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の商品レビュー

3.7

148件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/09/02

列に並んでいる人達の話だけかと思いきや、実際はもっともっと深い話だった。 これまでの中村さんの作品では一番、入り込めた作品かもしれない。 ただ私の表現力が乏しく、それをうまくここに書けない焦ったさは残ってしまう。

Posted byブクログ

2024/08/30

現代社会を生きる私はどこかの列に並んでいるのかもしれない。他人と比べることでしか生きがいを感じられないのは言い得て妙。日本人だからなのか、現代の病理なのか。 薄気味悪くも、現実と非現実の狭間を漂う迷作。

Posted byブクログ

2024/08/26

難解な話で、文章の意味は分かりやすかったけどこの本のおもしろさを十二分に感受できなかった気がする。1/3くらいの長さのショートショートになっていたらもっと気楽に読めたと思う。 趣旨を理解できたらもっとおもしろかったと思うので、分かりやすく書いて欲しかった。

Posted byブクログ

2024/08/24

読み始め、あー、本当に列の話なのか、 このままずっと列について続くの? と思ったら、第二部でガラッと変わり、 雪山で石井を突き落とそうか、という描写の所で、 面白すぎて声をあげて笑いそうになった。 こんなシチュエーションになった事はないけど、 きっとこんな気持ちになるだろう、って...

読み始め、あー、本当に列の話なのか、 このままずっと列について続くの? と思ったら、第二部でガラッと変わり、 雪山で石井を突き落とそうか、という描写の所で、 面白すぎて声をあげて笑いそうになった。 こんなシチュエーションになった事はないけど、 きっとこんな気持ちになるだろう、って妙に笑えた。 後半になるにつれ、前半に描かれていた事が 何となく明るみになっていく スッキリしないけど、 スッキリしなくていいのかな、とも思う。 伏線回収して、終わる話ではない 列が永遠に続くように、この話も、 先があるような、無いような。 横にそれてもまた列が生まれる。 独りになりたくて列を外れても、またそこに列が生まれる 哲学的だし、ファンタジー的だし、絶望感だし 希望でもあるのかも

Posted byブクログ

2024/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第一部ではただ列に並んでいるだけだった。前の様子が気になったり、少し進んだり… 何の話かと思って第二部になり、全く別の話になったのかと思ったら、第一部の登場人物の話だった。名前や職業やお互いの関係性が明らかになっていく。 第三部で列に戻り自分自身と列の関係性が見えてくる。 複雑だったー。猿の話で離脱しそうだったけど、第三部まで我慢してよかった。あれがあの人だったのかーと分かってきた時は、ちょっとスッキリした。 無自覚に自分の中で、自分の列の順番を決めているのかもしれないと思う。 修理屋が言った「もし何かの列に先頭の人間がいたとしても、Tの字みたいに、多分どこかの列に接続しているんじゃないかな。…向きを変えれば別の比較になって、先頭じゃなくなる。全てトップの人間なんていないですからね。」に集約されるのではないかと思った。

Posted byブクログ

2024/08/04

面白かった。冒頭から引き込まれて、読みやすくて、一気に読めた。王様のブランチで又吉が紹介していて手に取った本。いつも自分が好きな系統の本ばかり読んでいたけど、違うジャンルの本は違う気づきがあって面白いんだなと気づけた。 列から外れること、列に並ぶこと、全てが人間の本質と重なって...

面白かった。冒頭から引き込まれて、読みやすくて、一気に読めた。王様のブランチで又吉が紹介していて手に取った本。いつも自分が好きな系統の本ばかり読んでいたけど、違うジャンルの本は違う気づきがあって面白いんだなと気づけた。 列から外れること、列に並ぶこと、全てが人間の本質と重なっていてゾッとした。人より損はしたくないところ、列を外れた人の行動に嫉妬したり、その人がその後うまくいっていなくて安堵するところ、自分が選択したことに後悔したくなくて目を背けるところ、愛する人より自分の前進が大事なところ、前の人は気になるけど自分より後ろの人に興味がないところ、後ろに人がいることで、裏ましがられることで優越を感じるところ...。 自分の前にいた先輩が研究の道を諦めたら口角が上がる。一つ前に進めるから。 人が並ぶから、人が欲しがるから価値が上がる。 積み上げてみたことが無くなるから、現状から動けなくなる。 始めの一文、「ーーこの世界には列が多すぎる。」が読み終わった時に心にずっしりと刺さった。 個人的には、列から外れて人のその後が知りたかった。列の外には、幸せがあったのか、それとも後悔なのか。 「昔はこんなに、色々知らなきゃいけなかったかな。ニュースとか、知り合いの近況とか。.....ここまで知る必要、ないんだけど。昔はこんなにも、周りを見ないといけなかったな。」 「彼女は私より、遥か前にいるような人間に見えた。でも後ろにいた。外からじゃわからないのだ、本当のことは。」 「何かの競争や比較から離れれば、今度はゆとりや心の平安の、競争や比較が始まることになる。私たちはそうやって、互いを常に苦しめ続ける。」

Posted byブクログ

2024/07/24

私は「自立」と「列に並んでいないようにみせられるか」の列に並んでいるような気がします。男性の性欲の描き方と女性の性の対象としての描かれ方があまり好きではありませんでしたが、おおむね面白かったです。

Posted byブクログ

2024/07/11

目的も分からず、ただ列に並ぶ。 不条理劇的な感じで最後まで行くのかと思ったら、後半はリアルな現実生活と関連していく。 列に並ぶという、極めて動きの少ない事柄でもちゃんと読めるというのは著者の筆力なのかな。 女性が何となく消費財のように扱われている感じがする。そこがちょっと。

Posted byブクログ

2024/07/07

意味も分からず列に並ぶ。現実での生活と列に並ぶという行為の時とが交差しながら我を見つめ直す。 意外に前向きな小説??

Posted byブクログ

2024/06/30

『教団X』以来の中村文則さん。 『教団X』も夢中で読んだが、今回も面白かった。 “あらゆるところに、ただ列が溢れているだけだ。何かの競争や比較から離れれば、今度はゆとりや心の平安の、競争や比較が始まることになる。私達はそうやって、互いを苦しめている”単行本帯より 中村さんの小...

『教団X』以来の中村文則さん。 『教団X』も夢中で読んだが、今回も面白かった。 “あらゆるところに、ただ列が溢れているだけだ。何かの競争や比較から離れれば、今度はゆとりや心の平安の、競争や比較が始まることになる。私達はそうやって、互いを苦しめている”単行本帯より 中村さんの小説は『教団X』でもそうだったような記憶があるのだが、人間に深く絶望しながらも、人間をあきらめていない。 長く深く闇を見続けたひとだけがみえる光のようなもの、が、あるのだと思う。 その、光のようなもの、に向かって歩いていくしかないよね、みたいな、励まされた気分になった。 あとがきも、なんてことない言葉だけど、いい。

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