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トゥルー・クライム・ストーリー の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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2023/12/22

大学学生寮から女学生が失踪して6年。事件を取材するイヴリンが関係者への取材をレポートし、犯人を特定されるも殺害される。 関係者達の話と合間にイヴリンの取材のまとめが入ると言う形式で進められて行く。ミステリ性は薄いが、自己保身の為に関係他者をけなし、夫婦間、親子間でも互いを疑う人間...

大学学生寮から女学生が失踪して6年。事件を取材するイヴリンが関係者への取材をレポートし、犯人を特定されるも殺害される。 関係者達の話と合間にイヴリンの取材のまとめが入ると言う形式で進められて行く。ミステリ性は薄いが、自己保身の為に関係他者をけなし、夫婦間、親子間でも互いを疑う人間の本質が怖かった。

Posted byブクログ

2023/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

凄く分厚いけど、気付いたらあっという間読み終わってた。 インタビュー形式だから地の文はなく、序盤はキャラクターの多さに戸惑うが同じ人が何回も出てくるのでそのうち覚える。 途中で嫌な奴ばかりしか出てこなくなるのが酷すぎて笑えてきました。 著者が本書を書いた人のを編集して追加で取材文を載せたのを読者が今読んでいるというのも何が嘘か本当か分からなくなる構成も読み終わってからも、物語を整理してもしかして本当はこうなのかな?と色々考えるのも楽しかった。 私は著者が犯人や黒塗りの部分で、怪しく思いラスト近くは嘘を書いてると思いましたが、それがほんとはどうなのかはわからないのが面白いですね。

Posted byブクログ

2023/11/29

メタフィクションで当事者たちのインタビューをもとに話をすすめていくのは私にとっては初めてだったので面白く読めました。 前者のインタビューを受けてのインタビューだったり、イブリンと作者のメールでいったん情報を整理したりと読み手への読みやすさも考えていてとても良かったですし、何よりで...

メタフィクションで当事者たちのインタビューをもとに話をすすめていくのは私にとっては初めてだったので面白く読めました。 前者のインタビューを受けてのインタビューだったり、イブリンと作者のメールでいったん情報を整理したりと読み手への読みやすさも考えていてとても良かったですし、何よりでてくる登場人物がこういう人居そうなのがとても良かったです。 犯人はまあコイツだろうって感じですが、それを含めても個人的には面白かったです。 次に同じ形式を読んだときにどう思うかはわかりませんが。

Posted byブクログ

2023/11/29

第二版刊行に寄せて、作者がコメントしている。本書の最初に。 ”一方で、私に対する中傷や人格攻撃、家族に対する脅迫が目に余ることも事実です。家族への脅迫を黙って見過ごすわけにはいきません。” 悲しいことである。作者本人が書いているように、 ”世の中の関心が低俗で些末なディテール...

第二版刊行に寄せて、作者がコメントしている。本書の最初に。 ”一方で、私に対する中傷や人格攻撃、家族に対する脅迫が目に余ることも事実です。家族への脅迫を黙って見過ごすわけにはいきません。” 悲しいことである。作者本人が書いているように、 ”世の中の関心が低俗で些末なディテールではなく、ここで描かれた犯罪の真の加害者と真の被害者へと移るよう願ってやみません。” ほんと、そう。 出だしから、かっこいいぜ。 でも、最初の方の関係者のインタビュー、頭に入ってこない。その人物がどういう関係で、という情報を入れてほしい。 インタビュー長すぎる。ちょっと読むの中断。

Posted byブクログ

2023/11/19

CL 2023.11.16-2023.11.19 女子大学生の失踪事件を、数年後作家のイヴリン•ミッチェルが取材し、ジョセフ•ノックスが編集するというメタフィクション。 地の文は一切なく、全編関係者へのインタビューとメールやSNSへの投稿記事、写真等で構成されていて、フィクション...

CL 2023.11.16-2023.11.19 女子大学生の失踪事件を、数年後作家のイヴリン•ミッチェルが取材し、ジョセフ•ノックスが編集するというメタフィクション。 地の文は一切なく、全編関係者へのインタビューとメールやSNSへの投稿記事、写真等で構成されていて、フィクションの体裁。 関係者のインタビューは、当人に都合よく語られそれぞれの話はずれまくっているし、何がほんとか嘘か。作者自身も登場して曖昧さはさらに深くなり、だれを、何を信用していいのかわからなくなる。700頁近い大部でありながら最後まで中弛みすることなく面白く読めた。

Posted byブクログ

2023/11/19

女子学生の行方不明事件を追うライターの取材記事と、それをライター仲間に相談するメールとが交互に書かれる形式で進むストーリー。取材記事は、関係する学生たちの証言の形で書かれている。登場人物がたくさんいて、なかなか読むのが大変だった。 結末も、何だが納得できたんだかどうか…?

Posted byブクログ

2023/11/12

著者が作劇中の語り手として登場し、作品中で「実際に」起こった事件の謎解きをするいわゆるオーラルヒストリー仕立てのミステリーという趣向。事件関係者へのインタビュー録音の書き起こし文でほぼ構成されていて、オーラルヒストリーものらしく、それぞれが自分に不都合なことを伏せていたり、逆に都...

著者が作劇中の語り手として登場し、作品中で「実際に」起こった事件の謎解きをするいわゆるオーラルヒストリー仕立てのミステリーという趣向。事件関係者へのインタビュー録音の書き起こし文でほぼ構成されていて、オーラルヒストリーものらしく、それぞれが自分に不都合なことを伏せていたり、逆に都合よく語ったりという「歪んだ事実」の出来が、この事件関係者のキャラクター造形とあいまっていたし、ちゃんとチェックしたわけではないけど、全体として矛盾点や破綻しているというところがなく良く出来ていると思った。全体のあらすじも、こういった特異な語り構造でなくふつうの小説で書かれたものだったとしても面白かったと思う。

Posted byブクログ

2023/11/12

ものすごく分厚いのですが、途中失速することなく、最後まで楽しめました。 この作品には地の文がなく、作家イヴリン・ミッチェルが10年前の女子大生失踪事件の関係者への取材からの原稿、メールなどの資料から成っています。取材も個々へ行っているのに、それを時系列や内容毎に細かく分けて並べ直...

ものすごく分厚いのですが、途中失速することなく、最後まで楽しめました。 この作品には地の文がなく、作家イヴリン・ミッチェルが10年前の女子大生失踪事件の関係者への取材からの原稿、メールなどの資料から成っています。取材も個々へ行っているのに、それを時系列や内容毎に細かく分けて並べ直しているので、まるで、同時に取材を行ったかのように感じられ、状況が把握しやすく、矛盾もより分かりやすくなっています。 嘘なのか、記憶違いなのか…。嘘だとしたら、誰がついているのか…。 関係者の顔写真、Facebookの投稿、新聞記事などが途中に入ることで、まるで、本当に起きた事件のような錯覚に陥るのも面白く、さらに、作者ジョセフ・ノックス自身が関係者として登場し、作品そのものが真実を語っているのかも疑わしくなります。 ぐいぐい引き込まれました‼️

Posted byブクログ

2023/11/10

全編、登場人物へのインタビュー、作者と協力者のメール、新聞記事、メールと写真でいわゆる地の文がない。映画で言えばフェイクドキュメンタリーみたいな作り。メールには黒塗りがあるけど、これは何を隠してるんだろう。写真というのも斬新。役者さん? 中盤はちょっとタルい印象があったけど、後半...

全編、登場人物へのインタビュー、作者と協力者のメール、新聞記事、メールと写真でいわゆる地の文がない。映画で言えばフェイクドキュメンタリーみたいな作り。メールには黒塗りがあるけど、これは何を隠してるんだろう。写真というのも斬新。役者さん? 中盤はちょっとタルい印象があったけど、後半そして終盤に向けては一気に読んだ。ただ、最後に至ってもわからないままのことはけっこうあって、注意深く読んだら実は別の真相があったり、、しないかな?!

Posted byブクログ

2023/11/06

 驚愕の結末でシリーズ三部作を終えたJ・ノックスの次なる弾(たま)が楽しみだったが、その要求にしっかり応えてくれたようなノックスらしい一作。何と、驚愕の結末の次は、驚愕の構成と来たのである。何しろすべてがインタビューとメール往還のみで成り立ったアンチ小説とでも言いたくなるくらいの...

 驚愕の結末でシリーズ三部作を終えたJ・ノックスの次なる弾(たま)が楽しみだったが、その要求にしっかり応えてくれたようなノックスらしい一作。何と、驚愕の結末の次は、驚愕の構成と来たのである。何しろすべてがインタビューとメール往還のみで成り立ったアンチ小説とでも言いたくなるくらいの奇妙な体験を、読者は体感することになる。ノックス弾、またやってくれたな、という苦笑と共に、少し慣れない読書時間がのろのろと始まる。  最初に本書を手に取った読者はその分厚さに気圧されるかもしれないが、じつは口語体で多くの人物に事件の周辺を語らせることから始まるこの物語の読み解き方は前衛的でありながら、実は現代という複層したメディアに対し、開いてその活字を読む本という形でのある意味でのチャレンジであるようにも窺え、若い作者ならではの意欲を感じさせもして、どこか頼もしい気がする。  この形式であれ、多くの事件関係者のインタビューを読んでいる間に、何が起こっているのか、その虚実が読者には次第に判明してくる。登場する人物たちのキャラクターや事件の背景も徐々に浮き上がってくる。本当に徐々に。切れ切れのインタビューの合間には、取材者と本作の作家ジョセフ・ノックスその人との間に交換されるメールの文面も挟まれる。怪しげな黒塗りの削除はまるで読者を嘲笑うような、読者への挑戦のような。ノックス、また奇術的な作品を作ってくれたではないか。  次々と現れる女子学生失踪事件の関係者。女子学生の両親も凄く怪しいし、父親の異常性が、本作はサイコなのか? それともこれもまた作者の仕掛けたミスリードなのか? といった疑念を読者に生じさせながら、事件の裏に広がる闇へと向かう読者側の好奇心を嫌でも掻き立てる。口語体のインタビューの合間に新聞記事や、暴露写真などが挿入される。  ほぼ半分を読み進むと関係者たちの個性や、失踪事件の本人である女子学生ゾーイ、彼女がいた奇妙な学生寮という名の魔窟の存在が明確になってゆく。しかし行方不明の真相に辿り着くまでは二転三転がある。インタビューの間に多くの登場人物たちの人間関係図にも変化が起こり、より真実らしい証言が増えてくる後半部は、関係者系図をより拡大させたりと、ページを繰る手が止まらなくなる。ノックスは本書に登場し、事件に関わりながら、新たな殺人事件にも直接的に関係を始める。  どこまでが作品でどこまでが作者の真実なのか、そんな曖昧さでリアルとフィクションの境界線を曖昧にしながら、世界が膨らみと広がりを見せつつ、事件は終息へ。そして多くの人間関係図もやがては明確になってゆく。  本書で味わえるのは、まさに異次元の読書体験。リアルとフィクションの危うい境界線を綱渡り的に辿るなかなかに貴重な読書体験なのであった。最近は、ホリー・ジャクソンのピッパ三部作のようにメディアや現代テクニックを用いた捜査手段や表現種類が急激に広がりを見せている。そんな時代を早期に感じて作り上げられたその一つが本書なのかもしれない。新たな読書体験と楽しみ方を本作で是非ご体感頂きたく思う。

Posted byブクログ