ラウリ・クースクを探して の商品レビュー
バルト三国のなかで最も北にありロシアとの国境線が最も長く接しているエストニア。IT先進国の由来をラウリ・クースクとゆう架空の人物の伝記を通して記してありました。 てか、存命中に伝記にされてたんですかぁ。 いつも読んでる作家さんたちとは違って平易な感情表現で書かれているのが伝記風...
バルト三国のなかで最も北にありロシアとの国境線が最も長く接しているエストニア。IT先進国の由来をラウリ・クースクとゆう架空の人物の伝記を通して記してありました。 てか、存命中に伝記にされてたんですかぁ。 いつも読んでる作家さんたちとは違って平易な感情表現で書かれているのが伝記風とゆうか、黎明期の8ビットキャラのように角ばった表現に思えました。 長い間、ソ連の監視下にあったエストニア、元々いた人に加えてロシア系の移民も多く独立派と反対派で意見がまとまらないとゆうなか、2:2:6の割合で日和見主義が多数派なんです。そして1991年ソ連の崩壊により独立を回復したとゆうお国柄。 歴史の教訓から、国のアイデンティティーを守るために電子国家を創設し、情報セキュリティーにも力を入れて最先端のセキュリティ技術も盤石な国のようです。 サトシ・ナカモトが誰なのか気になってしまいました。 また、この国では出自に関わることを口にするのは禁物みたいな印象受けたのですが、今はどうなんでしょうか気になりました。国が個人情報管理してディストピアみたいでしっくりこない感じなんですよね。
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R6直木賞ノミネート ソ連時代のエストニアに生まれたラウリ・クークス 黎明期のコンピュータプログラミングで稀有な才能をみせたラウリは親友と呼べるロシア人のイヴァンと出会う。 だが、ソ連は崩壊しエストニアは独立。 時代に翻弄されていく彼らを描く。 とても温かでリアルな偽史 デジタル国家エストニアを舞台にしたもの悲しくもハートフルな話
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エストニアの天才プログラマー少年が時代に翻弄されながら歩んだ半生を辿る。日本の作家が、こんな小説を書いてしまうという想像力(創造力)にまず恐れ入る。 読んでいると、いろんな想いが想起される。 今や小国ながらIT先進国として有名になったエストニア。ソ連崩壊の時代に、バルト三国の...
エストニアの天才プログラマー少年が時代に翻弄されながら歩んだ半生を辿る。日本の作家が、こんな小説を書いてしまうという想像力(創造力)にまず恐れ入る。 読んでいると、いろんな想いが想起される。 今や小国ながらIT先進国として有名になったエストニア。ソ連崩壊の時代に、バルト三国の一国として独立の闘争があったことはもちろんニュースでは知っていたが、その背後にこの小説で描かれるような苛烈な背景があったとは全く考えたこともなかった。 IT化に成功したのではなく、国が生き延びるためにIT化を成功させるしか途がなかったのだ。 そして、国家と民族の間の軋轢と衝突は、純粋だった少年少女たちの仲を引き裂き、人生の隘路に迷い込ませていく。 早熟の才能の持ち主が「消えた天才」となっていく姿は切ないが、すべてを洗い流すようなラストに向かう展開は安らかさを漂わせる。
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ソビエト連邦崩壊時期に共和国の主権宣言が次々となさる中、政治的な混乱の中で生きざるを得ない若者たちの友情物語といったところでしょうか。 当時の歴史にもふれつつ、政治的な同調圧力の恐ろしさ、不穏な世の中への憤りや喪失感が主人公を通じてジワジワきます。そんな時代を経て今の世界情勢不...
ソビエト連邦崩壊時期に共和国の主権宣言が次々となさる中、政治的な混乱の中で生きざるを得ない若者たちの友情物語といったところでしょうか。 当時の歴史にもふれつつ、政治的な同調圧力の恐ろしさ、不穏な世の中への憤りや喪失感が主人公を通じてジワジワきます。そんな時代を経て今の世界情勢不安が何とも恐ろしい。実に恐ろしく心底恐いよ。
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エストニアがIT先進国になるずっと前にゲーム開発に取り憑かれた若者を探して。 その探しているのが誰か?最初はノンフィクションライターか何かと思っていたら、後半にその人が明かされてびっくりする。 冒頭に「ラウリ・クースクは何もなさなかった」と記載されているが、読み進めるにあたり何か...
エストニアがIT先進国になるずっと前にゲーム開発に取り憑かれた若者を探して。 その探しているのが誰か?最初はノンフィクションライターか何かと思っていたら、後半にその人が明かされてびっくりする。 冒頭に「ラウリ・クースクは何もなさなかった」と記載されているが、読み進めるにあたり何かを成し遂げたのではないかと期待が高まる。が、確かに何も成し遂げてはいない。ただ生き方として何かを残したとは思う。エストニアの独立運動に翻弄された若者として。
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これはラウリ・クースクの「伝記」である。 しかし、「伝記ではない」。 ラウリ・クースクは、1977年 ソ連邦下のエストニアに生まれた。 冒頭で<著者>はいう。「彼は人生において特になにかを成したわけではない。わたしたちと同じように」 ...
これはラウリ・クースクの「伝記」である。 しかし、「伝記ではない」。 ラウリ・クースクは、1977年 ソ連邦下のエストニアに生まれた。 冒頭で<著者>はいう。「彼は人生において特になにかを成したわけではない。わたしたちと同じように」 「へ?」いきなりハシゴを外されたと同時に、こう思った。 「ならば何故、著者はこの作品を書いたのだ?」 がぜん興味を駆り立てられ、読み進めた。 そして、その予感は、、、! ラウリ少年は、黎明期のコンピュータプログラミングにおいて、天賦の才をもっていた。 彼は、同じ才能を持つロシア人の少年イヴァンと出会い、心を通わせる。 しかし、ソ連崩壊とエストニア独立で2人の歯車は狂い出し…..。 ラウリの青春は、希望と喪失によって彩られる。これはやはり私たちの物語なのだ。 しかしながら、物語は第二部で唐突に〇〇する。 <作者>の〇〇により〇〇〇〇る。なるほどそうくるか……! また、いくつかの伏線が丹念に張られていたことにも気づく。 そこからのお話は、ぜひ読んでほしい。 「幸福な人生とは、他者との友好な関係を築くことだ」といわれる。 「自分を探してくれる人」がいること。 その幸福を思い、温かな思いに満たされたのだった。 ….久しぶりにアイツに連絡してみるかな。
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すごく読みやすかったです! 淡々としてる中でも、歴史に翻弄されていく様子がしっかり書かれていて良かった。ボーンレコードっていうものを初めて知りました…。
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自分と同じ年に生まれた人たちが主役の物語。場所は旧共産圏。日本でのんびりと過ごしていた自分には想像もつかないような政治の季節の中に今もある彼らの物語も夢中になって読みました。
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ゴルバチョフのペレストロイカ前後のエストニアが舞台の「一般人」の物語、とは思わずに読み始めたので、ソビエト連邦から独立を目指す中で、どこで事件に巻き込まれたり、陰謀に関わるのかと思って読んでたら、基本その手のドラマチックなことは起こらない。起こらないけど、天才少年プログラマーだっ...
ゴルバチョフのペレストロイカ前後のエストニアが舞台の「一般人」の物語、とは思わずに読み始めたので、ソビエト連邦から独立を目指す中で、どこで事件に巻き込まれたり、陰謀に関わるのかと思って読んでたら、基本その手のドラマチックなことは起こらない。起こらないけど、天才少年プログラマーだった主人公の友情の物語は、静かに深いリアリティを持って迫ってくる。なんだかキツネにつままれたような、でも読後にスッキリする、不思議な物語だった。次回作にも期待したい。
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また1つ心に響く作品と 出会えたということで 星5つです。 ラウリ・クースク 純粋であるがために 自暴自棄にもなってしまうし 時代に、社会に翻弄されてしまう。 そんな主人公の純粋さに 憧れにも似た魅力を感じるが そうはなれないと知っている自分。 この手の作品を読むと 主人...
また1つ心に響く作品と 出会えたということで 星5つです。 ラウリ・クースク 純粋であるがために 自暴自棄にもなってしまうし 時代に、社会に翻弄されてしまう。 そんな主人公の純粋さに 憧れにも似た魅力を感じるが そうはなれないと知っている自分。 この手の作品を読むと 主人公に感情移入しながら どこか自分自身と向き合うことを 強いられる。 ラウリに共感し、ラウリの人生に 心を打たれるほど、読み手の自分は 純粋なのか?と。 と、まあ読みながら自問自答してたのだが 第二部でびっくり‼️するくらいには 純粋さが残っているみたいだ笑
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