百年の子 の商品レビュー
表紙のうらに 「人類の歴史は百万年。 だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。」 と書かれている。まず、ここで射貫かれた。 話は戦中と令和を交互に行き来し、学年誌の歴史とともにその時代を生きる人々を描く。 全体の雰囲気で見れば「羊は安らかに草をはみ」という作品に...
表紙のうらに 「人類の歴史は百万年。 だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。」 と書かれている。まず、ここで射貫かれた。 話は戦中と令和を交互に行き来し、学年誌の歴史とともにその時代を生きる人々を描く。 全体の雰囲気で見れば「羊は安らかに草をはみ」という作品に似ている。 「百年の子」は学年誌を中心に、その時生きた人々を描いたのに対し、 「羊は…」は個人にスポットをあて、より厳しい環境を生き抜く姿を描いた。 2点を比べたとき、より心に深く突き刺さった「羊は…」に軍配があがり星4とさせていただきました。
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久々の古内さん すごくいい作品でした〜 もう胸熱!!! じわーんとした余韻に浸っております(〃ω〃) 昭和〜令和と長い歴史が語られていて朝ドラのような雰囲気。朝ドラ大好きな私にはたまりませんでした(*´꒳`*)読後感もいいです! 出版社で働く明日花はファッション誌から学...
久々の古内さん すごくいい作品でした〜 もう胸熱!!! じわーんとした余韻に浸っております(〃ω〃) 昭和〜令和と長い歴史が語られていて朝ドラのような雰囲気。朝ドラ大好きな私にはたまりませんでした(*´꒳`*)読後感もいいです! 出版社で働く明日花はファッション誌から学年誌創立百周年企画チームへ異動となります。 ファッション誌での仕事が面白くなってきた明日花は、納得いきません。ずっと育休でいなかった同僚ではなく、なんで自分なのか、、、、 そんな思いを胸に学年誌の歴史を調べてみると今は認知症になってしまった祖母が学年誌の編集に携わっていたことがわかります。 なぜ祖母は同じ会社で働いていたことを教えてくれなかったのか。 一方祖母の当時の目線でも物語は進んでいきます。なぜ出版社で働くことになったのか、また戦時中、書かれる内容を制限され、紙の手配も大変な中、それでも刊行し続けるために奮闘する社員たちの様子、空襲の描写や戦時中の心情も実に丁寧に描かれていました。 出版業界の歴史だけでなく、文学の歴史、女性の人権、子どもの人権、戦争、そして家族の物語など広く語られていますが、上手くまとめられ、どれも胸に迫るものがありました。 過去と話が繋がった時、思わず涙が出ました、、 素晴らしい作品でした。 『人類の歴史は百万年。 だが、子どもと女性の人権の歴史は、 まだ百年に満たない。』 『まだ近代的女性観もまた赤子同然』 女性が社会に出て働くことには、まだまだたくさんの問題があります。でも社会の仕組みも、人の価値観も、まだ発展途上なんですよね なんで女性ばかりって思いがちだけど、この価値観になったことがまだ最近で赤子同然だと思えば、しょうがないかという思いになりました。 少しずつ試行錯誤していくしかないですよね この作品は小学館創立100周年の記念作品だそうです。 記念作品にふさわしい作品だと思います(*´-`)
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ここ最近の読書で一番、感動した作品。読んでいる途中も読み終えた後も涙がこぼれました。 人類の歴史は百万年、だか、子どもと女性の人権の歴史はまだ百年には満たない。 確かに作品中に子どもや女性の人権について触れるところもありますが、戦争によって人々の人生が社会全体が翻弄される様子が描...
ここ最近の読書で一番、感動した作品。読んでいる途中も読み終えた後も涙がこぼれました。 人類の歴史は百万年、だか、子どもと女性の人権の歴史はまだ百年には満たない。 確かに作品中に子どもや女性の人権について触れるところもありますが、戦争によって人々の人生が社会全体が翻弄される様子が描かれている。そんな中で学年誌の編集を通して戦中から戦後、強く生きてきた祖母や作家、編集者を学年誌創刊百年企画チームに配属された主人公が追う。祖母、母、主人公の女性三代の生き方にも感じるところがあった。 実在の出版社、作家がモデル。なかなか面白かったです。 ラストは感動。余韻が長く続きました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
凄かった。 この作者さんの本は何冊も読んでいて、どの本もとても楽しく読めました。 この本は別格です。 戦争から現代、滑らかに結びつけて素晴らしかったです。 私は戦争のお話を避けてしまうことが多いのですが、逃げてはいけない現実がそこにはあると深く思いました。 子どもの歴史はたった百年。 五の上一本線を取り除き、自由に伸びてゆくものに蓋をするべきでない。
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面白かったの一言。 壮大な話。祖母、母、娘三人のそれぞれのお話。 違う角度で見ると違う景色が見えてくる。 私は特に祖母のお話が好きだな。
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大手出版社文林館に勤める一橋明日香は、文林館百周年懸念企画チームに異動となってしまいます。学年誌の歴史を紐解いていくなかで戦前から令和まで百年間における、自身の家族のこと、文林館のこと、日本社会のことを学び考える、そんな物語でした。 激動の百年をミクロとマクロの視点で嫌味なく表現...
大手出版社文林館に勤める一橋明日香は、文林館百周年懸念企画チームに異動となってしまいます。学年誌の歴史を紐解いていくなかで戦前から令和まで百年間における、自身の家族のこと、文林館のこと、日本社会のことを学び考える、そんな物語でした。 激動の百年をミクロとマクロの視点で嫌味なく表現していて好印象でした。 星4つです。
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フィクションなのだけれど本当にあった出来事、人物をモデルにしていて児童文学に詳しくない私はどの人が実在する人物なのか、あまりよくわからなかった。 こういう時に勉強の大切さを痛感する。知識があればきっともっと楽しめたはず。 前半は戦中から終戦までの、後半は戦後の出版社のお話。 表現...
フィクションなのだけれど本当にあった出来事、人物をモデルにしていて児童文学に詳しくない私はどの人が実在する人物なのか、あまりよくわからなかった。 こういう時に勉強の大切さを痛感する。知識があればきっともっと楽しめたはず。 前半は戦中から終戦までの、後半は戦後の出版社のお話。 表現の自由がなかった時代、人々は洗脳されながらも疑問や不安ともちゃんと戦っていた。ただ流されていただけじゃなくて、怯えながらも1日も早い終戦を願っていた少女達の様子が切実だった。 この時代の働く女性たちは逞しくて優秀で、それは今と少しも変わらない。我が子自慢、マウント、噂話…そんなものすら変わらない。 もっと自由に、広い視野で生きたいものだ。 太平洋戦争で亡くなった人は300万人。そのうち200万人は最後の1年で亡くなったということは知っていたが、ちょうどその期間の戦況の厳しさ、どんどん酷くなる空襲、食糧難、特攻隊等が描写されるので、ほんとに短期間で転げ落ちるんだなと。 戦後は編集部の話が主。戦災孤児の児童文学作家、佐野美津彦がとても印象的。 戦災孤児の人生を美化され、成功物語として映画にされて悔しくて涙を流す話は、忘れられない。
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最後の最後が本当に温かく、女性としても背中を押される内容でした。 戦争について向き合ったのはかなり久しぶりで辛いシーンもありましたが、いつまでも忘れてはいけないというのは間違い無いと思います。 こんな素敵な名付けができたらな。
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出版社へ入社して5年目の明日花が、創業百周年企画で自社の学年誌100年の歴史を調べるうちに出会う人々。そして活動の中で、今は認知症で会話もままならぬ祖母が、かつて恩地出版社に臨時職員として働き、その学年誌の編集にも何らかの係わりを持っていたことが判り。。。。 古内さんは初読みだと...
出版社へ入社して5年目の明日花が、創業百周年企画で自社の学年誌100年の歴史を調べるうちに出会う人々。そして活動の中で、今は認知症で会話もままならぬ祖母が、かつて恩地出版社に臨時職員として働き、その学年誌の編集にも何らかの係わりを持っていたことが判り。。。。 古内さんは初読みだと思っていましたが、調べてみると一昨年『星影さやかに』を読んでいました。その感想を読み直しながら、同じようなテイストだなぁと。男女の違いは有れどちらも3代、そして戦争を背景にしたちょっと不仲な家族。 この本はどこかで高評価を見かけ読んだのですが、女性や子供の人権、戦争中の出版社の事情、そして3代にわたる家族の物語。やや重さを感じるけど、たしかに読み応えのある良い話でした。 しかし・・・・。 読み始めてすぐに気付いたのですが、この作品自身が小学館の100周年に当たって企画されたものです。だからと言って原田マハの『スイート・ホーム』みたいな自社賛美に終始するものではありません。例えば戦時中には戦争熱をあおり特攻賛美を子供たちに植え付け、終戦直後にはコロリと方針を変えた。そうした黒歴史を真正面に取り上げながら物語は進んでいきます。でもねぇ、どうしても私の中で「なんか小学館に忖度してないかい」という雑念が混ざってしまうのです。これが出版社の企画とは無関係に作られた作品なら、もっと素直に読めた様な気がします。
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フィクションでありながらも、すごく現実味があって面白かったです 主人公にとって最初は、結婚して出産して仕事に戻った同期は憎たらしく思っていたかもですが、その同期なりの苦しさも感じられました おばあさんとまさか同じ出版社だということにもびっくりしたし、おばあさんが戦中戦後で出版社...
フィクションでありながらも、すごく現実味があって面白かったです 主人公にとって最初は、結婚して出産して仕事に戻った同期は憎たらしく思っていたかもですが、その同期なりの苦しさも感じられました おばあさんとまさか同じ出版社だということにもびっくりしたし、おばあさんが戦中戦後で出版社が大変な時の話も興味深かった
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