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トゥルー・クライム・ストーリー の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

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    8

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2024/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。映像で見たほうがもっとわかりやすくて楽しめると思う。「アイ、トーニャ」とか「アメリカンアニマルズ」のような手法で作ったら良いんじゃないかな。二つとも実際の出来事で、役者が演じる当事者がインタビューに答えているので。 この作品はまるっきりのフィクションではあるが、じゃあそこに作者が投入される意味とは?とは考えていると、ちゃんと出てくる。最初のほうで言ってた最悪な出来事ってこれか~となる。 インタビュー形式なので読みやすかった。なんかこういう、一見すると事実に見える事実の羅列って、映画「サーチ」みたいな読み取りを読者にさせるので没入感があって面白いなと思った。類似で『ポピーのためにできること』も挙げられていたが、10年くらい前にSFでメールなどのやり取りのみの形式の小説もあったなあと思い出した。 で、内容。とにかく、みんなが信頼出来ない語り手で、主観のみで構成されるのでややこしい。二人以上の証言があれば真実みたいな判定していけば良いが、とにかくややこしい。 結局、誰もが自分の都合の良いように嘘をついてたり黙っていたりするので、最後に明かされる犯人もどうなんだろうという疑いが残る。まあそれ含めて面白かったが。 二人だと思っていた人物が一人だったとはな。でもやっぱ最後のとってつけたような犯人の経歴は、作中でうかがえなかったので、ちょっとアンフェアだなと感じた。 それ含めて作者の手のひらの上なのかも。わざわざ第二版で、作者の追加修正が行われてるわけだし。 映像化するなら、そこらへん膨らませて多重解決モノとしても描いて欲しいかなと思った。 いやでもエンタメとしては面白かったが、結局ゾーイがどんな人間だったのか、死んだのか、死体はどうなったのか、わからないな。 マムードが言ってたように、どこかの倉庫に監禁されて死んでたりとか?

Posted byブクログ

2024/07/19
  • ネタバレ

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最初のモヤモヤが、読後強まるタイプの稀有な作品。 作者が作者として登場するメタ的要素、インタビューで展開される物語だが誰もが嘘を吐いている気配、執筆者に不幸があったことを示唆されたまま進む不穏さ、あらゆる仕掛けが集約され、錯綜して進んでいく。 真実の全貌(トゥルー)は作者自身しか知り得るはずがないというのに、この作品のタイトルを「トゥルー・クライム・ストーリー」として冠して出版しているところこそ、なんともモヤモヤさせる。この狙いにはやられた。 読み進めるのに若干冗長さを感じてしまった分星4つにしたが、一応の「真実」を知って読み直すのも良いかもしれない。

Posted byブクログ

2024/05/22

女子大生失踪事件に関心を持った作家が関係者への取材を開始。 インタビュー内容の食い違いがあり嘘をついている人がいて人間の汚い部分が見えてくる。関係者は誰も信用できず、終始不穏で気味の悪さが漂っていた。 最後まで読んでみて真相すら本当なのか?と疑わしくてとてもモヤモヤしたまま。 ...

女子大生失踪事件に関心を持った作家が関係者への取材を開始。 インタビュー内容の食い違いがあり嘘をついている人がいて人間の汚い部分が見えてくる。関係者は誰も信用できず、終始不穏で気味の悪さが漂っていた。 最後まで読んでみて真相すら本当なのか?と疑わしくてとてもモヤモヤしたまま。 インタビューだけで進み、本の中で著者まで登場するものは初めて読んだから新鮮だった。

Posted byブクログ

2024/05/18

大作ですね。一気に読み終わりました。 スムーズに読み終わったのですが最後の最後でストーリーがわからなくなつてしまいました。

Posted byブクログ

2024/05/08
  • ネタバレ

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全編がほぼインタビュー形式の会話文で、なおかつ色々な人の会話が時系列で記載されている。 なかなか面白くはあるのだが、このタイプはどうしても展開が遅く、ページ数も多くなりがち。 最後に一気に展開が早くなり、終わり方も中途半端な印象。 結局メインテーマであったはずのゾーイはどうなった? ぼかしたままで終了。キムの誘拐も必要だった? ちょっと残念。

Posted byブクログ

2024/05/04
  • ネタバレ

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ある女子大生の失踪事件を新進のルポライターが関係者へのインタビューを重ね、事件の全貌をあぶり出すのだが、ルポライターが語り部ではなく、作者であるジョセフ・ノックスが語り部になる。 インタビューで語る人、それを書くルポライター、それを語る作者。 事件を取り巻くさまざまなことを、複数の人を通した視点で読者に提示される。 どこかで意図的にバイアスがかかっていたり、側面でしか語られないことが多いため、非常に気持ち悪い状態で物語は進む。 最後は一応の決着はつけるが、すべての伏線は回収されない。 肝心要の失踪事件は未解決のまま終わる。 700ページ近く読ませての消化不良感は半端ない。 でも読ませる。 インタビュー形式で浮き上がってくるのは、人は第三者として事件を語るとき、見栄を張り、自分をよく見せようと飾り立てることである。 そして、不利なことには口を閉ざす。 そのインタビューの中に、本当の真実の犯罪者の声がある。 単なるミステリーではなく、人の業の深さをインタビュー形式で炙り出す物語でもある。

Posted byブクログ

2024/05/04
  • ネタバレ

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メタフィクションというのか…現実で起こったみたいな気持ちになる。このミスで知って図書館で借りてみたら、あまりの厚さにちょっとしりごみしてしまったが(愛用のブックカバーがパツパツ)、地の文はなく、インタビューしたものを時系列に繋げていく感じで進むので読みやすかった。世界観に入り込めた。登場人物みんなが疑わしい。けどあまりにいい人すぎて、ん?って思ってたらやはり…。犯人は判明してもゾーイはどうなったのか…。取材してたイヴリンの事件も解決していないが現実だったらそういうものか。双子の片割れのキンバリーが呪縛から解放されて?自分の人生を生きていることが救いです。

Posted byブクログ

2024/03/27

ずーっとインタビュー形式で進むので、あの時なんて言ってたかな?と、行きつ戻りつ楽しめました。最後まで先が読めない展開でおもしろかったです。

Posted byブクログ

2024/03/17
  • ネタバレ

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ジャニス・ハレット×アンソニー・ホロヴィッツ×ホリー・ジャクソン。 ほぼ全編に渡りインタビュー形式の発言で構成された一冊。 ときおり章間にメール形式の会話が挟み込まれるのだが、このやりとをしているのが作者ジョセフ・ノックスと、彼が『堕落刑事』刊行イベントで知り合うことになった鳴かず飛ばずの作家イヴリンというメタフィクション的設定。 ホロヴィッツのホーソーンシリーズだったり、クツェーの『遅い男』だったり、最近では小川哲さんの『君が手にするはずだった黄金について』だったり、メタフィクションというのはなぜだか読者心をとんでもなくくすぐられる設定だと思う。 小説内の世界と現実が溶け合う感じになんとも言えぬ没入感を感じるのだ。 それに加えて地の文が一切ない斬新な形式とポイントで挟み込まれる写真や新聞記事形式の紙面。 近年ときどき見かける伝統的な小説形式に対する挑戦的なメディアミックス手法を引っ提げた作品には、それだけでわくわくしてしまう。 (とはいえこの手法で600ページ強をやり切られると、辛く感じる人もいるかもしれない。ちょっと長い。) キンバリーとゾーイの双子。 そっくりな二人だが、歌の才能の面でも人を惹きつける面でも、妹ゾーイの方に軍配が上がり、姉キンバリーはいつも「じゃない方」の人生を歩んでいた。 大学では歌の道に進むゾーイとは離れ、一人の道を歩み始められるかと思いきや、受験に失敗したゾーイはキンバリーと同じ大学へ通うことに。 あげく、同じ寮で暮らし、傷心ゾーイの見守り役までも押し付けられる始末。 大学入学後はなんやかんやでルームメイトやキャンパス内の友人達と華の大学生活を送っていた2人だが、クリスマス休暇を控えた学期末のパーティの場を最後に突如ゾーイは姿を消す。 事件から7年。ノックスのファンであることから交流があったイヴリンは、ノックスにアドバイスを仰ぎつつ、関係者達に幾度となくインタビューを行い、真相を求めこの事件を掘り起こし始める。。 その形式により、関係者間の発言の不整合、いがみ合い、嘘が増長され、どこに事実があるのかすら不確かな形で時の経過が語られてゆく。 それでも『ポピーのためにできること』ほどのぶつ切り感はなく、発言を繋ぎ合わせて見えてくるピースの欠けた不完全な絵にはなかなかに惹きつけられる。 途中ノックス自身の思わぬ関与までもネタとして出てきて驚きなのだが、「あれ、で、あれはそれだけ!?」で終わってしまう。 が、解説千街さん言うようにもう少し穿った見方をしてみると、また一層ダークな味わいを楽しめるのかもしれない。 早く『堕落刑事』も読まなくちゃ。

Posted byブクログ

2024/03/17

女子学生ゾーイの失踪事件からまもなく7年が経過しようという頃、その謎を解き明かそうと取材と執筆を始めたイヴリン。しかし彼女に何かが起こり、その原稿を作家のノックスが引き継いだ。ゾーイの双子の姉、ボーイフレンド、友人たちからの証言をもとに組み立てられる物語から真相は導き出されるのか...

女子学生ゾーイの失踪事件からまもなく7年が経過しようという頃、その謎を解き明かそうと取材と執筆を始めたイヴリン。しかし彼女に何かが起こり、その原稿を作家のノックスが引き継いだ。ゾーイの双子の姉、ボーイフレンド、友人たちからの証言をもとに組み立てられる物語から真相は導き出されるのか。 ほぼ関係者のインタビューという形式で構成されているので、客観的な視点はまるでありません。実際に起こったことの真偽すら怪しく、錯綜しゆがめられた証言のせいで各登場人物の印象もころころと変わってしまい、不安定な読み心地でした。もちろんそれこそが作者の狙いなんでしょうね。そして傍観者であるはずのイヴリンとノックスのやりとりにも何か不穏なものが……いったい誰を信じればよいのか、そして真相は解き明かされるのか。そしてそもそも姿を消したゾーイはどのような人物だったのか。新たな事件が起こるようなことはほぼないものの、ぐいぐい読ませられました。

Posted byブクログ