ラウリ・クースクを探して の商品レビュー
「この受像機のなかに、本当の世界がある。本当の世界は、コンピュータという箱を通し、人の前にその姿を見せる。プログラミングという呪文が、それを可能にする。」 絵であったり、文であったり、歌であったり、様々な形で自己を、世界を人々は表現する。その手段の一つとしてプログラミングを考...
「この受像機のなかに、本当の世界がある。本当の世界は、コンピュータという箱を通し、人の前にその姿を見せる。プログラミングという呪文が、それを可能にする。」 絵であったり、文であったり、歌であったり、様々な形で自己を、世界を人々は表現する。その手段の一つとしてプログラミングを考えることも、なるほどあるだろうと思える。 論理的な命令が、例えば映像化されていく様子をみるとそこに無から有の出現が起こる。刺激的で楽しくて、あらゆるものを対象とするために様々な勉強をする。機械との関わりだけれど、その気持ちを支えるのは友人の存在。 「生きるってのは人とのかかわりあいだよね。」 幼い頃の友人の言葉は世界の本質をついている。 世界の中心に自分を置く事は傲慢で、人は関係の中で存在している。その事実だけが大きな苦難をも乗り超えさせてくれるのだと思う。
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8/30発行の出来立てほやほや作品、 それはそれは素晴らしいフィクションで、1日で読了。 エストニアがIT大国になった訳や旧ソ連圏の人たちの間で存在する憎くて親しいロシアを、ソ連崩壊前夜からウクライナ侵攻という今に至るまで、途絶えることのない歴史の荒波に呑まれながらも生きるエス...
8/30発行の出来立てほやほや作品、 それはそれは素晴らしいフィクションで、1日で読了。 エストニアがIT大国になった訳や旧ソ連圏の人たちの間で存在する憎くて親しいロシアを、ソ連崩壊前夜からウクライナ侵攻という今に至るまで、途絶えることのない歴史の荒波に呑まれながらも生きるエストニア人とロシア人の物語。彼らのような人たちは、今日もどこかで生きているのだろう。 ぜひ!!!
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Amazonの紹介より 1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけがえのない物語。 ソ連崩壊の時...
Amazonの紹介より 1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけがえのない物語。 ソ連崩壊の時代を生きた子供達。その激動の中で、差別や制限といった状況の中で、子供達が将来を奪われてしまったことに何とも心苦しく感じてしまいました。 題名の「ラウリ・クースク」ですが、架空の人物ということで、歴史上の人物じゃなくても、実際にいたんじゃないかと思うくらいのリアルさがありました。 歴史上としては名を残さなかったまでも、周囲の人達にとっては貴重な存在であり、そこでの登場人物同士の友情に素晴らしさを感じました。 物語の構成としては、ラウリを取材しようとする「私」と過去のラウリ視点での2つの視点を交互に展開していきます。 なぜ、一般人のラウリを取材するのか?そもそも取材している「私」は誰なのか? 「私」視点では、そういったミステリアスな部分も垣間見れたので楽しめました。 後々誰なのか。なんとなく誰なのかは想像できるのですが、明らかになった時の衝撃は良かったです。 過去のパートでは、現在に至るまでのラウリの人生が学生時代を中心に描かれています。初期のプログラミングに興味を持ち、次第に特別な存在へと変わっていきます。 その背景では、周囲との孤独、分かち合える仲間といった友情にも触れられていて、激動な時代を生きた人達の苦悩に今のウクライナ情勢でもこういったことが起きているのではと思ってしまいました。 個人的には、もう少し特別な存在としてラウリのことを描いても良かったかなと思いました。淡々としていたためか、あまり激動といった時代の雰囲気は感じず、友人との出会いと別れを前面に出していたためか、あまりソ連についての時代背景が薄いようにも感じました。 それでも、現在パートでは、過去編を補うかのように、それまでに至るまでの状況も描かれていたので、苦悩の時代を生きたんだという状況は理解できました。 友情がいかに大事で、それがどんなに励みになるのか考えさせられました。
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今、読むならタイムリーな作品だと思う。ロシア、ウクライナ侵攻、ロシアがソ連だった頃のエストニアでの主人公ラウリ・クースク、コンピュータプログラミングの天才。先が知りたくハラハラドキドキの展開、読む手が止まらず一気読み。コンピュータプログラマーがいかにして生まれたかが良くわかる。ラ...
今、読むならタイムリーな作品だと思う。ロシア、ウクライナ侵攻、ロシアがソ連だった頃のエストニアでの主人公ラウリ・クースク、コンピュータプログラミングの天才。先が知りたくハラハラドキドキの展開、読む手が止まらず一気読み。コンピュータプログラマーがいかにして生まれたかが良くわかる。ラストの感動の再会はふるえました。
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