サキの忘れ物 の商品レビュー
なんとなく、どこかしらクセ(個性?)のある人たちが主役の短編集。 表題作「サキの忘れ物」、何にも興味がもてない、何をしたらいいか分からない千春が、本を読んでみたいと思うようになったこと、分からないことを分かりたいとするところが、心に刺さった。 1篇ずつ趣の異なるストーリーが展...
なんとなく、どこかしらクセ(個性?)のある人たちが主役の短編集。 表題作「サキの忘れ物」、何にも興味がもてない、何をしたらいいか分からない千春が、本を読んでみたいと思うようになったこと、分からないことを分かりたいとするところが、心に刺さった。 1篇ずつ趣の異なるストーリーが展開されるのだけれど、あまりにさらっと読みすぎたなと、解説を読んでちょっと後悔。 さらっと読めてしまうんだけれど、じっくり考えながら味わいながら読むと、もっと違う世界が見えただろうか。
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なんというか、体温の低そうな主人公があまり起伏のないようにみえる時間を過ごしながら、でも確かに変化していくようなお話たち。 さらっと読めて、でもじわっと効いてくる感じがたまりません。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
友人二人が激賞していたので借りてみる。『うどん陣営の受難』がとっても良かった事も後押し。 頭の中でさらさらと流れてゆく考えをそのまま文章にしたような文体。だんだんクセになってくる。 『サキの忘れ物』千春18歳の、自分を世界にどう位置づけていいやら分からないどころか、自分自身を捉えられてない心もとなさは「おお…久しぶりかつての私」という感覚だった。何気ない事がターニングポイントだったりする。サキの短編集を読んでみたい。 『王国』網膜のなんかの影?を目で追う為に白目剥いちゃった記憶あるなぁ。怒られたねぇ。 『行列』素晴らしい。現代寓話。うんざりだと思ったらドロップアウトして、別の場所に行くのは有りだと思う。ここでも「おお…略」 『河川敷のガゼル』生きながらえる事だけをより良い事とする怖さ。他の生物が与えられるものなんて限定的なものだし、幸せは自分で決めていくしか無いのに。 『真夜中をさまようルールブック』ルールブック!!?小学校の頃男子同級生が貸してくれたぶりだ!攻略法を覚えてないぞ!すごく行ったり来たりしたけど楽しかったです。 『隣のビル』現実逃避の為の妄想をやっちゃった人のお話。シュミレーションするだけだと思ってた事が現実になる事ってままあるな。 もう完璧に津村記久子ファンになりました。
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「サキ」が大好きなので表題作を一番楽しみにしていた。 でも思ったのと違った…他の話も好きになれなかった。
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ちょっと実験的な作風のつまった短編集。「真夜中をさまようゲームブック」が特にそう。おもしろいね。【2024年2月16日読了】
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津村さんの作品は、同じ境遇にある人たちの心の中の動きがつぶさに描かれていて、え?私の声?とか、同じ立場だったらそう感じちゃうよね〜という共感半端ない。大きな事件が起きるわけでも、大きな嬉しいこと、大きな悲しいことが起きるわけでもない。でも人は生きていくわけで、そのための一歩踏み出...
津村さんの作品は、同じ境遇にある人たちの心の中の動きがつぶさに描かれていて、え?私の声?とか、同じ立場だったらそう感じちゃうよね〜という共感半端ない。大きな事件が起きるわけでも、大きな嬉しいこと、大きな悲しいことが起きるわけでもない。でも人は生きていくわけで、そのための一歩踏み出すためのエネルギーは自分のなかにちょこんとあるんだなと。
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いやぁ、またまた津村ワールド 楽しめた まったくつながらない短編9つ。 たやすくない日常に、ところどころやってくる、人からの小さな毒を払いつつ、聞こえなかったふりをしたり、流しながら、本当に小さなあたたかさを見つけたり、出会ったりの物語。どうも見つからないのもある(笑) 表題...
いやぁ、またまた津村ワールド 楽しめた まったくつながらない短編9つ。 たやすくない日常に、ところどころやってくる、人からの小さな毒を払いつつ、聞こえなかったふりをしたり、流しながら、本当に小さなあたたかさを見つけたり、出会ったりの物語。どうも見つからないのもある(笑) 表題の「サキの忘れ物」が一番よかった。 「喫茶店の周波数」はタイトルが秀逸。ちょっと ”むらさきのスカートの女”の世界も思い出させる。 「とにかくうちに帰ります」の懐かしの人を連想させる登場人物もちょろっと出てきて、にやにやしてしまった。 「河川敷のガゼル」の少年も良かったなあ。まるで、理想的な親みたいだった。 他にも「行列」とか「ペチュニアフォールを知る二十の名所」などなど。 たやすくない日常に潜む人の毒 毒があるんだけど、なんともいえない、津村さんのユーモアで毒をあぶり出しながら、淡々とユーモアで包む。本当に不思議な作家さん。 一つ一つ読み終わりながら、表紙を眺めるのもまた、楽しい。 ブク友さんのレビューを読んで、解説を読みたくなり文庫の解説を後から読んだ。 良かった。これから読む人には文庫で最後解説までをおすすめします!やっばり津村さんはすごいなあ。
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楽しそうな装丁に惹かれて手に取り、本が出てくる話らしいと見てレジまで行きました。 表題作の「サキの忘れ物」は大学での人間関係に挫折したらしい女性が、バイト先の喫茶店で忘れ物の本と出会い変わっていく暖かなストーリー。 短編すべてこのコンセプトかと思ったら、他は気持ちザワつくものが多...
楽しそうな装丁に惹かれて手に取り、本が出てくる話らしいと見てレジまで行きました。 表題作の「サキの忘れ物」は大学での人間関係に挫折したらしい女性が、バイト先の喫茶店で忘れ物の本と出会い変わっていく暖かなストーリー。 短編すべてこのコンセプトかと思ったら、他は気持ちザワつくものが多い。古い街の街歩きガイドみたいな話と思ったら、どんどん不穏な歴史が掘り出されるペチュニアフォールの話が良かった。 装丁に各短編が散りばめられているのもイイ!
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表題のサキの忘れ物という物語が一番心に残った。お客さんの忘れていった一冊の本に感化されて人生が動いていくという印象的なお話だった。私もそういう本にであってみたいと思った。
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