サキの忘れ物 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
どの物語も、普段の日常的で起こりそうなんだよなあ、と思う。ありふれていそうな事が、津村さんの手にかかると途端に面白くなる不思議。「行列」 も「河川敷のガゼル」も、ガゼルが何なのか、何を見るために行列に並んでいるのか明らかにされないし、読者の想像でしかないけれど、自分が体験したような既視感のある風景が浮かんでくる。 「サキの忘れ物」は素敵な物語だった。仕事って誰もが楽しく働けるわけじゃないし、色々な思いを抱えながらやってるけど、もし一つでもこんな経験があれば、それを糧に働いていけるんだよなあと思う。
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「隣のビル」がだいぶよかった。 言葉にしづらいできごとがあって、どうにもできないと思っていたら、なにかきっかけがあって動き始め、動き始めたことに主人公が気づいて、おそるおそるでもちょっとずつ動かしていく感じ、津村さんの物語でよく見るような気がする。 初めは受動で、なにかに転がさ...
「隣のビル」がだいぶよかった。 言葉にしづらいできごとがあって、どうにもできないと思っていたら、なにかきっかけがあって動き始め、動き始めたことに主人公が気づいて、おそるおそるでもちょっとずつ動かしていく感じ、津村さんの物語でよく見るような気がする。 初めは受動で、なにかに転がされているのかと思ったら、のろのろと能動になってやがて立ち上がって歩いていくような。 なんともひょうひょうとした感じの津村さんの文章、面白い。
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普通ーであってもおかしくない状況が全然普通じゃない世界。どれも静かにながれる川のようだった。好きだったのはずっとガゼルを見ていた少年
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#サキの忘れ物 #津村記久子 さん #読了 淡々と綴られた日常にありそうな話を一風変わった内容にし、集めた短編集。「アレ」を見るために行列に並ぶ話の「アレ」とは何かと色々想像してしまった。ゲーム形式で進み色々なエンディングになる短編も面白かったし、表題作も好きでした。斬新。
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風変わりな短編小説だな、というのが第一印象。 気付けばページをめくる手が止まらず、そのひとの他の本をチェック。 不思議。
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装丁がかわいくて手に取ったけど なかなか読み進めれなかった。 世界観が私には理解できないものが多かった。 本のタイトルにもなってるサキの忘れ物のお話が1番よかった
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津村作品の好きなところ。 少ししんどい(けどまだ本人は耐えられているのがミソ)状況に、フッと風穴が開くところ。 名前も知らない隣人(街の人くらいのニュアンス)が、その風穴を開けていくところ。 風穴が開いたその瞬間、私たちの人生に活路が生まれる。行き止まりだと感じていた道に、分岐が...
津村作品の好きなところ。 少ししんどい(けどまだ本人は耐えられているのがミソ)状況に、フッと風穴が開くところ。 名前も知らない隣人(街の人くらいのニュアンス)が、その風穴を開けていくところ。 風穴が開いたその瞬間、私たちの人生に活路が生まれる。行き止まりだと感じていた道に、分岐があることに気付く。 本作も、表題作『サキの忘れ物』ほか、好きだな〜と感じる作品が並ぶ。主人公だけでなく、読者の生活にも風穴を開けてくれる。 さらに、挑戦的な構造の作品がいくつかあり面白い。 読まれる際は、ペンと紙をお忘れなきよう。
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いろいろな趣きを楽しめる短編集。 表題作は、素敵で温かい気持ちになった。 「行列」はなんとも言えないもぞもぞした感覚に。 世の中そのものが、〝あれ〟の行列に並んでいる人のように お得と思っていたら、あれこれ売りつけられているのかな〜と思ったり。 「Sさんの再訪」はラストのキレが最高! ゲームブックは、何度かバッドエンドになりながらも いろんな経路をじっくり楽しめた。 物語そのものは不思議な感じ。 ちゃんと人と関わろうとすると救われ、 知らんぷりするとバッドエンドになりやすいのかな、と。
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独特な世界観。 味わったことのない感覚。 そんな短編集だった。 表題作の「サキの忘れ物」は好き。 「ペチュニアフォールを知る二重の名所」も楽しめた。 あとは…今ひとつピンとこず。
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