リスペクト の商品レビュー
住んでいたホステルからの退去命令が出て、行政相手に抗議行動を起こすロンドンのシングルマザーとその仲間達が描かれ、その顛末もおもしろいけど、取材する日本人ジャーナリストが自我に目覚めていく過程もよかったです。
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「あたしたち、多かれ少なかれ、みんな旅の途中で西の魔女に何かを奪われちゃってたんだと思う。自信とか、やる気とか、人を信じる力とか。」 というわけで、1,000冊目はこいつにしておけば綺麗だったかなのひまわりめろんでございます 『リスペクト』です リスペクトってのは日本語では尊...
「あたしたち、多かれ少なかれ、みんな旅の途中で西の魔女に何かを奪われちゃってたんだと思う。自信とか、やる気とか、人を信じる力とか。」 というわけで、1,000冊目はこいつにしておけば綺麗だったかなのひまわりめろんでございます 『リスペクト』です リスペクトってのは日本語では尊重するとか尊敬するって意味になるみたいですね 重んじる、敬うってことですよね 人は全て生まれながらにリスペクトされるべき存在なのです! え?本当? もちろん本当です 生きるってことは尊いんですよ! だけど時に人は様々な理由で、ある特定の人々に向けて『リスペクト』することを忘れてしまうことがある 『リスペクト』に値しない存在と無意識に切り捨ててしまうことがある この物語はそんな切り捨てられようとしている人たちが闘う物語である 闘う相手は『リスペクト』を忘れてしまった人々ではない そんな人々を生み出し続ける社会という名の西の魔女だ!
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実話を元にしたシングルマザーたちの連携と闘い。公的権力に声を上げて大きなうねり運動に発展していく。まず不当なことには声を上げることだと教えられた。
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ブレイディは今話題のブライトンに住んでいるんだよね〜最高❢ リスペクト❢❢ 弱い者を守らないといけないときに、初めて人は強くなれる。
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アナーキズムとはトイレの修理、がしっくり来た。 社会で生活していると、いつの間にかシステムのなかで生きていて、自分で壊れたトイレを修理したり、修理できる人を探してくることができなくなってしまっている。社会システムの力を借りずに、自力でなんとかするのがアナーキズム。 どんな人...
アナーキズムとはトイレの修理、がしっくり来た。 社会で生活していると、いつの間にかシステムのなかで生きていて、自分で壊れたトイレを修理したり、修理できる人を探してくることができなくなってしまっている。社会システムの力を借りずに、自力でなんとかするのがアナーキズム。 どんな人間にも必要なのは尊厳。パンだけでなく、薔薇=尊厳を。話を聞いてほしい、尊厳をもって扱われたい。 運動って会社で働くよりずっとタフ。 仲間割れしたり、うまくいかないと生活できなかったり。 日本だと貧乏なのは自分のせい、貧乏な人が不便な田舎で暮らすのは当たり前、という認識だと思う。それを、お金が無いけどロンドンに住む権利がある、田舎に行ってもいちから生活を立て直せない、と声をあげるのは日本人にはできないだろう。 売却益目的で住める公営住宅に住ませないのは確かにひどい。家は尊厳、安心。 やばい人になるのは案外爽快。
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実際にイギリスで起きた運動をもとに 作られたお話。 ロンドンの社会状況などがよくわかる。 政府補助金の削減により、 住宅の退去を求められたシングルマザー達。 ホームレスになってしまうのか? 抗議行動を起こす。 都市浄化の為に貧しい人々を排除しようとする行政。 デモ活動。運動を起こ...
実際にイギリスで起きた運動をもとに 作られたお話。 ロンドンの社会状況などがよくわかる。 政府補助金の削減により、 住宅の退去を求められたシングルマザー達。 ホームレスになってしまうのか? 抗議行動を起こす。 都市浄化の為に貧しい人々を排除しようとする行政。 デモ活動。運動を起こすとことで、 注目が集まる。 そしてその活動がイギリスの深刻な問題として 大きな広がりになっていく。 弱い立場にある人に勇気を与えていく。 「リスペクトのないところに尊厳はない。尊厳がないところで人は生きられない。」 自分達の正当な権利として、 勇気を持って活動できる人に、それだけでリスペクトを感じる。 日本の新聞記者の史奈子も、インタビューを通して、彼女たちに共感していく。 力強さのある話だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
住宅を失ったシングルマザー達が社会を動かすお話。実話に基づいてということで、詳細がリアルであり、イギリスの社会問題の一片を感じ取ることができた。住む場所すらない貧困層、保育士の賃金より公営住宅の家賃が上だなんて…と色々思いを馳せながら、日本でも似たようなことが起きているかもしれないよなと、我が身に立ち返ることもした。ブレィディみかこさんは、社会問題に触れながらも読みやすい本が多く、今後の新作にも期待したいと思う。
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本書を読んで、実際にあった「FOCUS E15運動」や「ジェントリフィケーション」という言葉を初めて知りました。 やっぱり良いなぁ、ブレディみかこさん。 勝手に期限を切られ、理不尽な理由で突然退去を迫られたシングルマザーたちの憤りはもっともだと思う。 これは日本も「対岸の火事...
本書を読んで、実際にあった「FOCUS E15運動」や「ジェントリフィケーション」という言葉を初めて知りました。 やっぱり良いなぁ、ブレディみかこさん。 勝手に期限を切られ、理不尽な理由で突然退去を迫られたシングルマザーたちの憤りはもっともだと思う。 これは日本も「対岸の火事」じゃないなぁと思いました。 日本は抗議活動自体が海外ほど一般的じゃないし、唯々諾々と従うことの方が圧倒的に多いと思う。 でも本作ではそうじゃない。 理不尽や納得いかないことに声をあげ行動している彼女たちを“すごい!”と思ったし、応援したくなった。 思うところ、考えさせられることがありました。 ブレディさんの作品は読んだ後、いつも心に何かを残していく。 でも、それが良くてまた彼女の文章を読みたくなります。
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抗議運動って、日本じゃ中々ないので、ピンと来なかったのですが、日本人の女性キャラがいる事で、彼女には感情移入できました。この作者さんの息子さんをネタにしたノンフィクションの方が面白かったです。
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イギリス ロンドンで暮らすシングルマザーやホームレスの女性たちが住んでいたホステルの退去を命じられるところから始まる。 最初は役所やら政治的な話だなぁとなかなか読み進められなかったのに、気がつけば夢中になっていた。 自分は何かに対して仕方ないと諦めていないか?と何度も思いながら...
イギリス ロンドンで暮らすシングルマザーやホームレスの女性たちが住んでいたホステルの退去を命じられるところから始まる。 最初は役所やら政治的な話だなぁとなかなか読み進められなかったのに、気がつけば夢中になっていた。 自分は何かに対して仕方ないと諦めていないか?と何度も思いながら読んだ。自分の周りにはない状況ではあるものの、知らない、関係ないという考えではいけないなとも思った。 日本の大手新聞社のロンドン事務所に勤める日本人の史奈子は本当に日本人の感覚を持っていてすごく感情移入できた。史奈子の最後の選択が格好良い。
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