ばにらさま の商品レビュー
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山本文緒さん最後の作品。 ばにらさま 男を利用する美人 ブログの本音に主人公が気づき振ると彼女は食い扶持としてしか思ってなさそうなブログで終わる わたしは大丈夫 結婚もしたくなかった主人公。電球の取り替えで床に落ち下の住人にドンドンされて薬を大量に飲んで倒れ、不倫相手と結婚することに。前妻には多額の慰謝料、後遺症で主人公は働けない。人と一緒にいるのが嫌な筈なのに、流されるまま生きている。 文章が良かった 菓子苑 一番面白かった 女友達同士の話と思いきや後半に親子だと判明する。胡桃はやりたい放題で振り回される主人公に見えるが、過去に主人公も若く子供を産み旦那が嫌になって子供を連れて家出する。娘もそれを繰り返す。一緒に住む住まないは主人公は嫌がってるような見えたが、結局互いが依存し合っている。 バヨリン心中 ポーランド人と祖母の恋愛。東北の震災を機にポーランド人は母国に帰り別れてしまう。最後ポーランド人の孫に主人公が恋をして終わる 恋をするというのは生き物になるということ 20×20 物書きの主婦。リゾートマンションで缶詰。役所が猪を檻に捕まえてそれが怖くて逃げる。その間にマンションの知り合いが死ぬ。私はこのことも20×二十の原稿用紙に書くのだろうか。猪を捕まえるより醜い。 子供おばさん 昔の親友が四十代で死に、遺書に五百万渡す代わり飼ってた犬をもらってほしいと書かれていたと、その兄、昔主人公と付き合っていた男に頼まれる。主人公は結局犬と、親友が住んでいた長屋をもらう。そのために仕事も変える。七年会っていなかった親友。不倫をしていたから。その不倫相手の妻が手切で与えたのがその長屋。なぜ主人公にその犬を預けたのだろう?
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山本文緒さんの最後の作品集。先日、闘病日記の無人島のふたりを読んで、この作品を読まないと思い読んでみた。病床でこの作品が世に出るのを励みしていただけあってか読み応えはあった。でもなかなかページが進まない。ありきたりな日常、日々の何気ない生活描写が続くからかな。でも、そんな日常もそ...
山本文緒さんの最後の作品集。先日、闘病日記の無人島のふたりを読んで、この作品を読まないと思い読んでみた。病床でこの作品が世に出るのを励みしていただけあってか読み応えはあった。でもなかなかページが進まない。ありきたりな日常、日々の何気ない生活描写が続くからかな。でも、そんな日常もそれぞれの作品の後半でひっくり返る仕掛けがあった!驚いたらあっと!と思わらせたり。この手の作品は読んだことがなくて戸惑ったけど面白かったです。
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そうくるか!ってなる結末が多い短編集。 他人が本当に思っていることなんてわからないから考えても仕方ないね。
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『子供おばさん』が印象的だった。 40代半ばで同じように独身だった女友達の死に際し、自らのこれまでの人生を振り返る主人公。平穏さ、ささやかな幸せの記憶の中に「たられば」、葛藤が去来して切ない。 そんな彼女に女友達が託した遺品は、憐れまれていた自分も案外幸せな晩年を過ごしていたのよ、という主張であったと同時に、これからも人生を歩み続ける主人公へのエールであったのだと思う。
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山本文緒さんの最後の作品集。 「ばにらさま」白くて手が冷たい初めての恋人は、誰もが読めるインターネット上に心のつぶやきを綴っていた。 その内容がなんだか怖い。 人の心の光と闇。 今、ネット上のつぶやきは、良い意味でも悪い意味でも色々な影響を与えているような気がする。 「子供お...
山本文緒さんの最後の作品集。 「ばにらさま」白くて手が冷たい初めての恋人は、誰もが読めるインターネット上に心のつぶやきを綴っていた。 その内容がなんだか怖い。 人の心の光と闇。 今、ネット上のつぶやきは、良い意味でも悪い意味でも色々な影響を与えているような気がする。 「子供おばさん」は、なんだか身近に感じられた。 同じ年齢の女性でも、生き方は様々、生活の様相も異なる。 何もかも中途半端なまま大人になりきれず送り続ける日常。 それでもいいんだと、思えた作品でした。
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なるほど二度読み必至とはあの事だったのか 最初帯から『ばにらさま』が二度読み必至かと思い読み終えて悩んでた どうゆうこと?って 違うお話のことだったのね 『菓子苑』での親子関係は身近な親子でとてもよく似た親子を知っている いるんだよね、ほんと 育て方、間違えるとああなるんだよね
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女性の狂気的(?)な部分が炙り出されたような作品集。女性なら誰しも大小少なからずこんな部分がどこかに潜んでいるのではないだろうか。だから、人ごとのようで人ごとではない怖さがある。(って、そんなことはないか…?!) どれも読んでいて気持ちの良いお話ではないけれど、読まずにはいられな...
女性の狂気的(?)な部分が炙り出されたような作品集。女性なら誰しも大小少なからずこんな部分がどこかに潜んでいるのではないだろうか。だから、人ごとのようで人ごとではない怖さがある。(って、そんなことはないか…?!) どれも読んでいて気持ちの良いお話ではないけれど、読まずにはいられないお話なのは、さすが山本文緒先生!!特に気に入ったのは、「わたしは大丈夫」かな。あと、「菓子苑」も戦慄だった。
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光と闇が反転する瞬間を描き、微量な毒を感じる短編集。淡々と進む話の中で、雲行きが怪しくなり、ふいにぞくっとさせられる。そして、この感情どこかで味わったかもな...と共感が後を追ってくる。山本さんの他作品も読んでみたくなりました。
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平凡な日常に隠れた闇を抱く女性たちを綴った6編。 ミステリー小説さながらの叙述トリックと、後味の生々しい仄暗さに背筋がぞくりとした。 個人的に『バヨリン心中』は短編映画を見ているみたいで好きだった。
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大切すぎて発行されてから読めずにいたけれどヘトヘトになる日々に少しでも元気を出したくて読みました。 山本史緒先生から見える景色は私が見過ごしていることを書いてくれている。素敵な作品、多くの人に読んでもらいたい。
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