1,800円以上の注文で送料無料

ラウリ・クースクを探して の商品レビュー

3.8

130件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/09/29

時代に翻弄された友情の物語。ソ連とエストニアの確執と紛争と独立の流れの中で、同じものを見ていた少年少女たちはそれぞれの道へと分かれていく。そして時を経てのその邂逅。 主人公のラウリがひたすらに実直で素直なので、嫌味なく読み進めることができる。 最後まで普通に面白く読んだけれど、せ...

時代に翻弄された友情の物語。ソ連とエストニアの確執と紛争と独立の流れの中で、同じものを見ていた少年少女たちはそれぞれの道へと分かれていく。そして時を経てのその邂逅。 主人公のラウリがひたすらに実直で素直なので、嫌味なく読み進めることができる。 最後まで普通に面白く読んだけれど、せっかくの邂逅シーンが思ったよりも盛り上がらずに淡々とした描写になってしまったのが残念だった。

Posted byブクログ

2025/09/18

語り手が痕跡をたどっていくに従って、孤独で繊細で、プログラムすることだけに喜びを見出すラウリの姿が明らかになる。 同時にエストニアの歴史も。 ラウリにはあまり友達はいないが、真面目で繊細な彼にこそ親しみを感じる。 アーロンのことは読んでいて辛かったが、カーテャのすこやかな考え方に...

語り手が痕跡をたどっていくに従って、孤独で繊細で、プログラムすることだけに喜びを見出すラウリの姿が明らかになる。 同時にエストニアの歴史も。 ラウリにはあまり友達はいないが、真面目で繊細な彼にこそ親しみを感じる。 アーロンのことは読んでいて辛かったが、カーテャのすこやかな考え方に救われる思いがする。 ちょっとした謎解きもあって心躍らせる。 偉人の伝記とは別に、ラウリのような市井の人の生き様からこそ伝わる時代の空気感や人との関係のあり方があって、それはまったく別の時代、場所を生きるわたしたちに改めて今という時代や人との関わり方について考えさせる。 さらに、自分の生き方についても、かな。 装丁画も切なくて好き。

Posted byブクログ

2025/08/17

ジャンル分けがしにくいながらも文体が綺麗であっという間に読み終わってしまった。ラウリの話だけではなく、その周りの登場人物もまた個性的で楽しめた。

Posted byブクログ

2025/08/09

「むずかしいことは何もない」 放置された年月は、単純なことを複雑にする。 作家の頭の中で作られた物語ではあるが、ルポタージュの様式を取り入れ、大国ソ連に翻弄されたバルト海の小さな国エストニアとそこに生きた子供たちの、小さな、でもとても大切な歴史を描いたドキュメンタリー。 英雄...

「むずかしいことは何もない」 放置された年月は、単純なことを複雑にする。 作家の頭の中で作られた物語ではあるが、ルポタージュの様式を取り入れ、大国ソ連に翻弄されたバルト海の小さな国エストニアとそこに生きた子供たちの、小さな、でもとても大切な歴史を描いたドキュメンタリー。 英雄でもなんでもない普通の人こそ世界の大半を占める。 だから、こんなに感動する。 だから、こんなに胸に刻まれる。 これが小説のチカラだ。

Posted byブクログ

2025/06/02

これはなんていうジャンルになるのだろう。 伝記より深く、小説よりリアルで、けれども文章が美しい。 この世界観がすごく美しくて、ラウリの、そしてこれを書いたイヴァンの心の美しさを表していると思う。 ラウリの物語かと思いきや、それを追う記者の視点があって、それがまさかのイヴァンと...

これはなんていうジャンルになるのだろう。 伝記より深く、小説よりリアルで、けれども文章が美しい。 この世界観がすごく美しくて、ラウリの、そしてこれを書いたイヴァンの心の美しさを表していると思う。 ラウリの物語かと思いきや、それを追う記者の視点があって、それがまさかのイヴァンという第一の驚きも束の間、実は数々の伏線が貼られていたなんてっていう第二の驚きが大きくて。 ミステリー系好きからすると、この文章構成はずるい。。。 題名もとってもいいし、、、。 それにまた歴史小説でもあるっていうところが本当にすごくて、こんな薄いものなのに、文章すっっご!!ってなる。。。 これは、すご、、、くね。

Posted byブクログ

2025/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

プログラミングは水晶の精霊に捧げる詩。 のような表現がすごく良くて、歴史小説だけど、少しSF味があって、すごく面白かった…!

Posted byブクログ

2025/05/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ラウリ・クースクを探して」読了。 歴史小説を全く読まない自分でも、ストーリーがとても分かりやすく、歴史小説の強みみたいなものを感じ取れました。本作を通してエストニアの歴史を知ることができました。 本作が伝えたかったことは二つあると思います。 一つ目は、ライライが夢だと語っているように、国と国民のデータを保存しておけば、いつまた国が侵攻されても、いずれは再興できるということ。人の考えが何かしらで受け継がれていればその人が死んだ後もその考え方は生き続けるのだと思いました。 二つ目は歴史上に名を残さない人が、大した人物ではないこととイコールにはならないということです。本作では、ラウリ・クースクという人物の伝記を作るというのが目的のストーリーですが、読者の私にとってみたらイヴァンもカーテャも伝記が作れると思えるほどの生き方をしていると感じました。読み終わって、さまざまな外部環境に影響されても一生懸命生きる人間のかっこよさを感じました。 ラウリとイヴァン、カーテャの仲良し三人組が、ソ連統治下のエストニアという不安定な社会情勢によって、振り回されていくのが悲しかったです。 しかし、大人になった三人が再会する終わり方がはとても感動的でした。 本作はフィクション部分のストーリーもとても面白かったです。ラウリ・クースクの伝記を作るために取材をしている現在の時間軸と、ラウリの半生が描かれる過去の時間軸が同時並行で進んでいくのが、先の展開が気になる構成になっていました。 そして、終盤の伏線回収がすごかったです。現在取材しているのが昔に離れ離れになってしまったイヴァンだったこと、イヴァンがプログラミングコンテストで失格になったのは彼が色を識別できなかったからだということ等、驚かされるシーンが多々ありました。 本作はこの三人だけでなく、不真面目な神父のリホ、ライライ教授ガイド兼通訳のヴェリョといったとても素敵な人物たちが登場するのも印象的でした。みんなかっこいい。 200ページという短い小説でありながら、怒涛の展開であっという間に読み終わってしまいました。作者の別作品も読んでみたいと思います。

Posted byブクログ

2025/04/10

図書館にて借りる、第664弾。 (京都市図書館にて借りる、第129弾。) 宮内悠介の新刊。 雑誌「ダヴィンチ」でプラチナ本として紹介されていたので、図書館で借りる。 宮内悠介の作品は、そんなに読んでいないが、それにしてもこれまでこんな作風だったっけ?と思うような、伝記のような...

図書館にて借りる、第664弾。 (京都市図書館にて借りる、第129弾。) 宮内悠介の新刊。 雑誌「ダヴィンチ」でプラチナ本として紹介されていたので、図書館で借りる。 宮内悠介の作品は、そんなに読んでいないが、それにしてもこれまでこんな作風だったっけ?と思うような、伝記のような作品。 ラウリ・クースクの物語。退屈はしないが、期待したような作品ではなかったし、これがプラチナ本か、とちょっと期待外れでもあった。 星は3つ。3.3くらいか。

Posted byブクログ

2025/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ページを繰るのを止められずに、一気に読んでしまった。才能あふれる人が、紆余曲折の後仲間を見つけて切磋琢磨し…でも、途中で彼らは色々な事が原因で、うまくいかなくなり…。この展開の作品、他にもあったなあ。でも、やっぱり羨ましい。こういう天才の人生は自分とはかけ離れているから。そして、彼らのようにひと時でも心から競い合い、尊敬し合う、そんな友情や、人間関係を築いている人が羨ましい。 ソビエト時代はもう歴史の教科書の世界で、自分にはほとんど知識がないが、本作を読んで、もう少し当時の様子を知りたいな、と思った。エストニアという国についても、可愛い北欧雑貨があるというくらいのイメージしかなかった。読書を通じて、他の国についてもっと知識を深めたり、想いを馳せるようになれるとはこういう事だよな、と思う。

Posted byブクログ

2025/03/10

[こんな人におすすめ] *「エストニアってバルト三国のひとつだよね」以外の情報を持っていない人  エストニアについて私と同じくらいの感想しか出てこない人、さらに言えばソ連崩壊についても若干記憶があいまいな、というかそもそも生まれてない人に是非おすすめします。最近はロシアやウクライ...

[こんな人におすすめ] *「エストニアってバルト三国のひとつだよね」以外の情報を持っていない人  エストニアについて私と同じくらいの感想しか出てこない人、さらに言えばソ連崩壊についても若干記憶があいまいな、というかそもそも生まれてない人に是非おすすめします。最近はロシアやウクライナに関するニュースを見ることが多いですが、この本を読み終わった後にはさらに西の国々についての情報が目に入るようになり、見える世界が広がります。 *ライフスタイルが変わったことで昔なじみに会う機会が減った大人たち  仕事が忙しそうだから、お子さんが小さいからなどの理由でLINEを送ることすらためらう人たちがこの本を読むと、会える時に会っておこう、話せる時に話しておこうと考えさせられるかもしれません。

Posted byブクログ