1,800円以上の注文で送料無料

ラウリ・クースクを探して の商品レビュー

3.8

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ソ連末期のエストニアに生まれた数字とプログラミングの天才、ラウリ・クースク。稀代の天才ながらも歴史に名を遺すことなく生きた彼の物語。 ラウリの人生と、彼の伝記を書くために取材を重ねる記者の2視点で物語が進行する。後半その視点が交錯するのだが、その仕掛け自体は良くあるパターン。だがパターンに思いっきり乗っかっても、一切興ざめしない。驚きを楽しむ物語ではないから。 生きづらい社会でも、友情は育まれるし、人づきあいは紆余曲折だし、誠実に生きることはできる。社会に生きる以上、体制に阿ったり少し反抗したりは、荒波に生きていく上でのかじ取りのようなもの。 そんなことより、身近な大切なものをしっかり守り育んでいくことを優先していく方が善き幸せな人生になろうと。 ラストの邂逅は、久々にとても感動した素晴らしいハッピーエンドだった。

Posted byブクログ

2024/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ソ連時代のバルト三国・エストニアに生まれたラウリ・クースク。 彼の伝記を書こうと追いかける「わたし」の視点で物語は進む。 ラウリが育む友情が、ラウリ自身が激動の社会情勢の下翻弄されていく。 最後まで読み終え、ホロリ。 これは創作であるはずなのに、ラウリ・クースクが存在しているかの様に感じた。 歴史の表面に出てこない人間であっても確かにみんな生きていて、それぞれに人生を送っている。私もそうだ。 そんなことを再認識させられるラウリの半生だった。 上手く言えないけれど、心に響く物語だった。

Posted byブクログ

2024/06/03

おもしろかった...夢中で読んだ。ラウリ・クースクの半生を通じて歴史的背景も知ることができた。誰目線の話なのか分かった時、ラストシーンも感動的で良かった。 「この国で、光のある道を生きろとは言えない。だからせめて、おまえさんはまっすぐ、したたかに生きてくれよ。」のリホの言葉が印象...

おもしろかった...夢中で読んだ。ラウリ・クースクの半生を通じて歴史的背景も知ることができた。誰目線の話なのか分かった時、ラストシーンも感動的で良かった。 「この国で、光のある道を生きろとは言えない。だからせめて、おまえさんはまっすぐ、したたかに生きてくれよ。」のリホの言葉が印象に残ってる。

Posted byブクログ

2024/06/03

淡々とした語りなのに、引き込まれた。驚きもあり、最後まですらすら読めた。けど、読み終えた後、ふーん、そうか…と、あと一歩、気持ちが高まらなかった。

Posted byブクログ

2024/06/01

なんとなくそのタイトルに興味を惹かれ読んでみた。 バルト三国と呼ばれるエストニアに生まれた一人の少年「ラウリ・クースク」の半生を描いた作品。 バルト三国がソ連に支配されていた時代から独立…という時代背景の中で、かけがえのない友に出会い、泣き、笑い、辛い出来事も経験し、別れ、夢を諦...

なんとなくそのタイトルに興味を惹かれ読んでみた。 バルト三国と呼ばれるエストニアに生まれた一人の少年「ラウリ・クースク」の半生を描いた作品。 バルト三国がソ連に支配されていた時代から独立…という時代背景の中で、かけがえのない友に出会い、泣き、笑い、辛い出来事も経験し、別れ、夢を諦め、絶望し、そしてまた立ち上がり…という激動とまでは言えないながらも様々な経験をして成長してくラウリ・クースクの姿が描かれている。 全体として淡々と物語が進んでいった印象があり、盛り上がりという点では欠けるかなと。とはいえ、時代背景という点でも個人的には勉強になった部分もあり、良い作品だったなとは思う。

Posted byブクログ

2024/05/28

程よく読みやすく、一気に読んでしまいました。 時代背景や人物の移り変わりもわかりやすく、何より個人的に良かったのは、登場人物のキャラクター性です。 温かな気持ちで本を閉じました。

Posted byブクログ

2024/05/22

ソ連の崩壊、独立という大きな波の中、エストニアで育ったラウルという人物の伝記を書くためにその足跡を追っているという体で書かれている小説。 大きな盛り上がりこそないが、その時代の日常生活が淡々と描かれており、 なんか良かったな~ という感想でした。

Posted byブクログ

2024/05/18

エンストニアに住むラウリは父親がもらってきたコンピューターに魅せられていく。ロシアからの独立運動がラウリそして二人の友達との関係性を変えていくことになる。民族の違い、民族が同じでも考え方の違いもある。今も続く紛争。ラウリを探し出す事ができるのか。

Posted byブクログ

2024/05/14

あたたかい話だった。 ラウリの半生。自分が幼少期からどんどんのめり込んでいくプログラミングの世界。が、周りには理解されない。 とあることからその世界を理解してくれる人と出会う。自分の考えを話せるし技術の競い合いも出来る。しかし、時代の流れにより自分の意思とは違うところにすすんでい...

あたたかい話だった。 ラウリの半生。自分が幼少期からどんどんのめり込んでいくプログラミングの世界。が、周りには理解されない。 とあることからその世界を理解してくれる人と出会う。自分の考えを話せるし技術の競い合いも出来る。しかし、時代の流れにより自分の意思とは違うところにすすんでいく。やるせなさの中にある純粋な気持ちが報われてよかった。 ラウリは歴史的に何もなしてない。でも大きくうったえてくるものがある。

Posted byブクログ

2024/05/13

読書備忘録826号。 ★★★★☆。 全然嫌いじゃない!こういうの。 盛り上がることも盛り下がることもないストーリー(^^;)。 ソ連崩壊の10年ほど前の1977年。 ソ連時代のエストニア、ボフニャ村に天才プログラマー、ラウリ・クースクは生まれた。 父が、工場から持ち帰った計算...

読書備忘録826号。 ★★★★☆。 全然嫌いじゃない!こういうの。 盛り上がることも盛り下がることもないストーリー(^^;)。 ソ連崩壊の10年ほど前の1977年。 ソ連時代のエストニア、ボフニャ村に天才プログラマー、ラウリ・クースクは生まれた。 父が、工場から持ち帰った計算機KyBTが彼のプログラマーとしての能力を開花させる。 そして、ソ連崩壊からのエストニア独立。世界に名立たるIT先進国としてのエストニアの国造りが始まる! そんな激動の時代に生きたラウリは、情報技術の世界で歴史に名を・・・、全く残さなかった!笑 「ラウリの伝記を書くにあたり・・・、」で始まるこの物語! 伝記を書こうとしている人物目線のパート(現代)と、ラウリ目線のパート(10歳から)を繰り返しながら進むこの物語はなんなんだろう。どんなカテゴリの小説に位置付けたら良いか・・・。 激動の時代を駆け抜けた育ちも思想も異なる3人の少年少女の友情物語! 或いは淡い淡いあわ~いBL片思い?笑 物語は、エストニアにルーツのないジャーナリストが伝記を書くにあたり、通訳を伴ってエストニアを訪れるところから始まる。 歴史的に無名のラウリの伝記を書くってどういうこと?ラウリの知人ってことだよね?多分ラウリ目線のパートにも登場する誰かでしょう!と想像! そしてラウリ目線の物語。 機械技師の父が工場から計算機KyBT(Z80系8ビットCPU)を持ち帰り、父からプログラム(BASICですね)の書き方を教わったラウリは夢中になって計算やらゲーム作りを始める。 そして10歳の時、ゲームを作ってプログラミングコンペに応募する。 結果は3位。1位は同じ10歳のイヴァンというロシアの少年。彼のゲームは、火星ロケットのシューティングゲームだった。イヴァンのゲームに衝撃を受けたラウリは、彼のプログラムを解析する。宇宙空間の背景の星の流し方がすごい!だけと自分ならもっと効率よく処理できる! ラウリは、イヴァンも自分のプログラムを見てくれないかなぁと願う。自分のプログラミングのセンスを見て欲しかった。そして、なんとイヴァンがレニングラードから遥々ボフニャ村を訪れて来た!2人は夢中になって公園の地面にプログラムロジックを書く!そして、イヴァンはラウリと同じ中学に行くことを決意する。 相思相愛が始まる!?笑 中学生活。 2人は切磋琢磨してプログラミング力を身に付けていく。 そして新しい出会い。女子のカーテャはデザインに飛び抜けた能力があった。 彼らは出自も才能も全く異なるが無二の親友になる。 イヴァン:レニングラード(現サンクトペテルブルク)出身。共産党の家庭。裕福。 ラウリ:エストニアの片田舎出身。機械技師の家庭。貧乏。 カーテャ:反体制の家系。パルチザンの祖父、エストニア人民解放軍の父。 そして時代が動く。ソ連の崩壊が始まる! そんな激動1990年の夏、3人はカーテャの別荘(ダーチャ)での忘れられない夏休みを過ごす。 エストニアは独立するのか!ソ連の干渉が入るのか!1991年エストニア独立! 出自が異なる3人は、時代に翻弄され離れ離れになってしまう・・・。 独立したエストニア。 国家を電子化することで、生き延びることを目指すエストニア。 まさにラウリが思いっきり活躍できる場!と思いきや、時代に翻弄されたラウリはヤサグレて紡績工場で働いていた。そんなラウリを学生時代の恩師は粘り強く情報の世界に戻れるように見守る。 ラウリを探していたジャーナリストは、微かな手掛かりから、ラウリの学生時代の友だちを訪れ、カーテャの居所を突き止め、そしてとうとうラウリにたどり着く・・・。熱い熱い抱擁!笑 もう彼しかいないやんか!そして更なる驚きの再会も待っていた! という盛り上がりが一切ない物語でした。笑 さて、情報立国について個人的感想を。 先進国の一員だった日本の情報化はサイロ型で進化してきた。言い方を変えると個別最適されたシステムが乱立。これを相互連携させるのはとんでもない労力。未だに何も出来ていないという個人的評価です。 一方エストニアはゼロスタート。一からの設計は大変さはあるものの、全体最適からの設計をできるメリットは大きい。実現にはとんでもないデータベース設計とデータ交換基盤が必要で、さらにデータを守るセキュリティ基盤が必須だけど。その結果、全てがマイナンバーカードで事足りてるというみたいなのでめっちゃ羨ましい! マイナンバーどんどん進めたらええやん派のジジイでした。

Posted byブクログ