幸福を増大させたことにはならないし逆にそれぞれの革命で不幸を増しているかもしれないのは確かにと思った。 今後サピエンスはどのようになっていくのか、コンピュータに支配されるような社会なっていくのか、色々考えさせられる本だった

Posted byブクログ

2024/01/10

素晴らしいまとめ方。単なる人類史で終わるのかと思っていたが、最後の19章、20章で核心に触れてくる。長い歴史のなかで、狩猟採集時代から産業革命、IT革命、生物工学などを経て人類は様々な進歩を遂げてきたが、人々は「いったい何がしたいのか」という問いを読者へ問いかけている。 幸せを...

素晴らしいまとめ方。単なる人類史で終わるのかと思っていたが、最後の19章、20章で核心に触れてくる。長い歴史のなかで、狩猟採集時代から産業革命、IT革命、生物工学などを経て人類は様々な進歩を遂げてきたが、人々は「いったい何がしたいのか」という問いを読者へ問いかけている。 幸せを求めて政治政策や革命を興してきた人類だが、「果たして中世の農民よりも現代のビジネスマンが幸せだと言えるのか」という問いに対し本書のははっきりとNoと言っている。なぜなら幸せというものは、物質の豊かさは関係なく、セロトニンやドーパミン、オキシトシンへの脳科学的な反応であり、いくら社会が進歩したからと言って人々の脳内のセロトニン濃度が高まるわけではないからだ。 また、ここで仏教の考え方を持ってくるところも秀逸。人は快感を幸せと感じるが、それは長続きしない。本質的な幸せとは、寄せては返す感情の波に抗うことでも、返す波を引き留めることでもなく、ただその波を眺めることで得られる。 ただし、これからの未来についての見解は壮大な物語を予見している。AIと人間の融合によって、これからの人類はネアンデルタール人とホモサピエンスとの差以上に進化していくかもしれない。 人々はどこにいくのか。何がしたいのか。ネアンデルタール人の知能では私たちホモサピエンスの意識レベルを想像できないように、私達も未来の人類がどのような世界を生きているのか想像できないであろう。もしも物質=エネルギーであれば、私達もエネルギーの集合体であり、巡り巡って新人類に生まれ変わるかもしれない。その時まで想像を巡らし楽しみにこの世界を満喫すればよい。

Posted byブクログ

2023/12/23

 上巻と合わせて約一週間で一気に読んだ。単行本は読んでいたのだが、一回読んだだけではこの本の本当の凄さはわからないことを実感した。  D・E・リーバーマンの人体600万年史を読んだ時に認知革命の前に「共感革命」があるじゃないか、それに触れてないのはどーなの?なんて思ったのであるが...

 上巻と合わせて約一週間で一気に読んだ。単行本は読んでいたのだが、一回読んだだけではこの本の本当の凄さはわからないことを実感した。  D・E・リーバーマンの人体600万年史を読んだ時に認知革命の前に「共感革命」があるじゃないか、それに触れてないのはどーなの?なんて思ったのであるが、再読してみると、その事にはあえて触れてないことがわかる。それというのも著者の興味は「サピエンスの未来」にシフトしているのだ!  ホモデウスも再読することにしたいです。

Posted byブクログ

2023/12/23

サピエンスの歴史を振り返る続き。 大航海時代、産業革命、科学革命(イマココ)。 隣り合う大地から海を越えた地域の征服、熱を動力に変換した自動化、自らを滅ぼしかねない力の獲得(核、サイボーグ、AI)。 加速度的に未知の領域を自分たちのフィールドに変えていく快進撃の道半ばの今、サ...

サピエンスの歴史を振り返る続き。 大航海時代、産業革命、科学革命(イマココ)。 隣り合う大地から海を越えた地域の征服、熱を動力に変換した自動化、自らを滅ぼしかねない力の獲得(核、サイボーグ、AI)。 加速度的に未知の領域を自分たちのフィールドに変えていく快進撃の道半ばの今、サピエンスの幸福について言及しているところが本書らしく大変興味深い。 生物化学を、歴史研究を哲学に結びつける瞬間を見せてくれる。 幸福ホルモンが出る生活を求めるのがサピエンスの目指す道なのか。 ただし薬物投与は避ける。なぜ? 幸せは誰が決めるだろう。 仏教的な悟りに今のところ穏やかな幸せの可能性があるようだったが、自分自身の経験を思うと、なかなか同意しかねる。 確かに渇望は免れたが、何にも期待しない日常に面白みはないように思われた。 期待しない。 自分に、相手に、環境に、未来に・・ ただ生きている。 全て受け入れ流れゆくまま。 刹那主義が解決だとは思わないが、希望のない未来に生きる気力は到底湧き得なかった。 まだ仏陀の領域にはほど遠いということだろうか。 構わない。 自分は一度、幸せホルモン噴出を目指して奔走してみようと思う。 希望が努力を助け、嬉しさを育み、次の希望と努力を生み出す。 100年の人生をかけて喜び悲しみを積み上げることが、それほど浅はかなことだろうか。 どうしてもそうは思えなくて、 私は幸福を追求してみたい。 「欲望には際限がない」ということを知っているだけでも、一度陥った希望のない日々の経験と掛け合わせて、頭でっかちな幸福人生に近づけるのではないか。 乞うご期待。 最後に、翻訳が大変読みやすかったことに感謝。 それだけに訳者解説が本書の要約のみだったのが残念である。 苦労話や思い入れなど伺いたかった。 それとも今どきの翻訳本は、これくらいの読みやすさが当たり前なのか? 自分自身の常識革命も必要だ。

Posted byブクログ