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リスペクト の商品レビュー

3.8

76件のお客様レビュー

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2023/09/06

ロンドン、予算削減のためホームレス専門ホステルから出て行けと言われた人たちが闘う。2014年に実際にあった事件をもとにした小説。 労働党の緊縮財政批判やアナーキズムなどブレイディみかこらしい作品。ストーリーを楽しむというより社会科学を学ぶ本ぽい。真面目臭さがあまり好みではなくザ...

ロンドン、予算削減のためホームレス専門ホステルから出て行けと言われた人たちが闘う。2014年に実際にあった事件をもとにした小説。 労働党の緊縮財政批判やアナーキズムなどブレイディみかこらしい作品。ストーリーを楽しむというより社会科学を学ぶ本ぽい。真面目臭さがあまり好みではなくザザッと飛ばして読んだ。

Posted byブクログ

2023/09/04

みかこさんの本は相変わらず自分が全く知らなかった世界の事を教えてくれる。 読んで普段なら絶対考えない事を沢山考えて、読む前とちょっと世界が違く見えてくる。 まさに実のある読書と言う感じ。 ロンドンで起こった事だけど、これも日本の東京とか都市部で起きてないとは言えないだろうし、実際...

みかこさんの本は相変わらず自分が全く知らなかった世界の事を教えてくれる。 読んで普段なら絶対考えない事を沢山考えて、読む前とちょっと世界が違く見えてくる。 まさに実のある読書と言う感じ。 ロンドンで起こった事だけど、これも日本の東京とか都市部で起きてないとは言えないだろうし、実際自分が知らないだけで元から住んでた人を追い出して高級マンションばかりを建てると言う事はあるのだろう。 高所得者だけしか住めない都市は街として成り立っていくのか…そこのバランスはとても難しいと思った。

Posted byブクログ

2023/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アレサ・フランクリンの「リスペクト」を聴きながら読み終わった。 2014年、ロンドンで起こった公営住宅占拠事件。ホームレスシェルターを追い出された若いシングルマザーたちが空き家のままになっていた公営住宅を占拠、社会問題となったこの事件をもとにブレイディみかこが「人間の尊厳」を描き出す。 誰もが安心して住む家が欲しい。ただそれだけを求めているのにお上はもっと家賃の安い場所に行け、という。 日本ではそのことに違和感がない。都会は家賃が高いから、もっと家賃の安い不便なところ、あるいは田舎の方に行って住めばいい、と思ってしまう。けれどそれが「当たり前ではない」といことをこの小説を読んで初めて知った気がする。 彼女たちが公営住宅を占拠し始めたとき、元から住んでいる人たちから反感を買うのではないか、という懸念は、働かずに生活保護を受ける人たちに対しての、安い賃金で底辺の暮らしをしている人たちからの妬みと根は同じだ。 けれど彼女たちが公営住宅を占拠したあとたくさんの人たちが集まってきた。それぞれに「持っているもの」を「あげる」ために。 差し入れであったり、技術であったり。食べ物やおもちゃを持ち寄ったり、住めないほど痛んでいるトイレをあっというまに直してくれたり。 何も知らなかった若いママたちの直接行動が直接民主主義の芽を生み出した、そして現在のトップダウンの政治システムがいかに機能していないかということまで暴き出したいったのだ。彼女たちの純粋な気持ちが多くの人や、メディアを動かしていった。そして占拠に対する裁判を迎える。 生活保護を受けることを恥ずかしいと思うこと、その恥によって自分を壊していくこと。そこには人間の尊厳を奪われた背中があるだけなのだ。 彼女たちが手に入れようとしたこと、いや、取り戻そうとしたこと、それは自分への本の少しのRESPECT。 人は誰もが安全で温かいところで眠り安心して子どもを育てる、その当然の権利。 この小説を読むと心の奥底から何かがわきだしてくる。あきらめていた何か、見て見ぬふりしていた何か。そんな何かを取り戻すために、やるかやらないか、ではなく、やるしかないんだ、という熱い気持ち。 ブレイディみかこが日本に住む私たちにぶち投げたこの一冊。確かに受け取った。

Posted byブクログ

2023/08/21

ノンフィクションのライターである(だった?)ブレイディみかこの小説2作め。ノンフィクションの対象と距離をおいた書き方とは違って、それぞれの人物により迫る書き方が心に残った。若い世代に手にとってほしい。

Posted byブクログ

2023/08/19

イギリスで起こった社会運動の小説化。 ブレイディさんらしいなーと感じる描き方。 「イギリスはこうだよ。で、日本は?」 と問いかけている。

Posted byブクログ

2023/07/18

ブレイディみかこさんの新作は、2014年に実際に起きた事件(出来事?)を題材にしたフィクションだ。公営の宿泊所を追い出されたシングルマザーたちが、ロンドンで空き家となっていた公営住宅を占拠したというもの。彼女たちはホームレスでもあり、幼い子供を抱えて路上生活をするわけにもいかず、...

ブレイディみかこさんの新作は、2014年に実際に起きた事件(出来事?)を題材にしたフィクションだ。公営の宿泊所を追い出されたシングルマザーたちが、ロンドンで空き家となっていた公営住宅を占拠したというもの。彼女たちはホームレスでもあり、幼い子供を抱えて路上生活をするわけにもいかず、まさに切羽詰まった状態だった。 役人や政治家は杓子定規なことしか言わないのはどこの国も同じだ。そんな彼らに、社会の底辺にいるもっとも弱い立場の彼女たちが一矢報いるのは爽快だ。 運動は共感を呼び、多くの支援者たちに支えられる。このあたりの描写は感動的だった。 ただ、小説としては弱いかな。事実の重みは十分伝わってくるけれど、小説である必要があまり感じられなかった。 NetGalleyにて読了。

Posted byブクログ