百年の子 の商品レビュー
小学館の学年誌の歴史は、そのまま日本における子供の人権を模索する年月の積み重ねであり、その100年を描いた壮大な物語。いずれ知ることになる祖母の、娘や孫に対する思いは、大人の先入観や社会情勢に影響されることなく、子供が一人の人間として選び取るものを尊重したい、という学年誌のテーマ...
小学館の学年誌の歴史は、そのまま日本における子供の人権を模索する年月の積み重ねであり、その100年を描いた壮大な物語。いずれ知ることになる祖母の、娘や孫に対する思いは、大人の先入観や社会情勢に影響されることなく、子供が一人の人間として選び取るものを尊重したい、という学年誌のテーマそのものだった。 「人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。」 毎日のように聞こえてくる子どもの性被害やいじめ、虐待の報道に、「まだ」の言葉が重くのしかかる。昨年のこども家庭庁の設立が大きな一歩になってほしい。
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昭和から令和の出版界を舞台に学年誌100年の歴史と祖母、母、娘3世代の物語が交錯して、朝ドラ丸々1本分ぐらいの壮大な物語だった。文章も読みやすくて一気読み。母でも娘でもある今の自分だからこそ刺さる部分も多くあって、最後は泣いてしまった。 「人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の...
昭和から令和の出版界を舞台に学年誌100年の歴史と祖母、母、娘3世代の物語が交錯して、朝ドラ丸々1本分ぐらいの壮大な物語だった。文章も読みやすくて一気読み。母でも娘でもある今の自分だからこそ刺さる部分も多くあって、最後は泣いてしまった。 「人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史はまだ百年に満たない。」
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壮大で胸熱な物語。 令和と昭和が交差しながら出版会社を取り巻く人たちの人生が描かれる。それは、出版社の歴史でもあり、子どもと女性の人権の歴史でもあった。 戦時中、花を育てる楽しみさえ奪われ、生きることに必死だった祖母の人生。 過酷な状況下においても、決して諦めることのなかった出版...
壮大で胸熱な物語。 令和と昭和が交差しながら出版会社を取り巻く人たちの人生が描かれる。それは、出版社の歴史でもあり、子どもと女性の人権の歴史でもあった。 戦時中、花を育てる楽しみさえ奪われ、生きることに必死だった祖母の人生。 過酷な状況下においても、決して諦めることのなかった出版の仕事へかける情熱。 終戦後、これまでの常識が覆った瞬間だったり、作家や出版社としての世間へ与える影響力とその責任について。 様々なことに思いをめぐらせながら、しみじみと読んだ。 過酷な時代を生きてきた人たちがバトンを繋いでくれたから、今の時代があるんだよね。 コロナ禍を生きた私たちは、未来に何を繋いでいくことができるのだろうか。 最後、花束の女性の正体に、心からよかったと思った。
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とても面白かった。小学館の百年の歩み。児童向け雑誌の発刊の理念。戦時中は読者である子供たちを戦争に駆り立てる内容になっていた事実。そして戦後、現在へ。子供と女性の人権の歴史はとても浅いけど、考え続けて前へ向かっていくことの大切さ。『小学一年生』から『小学二年生』くらいまで好きで読んでいたことを思い出した。
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とても壮大なスケールの物語。歴史、家族、会社、働き方、女性の役割など、いろんなテーマが込められていて、自分たちに重ねられるところがたくさんある。その時は当たり前だったものが、ときを経ると許されなくなったりする。一度やってしまったことは変えられないけど、しっかり考えて間違いは反省し...
とても壮大なスケールの物語。歴史、家族、会社、働き方、女性の役割など、いろんなテーマが込められていて、自分たちに重ねられるところがたくさんある。その時は当たり前だったものが、ときを経ると許されなくなったりする。一度やってしまったことは変えられないけど、しっかり考えて間違いは反省して、またやり直せる世の中であってほしい。
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祖母、母、主人公と3代に渡る話。 “人類の歴史は百万年、女性と子どもの人権の歴史は、わずか百年” 素晴らしかった。
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マカンマランシリーズの古内一絵さんの作品。 マカンマランはほっこり温まる作品でしたが、これは熱く深い、著者渾身の作品と思いました。 8月に戦争モノを読むようにしているという方がいますが、これはまさに今読むべき作品でした。 令和のコロナ禍から物語は始まりますが 戦中、戦後の話に...
マカンマランシリーズの古内一絵さんの作品。 マカンマランはほっこり温まる作品でしたが、これは熱く深い、著者渾身の作品と思いました。 8月に戦争モノを読むようにしているという方がいますが、これはまさに今読むべき作品でした。 令和のコロナ禍から物語は始まりますが 戦中、戦後の話に特に胸を打たれました。 小学館の「小学1年生」などの学年別学習雑誌が戦前からあり、戦中は出版存続のために 大本営に指示され、戦意を煽るような内容であったこと、 また、林芙美子や様々な有名作家が作品を載せていたことも初めて知りました。 そういう時代だったとはいえ 読んだ子供達がお国の為と戦争に志願していく過程に胸が苦しくなりました。 また戦中の食糧難や空襲の恐怖、戦災孤児の悲惨さなども、とても怖くリアルに感じました。 戦後になり、学年別学習雑誌に 漫画も盛り込まれるように。 手塚治虫や藤子不二雄?と思われる方が出てきます。 編集者の苦労や時代背景など等面白く読めました。 余談ですが 私の子供の頃は学研の「学習と科学」を定期購読している子が多く、 私の子供達の頃は進研ゼミの「こどもチャレンジ」が多かったように思います。 なので「小学⚪︎年生」に馴染みがあるような、ないようななのですが。 小学館の歴史を追っていくうちに 主人公の祖母のことも明らかになります。 様々な繋がりを大事に誠実に生きていた祖母の姿に涙が出ました。 「子供と女性の人権の歴史はまだ100年にも満たない。」 今の朝ドラ「虎に翼」でも女性の人権がテーマとなっていますが まだ100年と思うか。 もう100年と思うか。
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小学館が戦前からあったことにまず驚きました。そして戦時中の大変な時期に、続けていたのもすごい。フィクションもあるみたいだけど、小学館の歴史に興味がわく内容でした。 戦争中は、花もだめ、本も決められた内容しかだめってことごとく娯楽が奪われて、大人はもちろん子供たちにとったら本当に...
小学館が戦前からあったことにまず驚きました。そして戦時中の大変な時期に、続けていたのもすごい。フィクションもあるみたいだけど、小学館の歴史に興味がわく内容でした。 戦争中は、花もだめ、本も決められた内容しかだめってことごとく娯楽が奪われて、大人はもちろん子供たちにとったら本当に大変な時代だったんだなって改めて思いました。 コロナ禍の時でも、映画館や遊園地などの娯楽施設に行けなかった時に、やっぱり娯楽必要だよねって改めて実感できた気がします。娯楽は人生を生きるために必要不可欠なものだと思いました。 子供や女性の権利が認められ始めたのも戦後から、100年と少ししか経ってない。整備され始めたところ。そりゃまだまだなこともあるよなって思いました。おかしいと思うことは声をあげて、今を生きる私たちが、未来の人達のために変えていかないとな。 昔と現在の歴史が繋がっている物語になっていて、素敵な内容でした!
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「人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史はまだ百年に満たない」のフレーズに惹かれて読了。 女性の人権のことかと思いながら読んでいたけど、小学館の百年史に併せて主人公の明日花は祖母が昔、出版社で働いていたことを知る。 昭和と令和を出版界を通してつなげていく。 子どもも女...
「人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史はまだ百年に満たない」のフレーズに惹かれて読了。 女性の人権のことかと思いながら読んでいたけど、小学館の百年史に併せて主人公の明日花は祖母が昔、出版社で働いていたことを知る。 昭和と令和を出版界を通してつなげていく。 子どもも女性も、自分の思ったことを、そのまま口に出していい時代になったのはまだ百年に満たないのだなと改めて感じた。
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8月だし戦争を取り上げていて高評価だったので読んでみた。小学館の学年誌の記念した作品。 コロナで苦しかった当時のことを思い出した。コロナのことすら忘れかけてきている自分に驚く。
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