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青春をクビになって の商品レビュー

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60件のお客様レビュー

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2024/02/21

言葉にならないけど読んでよかった。 小柳先輩を通して10年後の自分と向き合う辛さ。 瀬川を通して夢を託す栗山。 青春と年齢の狭間で選択を迫られる瀬川。 初めて読む作家さんでしたが、一気読みでした。 違う作品も読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/02/15

古事記を研究するポスドクの話。 大学の教員なんて、それだけで食べていこうなんて難しいらしい。 席があるだけ良いのかも。 この世界に詳しくないのでわからないが、文系の研究なんて、そう新しい発見があるわけでもなさそうなので、余計に研究だけを続けるのは難しいのかもしれない。 そこにしが...

古事記を研究するポスドクの話。 大学の教員なんて、それだけで食べていこうなんて難しいらしい。 席があるだけ良いのかも。 この世界に詳しくないのでわからないが、文系の研究なんて、そう新しい発見があるわけでもなさそうなので、余計に研究だけを続けるのは難しいのかもしれない。 そこにしがみついている、というと言葉は悪いが、主人公の朝彦も、先輩の小柳もその状況はあたっているだろう。 情熱だけでは食べていけない。 誰かを犠牲にしているかもしれない。 現実を直視することも必要。 朝彦の友人の栗山は早々に現状を直視して方向転換を図る。 それも社会人として必要。 小柳はあまりにも現実逃避し過ぎ。 人の善意に甘えて研究を続けるなんて情けない。 まあ、ようやくそれがわかったから姿を消したのだろう。 朝彦がレンタルフレンドとして関わる人達の話も面白い。 今の世の中を的確に表している。 世の中は夢だけでは生きていけない。 好きなことだけしていて生きていける人はほんの一握り。 夢や好きなものとどう折り合いをつけて、現実の世界を生きていけるかが大人なのかもしれない。

Posted byブクログ

2024/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館本。大学の非常勤講師の瀬川朝彦の決断の話。レンタルフレンドの体験で色々な人と知り会い自分の行く末を悩み、新しい生活に踏み出す事になり安心出来た。

Posted byブクログ

2024/01/30

研究者を諦めて一般企業で働いている人を何人か知っているが、適当に大学に入って就職した自分とは比べ物にならない葛藤を経て社会人になったのかもしれないと思った。 自分自身は、命をかけられるくらいに没頭したこともなく、なんとなく働いているので、いろいろと考えさせられた。

Posted byブクログ

2024/01/29

古事記の研究に青春を賭け、非常勤講師で食いつないできたが、雇い止めという冷たい現実に直面している35歳のポスト・ドクター、瀬川朝彦が主人公の小説。瀬川のゼミ時代の先輩で大学の貴重な資料を持ったまま行方不明になってしまった高齢ポスドクの先輩、小柳博士の動向も物語の鍵となる。 自分も...

古事記の研究に青春を賭け、非常勤講師で食いつないできたが、雇い止めという冷たい現実に直面している35歳のポスト・ドクター、瀬川朝彦が主人公の小説。瀬川のゼミ時代の先輩で大学の貴重な資料を持ったまま行方不明になってしまった高齢ポスドクの先輩、小柳博士の動向も物語の鍵となる。 自分も大学時代に歴史学を専攻しており、院生やポスドクの姿もたくさん見てきたので、このテーマには興味をそそられるところがあった。 自分が見てきたことからいうと、文系院生・ポスドクの解像度がやや低いようにも思ったが(院生やポスドクが雑務をこなす学会のことにほとんど触れていないことや、学部時代にはポスドクになって困窮してしまうリスクを考えてもいなかったというような描写など)、文系ポスドクの悲哀ややるせなさがよく描かれていると感じた。また、同時に取り上げられているレンタルフレンド絡みのエピソードも興味深かった。

Posted byブクログ

2024/01/25

今の時代自分の夢が何なのか分からない、やりたいことってなんだっけ?という人が多い中自分の夢をみつけそこを突き進んでいっても生活ができない。その研究が何かの役に立たないとその仕事はしてはいけないのかそう思った。けどそれと同時に、世の中は誰かのためになった報酬としてお金を貰うという仕...

今の時代自分の夢が何なのか分からない、やりたいことってなんだっけ?という人が多い中自分の夢をみつけそこを突き進んでいっても生活ができない。その研究が何かの役に立たないとその仕事はしてはいけないのかそう思った。けどそれと同時に、世の中は誰かのためになった報酬としてお金を貰うという仕組みができてしまっているのだからこうなってしまうのは仕方の無いことなのかと思ってしまう。 夢ってなんなんだろう。 お金が無いと夢は追いかけられないし夢は夢じゃなくなる。 そうなっていくと人は生きる意味を失うと私は思う。好きなことだけで生きていけないことは十分にわかるけど、それを生かせる何かを作ってあげることは出来ないのか。需要がない仕事は意味が無いことなのか、そう思ってしまう。 政治家だって、世の中を変えたいからなったんでしょ?世の中変えられないならポスドクみたいに生活できないぐらいのお給料しか貰えないよね?この差がおかしいって私は思う。

Posted byブクログ

2024/01/21

 夢にどう決着をつけるのか。無給のポスドクが本来没頭したい研究を続ける夢と仕事に困る現実に苛まれる現実。この折り合いをどう付けるのか。ポスドクらが置かれた環境の厳しさをノンフィクションのようなリアルさで描いた「青春をクビになって」。主人公は大学非常勤講師として働いている35歳の古...

 夢にどう決着をつけるのか。無給のポスドクが本来没頭したい研究を続ける夢と仕事に困る現実に苛まれる現実。この折り合いをどう付けるのか。ポスドクらが置かれた環境の厳しさをノンフィクションのようなリアルさで描いた「青春をクビになって」。主人公は大学非常勤講師として働いている35歳の古事記研究者。突然、来年度の契約はできないとの通告を受ける。失踪した小柳先輩は自分と同じく就職氷河期の世代。自分も同じような展開になったかもしれないと他人事とは感じられずに読み進んだ。章間の展開が面白い。

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2024/01/17

新聞の本の紹介コーナーに載っていた作品。 古事記の研究をしてる、35歳でポスドクの主人公が自分の進むべき道を探るお話。 ポストドクター略してポスドク。博士課程を修了し、常勤研究職になる前の研究者のことを指す言葉。全く知らない世界の話しだけど、身につまされるシーンが何度もあったな...

新聞の本の紹介コーナーに載っていた作品。 古事記の研究をしてる、35歳でポスドクの主人公が自分の進むべき道を探るお話。 ポストドクター略してポスドク。博士課程を修了し、常勤研究職になる前の研究者のことを指す言葉。全く知らない世界の話しだけど、身につまされるシーンが何度もあったな。学生でもないのに、大学にお金払ってまでも自分の研究を突き詰めるって、小説だから主人公達に気持ち入るけど、自分の身内にいたら理解してやれないかもな。 古事記に出てくる「色」の話はとても興味深かった。赤いとは言うけど、緑いとは言わない理由。日本人って凄いよな。

Posted byブクログ

2023/12/23

ポスドク(ポストドクター)と呼ばれる博士研究員 の置かれている状況がいったいどんなものなのか、本書を読むとよくわかる。 他の爽やかな著書とは違い少し重め、厳しい現実を突きつけられる作品です。 大学で研究を続けながら非常勤講師をしているポスドクの瀬川。 “雇い止め”のある非正規労...

ポスドク(ポストドクター)と呼ばれる博士研究員 の置かれている状況がいったいどんなものなのか、本書を読むとよくわかる。 他の爽やかな著書とは違い少し重め、厳しい現実を突きつけられる作品です。 大学で研究を続けながら非常勤講師をしているポスドクの瀬川。 “雇い止め”のある非正規労働者の不安定さ。先の見えない悩みと葛藤。 「好きな研究ができる環境」と「経済的安定」を共に得ることって難しい。 希望へと続く「もし」「たられば」の言葉が頭のなかをグルグルまわる。 あぁ、これはしんどいなぁ…。 好きなことを貫くって難しい。 読んでて切なくなった。 自分のことを振り返ってみても、人生って選択の繰り返し。 社会問題を絡めながら、ポスドクの現実と夢の諦め方について描かれた作品。 しんみりとしてしまいました。 『何を抱えて、代わりに何を捨てて生きていくかって選択は、下した直後はしんどいはずだ。でも、何かを諦めても、意外と別の幸せは転がってるんだと思う』

Posted byブクログ

2023/12/20

好きな作家さん ちょっと重い話。嫌な仕事を続ける私にはわからない世界だ、好きな事をその歳までできるのは羨ましいという思いとそれでも大変な事もあるのね…という感想。

Posted byブクログ