サピエンス全史(下) の商品レビュー
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経済学部生として印象的だった第16章序盤の議論について。 「生産利益は生産増加のために再投資されなくてはならない(本文より引用)」とは、マックス・ウェーバーが「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で述べた「資本主義の精神」であり、近現代の社会を駆動してきた原動力でもあった。現在の我々の感覚からするとこの考え方はすんなり受け入れられそうだが、歴史を見ると当たり前の価値観ではなかったと筆者は指摘する。確かに冷静に考えてみると、利潤を再投資に回すインセンティブが生まれたのは、18世紀後半の産業革命によって規模の経済性が働くようになってからだと考えるのは妥当だろう。そこで本書では近代以降と近代以前を区別して、そこでの利潤をそれぞれ資本(capital)と富(wealth)と分類するこのにとってその違いを述べている。この分類方法は非常に明快で頭の整理に大いに役立った。
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下巻は「そうか、こんなことも知らずに私は現代の価値観に挟まれて生きていたのか、恥ずかしいな…」の連続だった。
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サピエンス全史、やっと全部読んだ。漫画版も一緒に読んだけど、これは感想を書くのはなかなかハードだ。 歴史観、人類、ホモ・サピエンス、農業革命、差別、侵略問題、さまざま新たな視点を得るにはとてもすばらしい読書体験だった。 本のことそのものではないけど、1番記憶に残っているのは、...
サピエンス全史、やっと全部読んだ。漫画版も一緒に読んだけど、これは感想を書くのはなかなかハードだ。 歴史観、人類、ホモ・サピエンス、農業革命、差別、侵略問題、さまざま新たな視点を得るにはとてもすばらしい読書体験だった。 本のことそのものではないけど、1番記憶に残っているのは、読んでいる途中に起きたMrs.Green Appleの「コロンブス」のMV事件。 「開拓」なんていえば聞こえはいいが、それは先住民からしたら「侵略」「略奪」「蹂躙」の悲惨な過去の歴史であり、それはたかだか200年や300年前の出来事だと思えば、まだまだ人は過ちをおかしていく生き物なんだろうなと感じた。 終盤の遺伝子操作や生命の拡張?の話やギルガメッシュ•プロジェクトのとこも興味深かったな。生成AIが解き放たれた今のハラリの話がきいてみたい。
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おもしろい!! 人類の歴史本かなくらいの軽い感覚で手に取りました。なめてた…。 「世界の見方が劇的に変わる!」の帯は大げさではない。 ホモ・サピエンスが他の人類種とは違う進化を遂げたのは何故か。から農耕・狩猟・統治・改革・宗教・哲学・資本主義や近代のグローバル化まで、人類が生...
おもしろい!! 人類の歴史本かなくらいの軽い感覚で手に取りました。なめてた…。 「世界の見方が劇的に変わる!」の帯は大げさではない。 ホモ・サピエンスが他の人類種とは違う進化を遂げたのは何故か。から農耕・狩猟・統治・改革・宗教・哲学・資本主義や近代のグローバル化まで、人類が生き延びていく為に使った知恵の全てが詰まっています。 事実しか書いていないのに、おもしろい小説のよう。 歴史、生物学的なだけでなく、あらゆる視点からの説明でおもしろい。 何年にこんな事した〜とかあんな事件を起こした〜とか教科書的な話ではなく、もっとヒトという生物はどこから生まれどこに向かっているのか…みたいな哲学的な感じも含む。「資本主義の地獄」が特に興味深い。 お恥ずかしい限りだが、知らなかった事だらけ。 読んで良かった。 読み返したくなるし、「ホモ・デウス」も読みたい。
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上巻に引き続き根気が必要だったが面白かった。 「原爆投下は戦死者を減らすため」だとか「核兵器のおかげで戦争が起きてない」とか言われると我々日本人は脊椎反射で何クソと憤慨してしまうのだけど、サピエンス史を語る上では遥か上空から俯瞰した視点が必要なのでこうした爆弾発言が成立する。おそ...
上巻に引き続き根気が必要だったが面白かった。 「原爆投下は戦死者を減らすため」だとか「核兵器のおかげで戦争が起きてない」とか言われると我々日本人は脊椎反射で何クソと憤慨してしまうのだけど、サピエンス史を語る上では遥か上空から俯瞰した視点が必要なのでこうした爆弾発言が成立する。おそらく全世界の人がこの本の何かしらに青筋を立てるだろう。笑 そもそもそうした国民としての自認すら虚構なのだ。 長々と歴史をなぞり終えて、未来の話になると一気にホラー小説と化していた。 それがフィクションだと笑い飛ばせるものではなく、現実味があるからより恐ろしい。 突然SDGsのような指針が世に現れたのは、ホモ・サピエンスが神の力を手に入れたことが背景にあるのかなと。
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高校で学ぶ世界史とは違う見方なので、面白いには面白いのですが、表現を変えて同じことの繰り返しになっているなぁと感じて、ワクワクしながらは読めなかったです。アジアは他の西洋と違うからで終わっちゃってるところもモヤモヤ。(サピエンス全史なのに?という感じがしてしまいました。)家畜の件は批判じみててフラットに見れてない感じがしたのもモヤっとしました。上巻は結構面白かったんですけどね。世界平和に関することも、戦争はなかったって言い切っちゃってていいの?なんか甘くない?って感じもあったし、書かれた年が少し前だったのでそういう認識だったのかと思いましたが、あとがきの部分で追加で載ってたので、「そうなっちゃうよなぁ」とは思いました。
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とても面白かった。いや、本当に。いわゆる小学生並みの感想になっちゃってるけど。冒険ものでもないのに、ワクワク・ドキドキ。知的好奇心をただただくすぐられる続けられる作品でした。 正直、上巻のサピエンス〜からのくだりの方が面白いだろうと思ってたけど、予想外に下巻の方がよかった。 自分...
とても面白かった。いや、本当に。いわゆる小学生並みの感想になっちゃってるけど。冒険ものでもないのに、ワクワク・ドキドキ。知的好奇心をただただくすぐられる続けられる作品でした。 正直、上巻のサピエンス〜からのくだりの方が面白いだろうと思ってたけど、予想外に下巻の方がよかった。 自分の知識、思考、思想に大きな影響を与えられた。この衝撃は、何十年か前に「銃・病原菌・鉄」を読んだ時以来かな。
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カズレーザーさんの帯コメント「ずーっとわくわくする」に共感!この手の本でこんなに読みやすい文体に感動。気の遠くなるような歴史を、こんなに楽しく書いた作者に拍手!と同時に、こんなに読みやすくしてくれた翻訳者:柴田裕之さんにも大拍手!!!
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ホモサピエンスがこの地球上でどのようなことをしてきたか、どのようなことをしているか、どのようなことをしようとしているかがわかる本。とてもおもしろかった。
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難しい内容だった。 要は人類をはじめとした生き物は現在進行形であり、これからもどの方向に向かうか分からない、ということ。
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